Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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「お、おいっ!
危ないから離れるんじゃないぞ!」

「は、はいっっ!」

隣町に着いた私とファビアンさんは、くっつきながら町の中をゆっくり歩いていきました。



「お~い!誰かいないのか~?」

「どなたかいらっしゃいませんか~?」

私達は、歩く度に声をかけていきましたが、やはり以前この町を訪れた時と同様に何の返答もありませんでした。



「やっぱりこの前来た時と同じですね。」

「そうだな…じゃあ、帰るとするか…」

「そ、そんな…
何か手掛かりくらい持って帰らないと、ここまで来た甲斐がないじゃないですか!」

「だが、こんな所にいたら俺達もどうなってしまうかわからないんだぞ!」

「大丈夫ですよ!
なんたって、私は運が良いんですから!」

「大丈夫なもんか。
俺は特別運が悪いんだぞ…」

二人の間に気まずい沈黙が流れました。



「ハハハハ…だ、大丈夫です…多分…
あ…そういえば、あっちの方は見てませんでしたね…
ちょっと行ってみましょうか…」

「お、おいっ!」

私はファビアンさんの手を取って、町外れの方へ向かって行きました。
その道はどうやら裏山に繋がっているようです。
私とファビアンさんはあたりに注意しながら、山道を進んで行きました。







「おいっ、一体どこまで行くつもりなんだ?
こんな山に来たってなにもないぞ。」

「本当ですね。
もしかして一軒くらい民家があるじゃないかと思ったんですが…」

「こんな山ん中に民家なんてないだろ…あ……」

もう帰ろうかと思っていた矢先、ファビアンさんが小さな家があるのをみつけました。



「あったな!
こんなに町から離れてるんじゃ、もしかしたらあの家の者は無事かもしれないぞ!
行ってみよう!」

私とファビアンさんは民家に向かって駆け出しました。

ところが、残念なことに、その家にも誰もいなかったのです。
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