Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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「おまえたち、魔法の呪文も見えるんだな?」

「魔法の呪文…ですか?」

私とファビアンさんはまた顔を見合わせました。



(ファビアンさん、魔法の呪文って何のことだかわかりますか?)

(いや、全くわからん。
あんたもわからないのか?)

(ええ…一体、何のことなんでしょうね?)



私は、今回もまた小さい人に聞いてみました。


「あのぉ…魔法の呪文って…何のことですか?」

小さい人は、私のその言葉に目を丸くされました。



「本当に知らないのか?!
じゃあ、なんでおまえ達は飛ばされない?」

「飛ばされない??」

わかりません…
私には小さい人の話がまったくわかりませんでした。



「魔法の呪文とか、飛ばされるって何のことなんだ?
もっとわかりやすく教えてくれよ。」

小さい人は少し考えていたようですが、しばらくして私達に向かっておっしゃいました。



「ボクらの村へ行こう。」

そう言うと、小さい人は私の右肩にぴょんと身軽に飛び乗ってちょこんと可愛く座られました。



「ボクの村はこっちだから。」

「は、はいっ!」

私とファビアンさんは、小さい人に指示されるまま、山の奥へと歩いて行きました。

しばらく歩き続けると、あたりにはどんどん木が密集して来ました。
森です。
その中の一際大きな木の前で、小さな人はぴょんと地面に降り立たれました。
そして、木に向かってなにやら呪文を唱え始められたかと思うと、そこにはぽっかりと大きな穴が現れたのです。



「ここだから。」

何がなんだかわからないでいる私達に向かってそう言うと、小さな人は唐突に穴の中に飛びこまれました。
私が、それに続いて入ろうとすると、ファビアンさんがあわてて私を引き戻されました。



「お、おいっ!
着いて行って大丈夫なのか?
どこに出るかわからないんだぞ!」

「大丈夫ですって。
行き先は、小さい人の村だっておっしゃってたじゃないですか?」

「ちっこいからって油断してちゃえらいことになるぞ!
なんたって、あいつらは魔法を使いやがるんだからな。」

「大丈夫ですってば!
あの人はそんな悪い人じゃありません。
さ、行きますよ!」

「こ、こら~~~っ!」

私はファビアンさんの手を取り、暗い穴の中に飛び込みました。
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