Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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「ぎゃああああ~~~!」

「ど、ど、どうされたんです?!」



一瞬にして着いた場所は、さっきの森とよく似た場所でした。
私は無事にニ本の足で着地出来たのですが、なぜだか、ファビアンさんはその場に尻餅を着き、着くと同時に飛び上がられたのです。



「し、し、尻に…」

「……え?」

見ると、足元には尖った石ころが転がっており、ファビアンさんの革のズボンは破れて血がにじんでいました。



「こっちだから…」

ファビアンさんの不幸な怪我をまったく無視して、小さな人は私の肩に飛び乗ると一方を指差しました。
私達の姿を見て、あたりにいた他の小さな人が驚いたような顔をして道の端っこに逃げ出して行かれます。



「皆さん、私達のことを怖がってらっしゃるようですね。」

「あぁ、皆、あんまり人間を見た事がないからな。」

「あなたは違うのですか?」

「ボクは人間なんて怖くない!
人間なんて、ボク達より身体が大きいだけだからな!」

小さい人は、甲高い声でそう言いきりました。
ずいぶんと自信家のようです。
しばらく歩くと、小さな藁葺きの建物が見えてきました。



「ちょっと待ってて。」

その建物の前で小さい人は私の肩から飛び降り、その中に走って入って行かれました。



「ファビアンさん、お尻は大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫だ。
そんなことより、ここは本当に小人達の村みたいだな。
大丈夫なのか?
ちゃんと帰れるのか?」

「大丈夫だと思いますよ。
ここの人達は、私達のことを怖がってらっしゃるようですが、悪意はなさそうですから。」

「あんたは本当に呑気だなぁ…」

そんな話をしていると、建物の中からさっきの小さい人とさらに三人の小さい人が出て来られました。
杖をつき、白く長い髭を生やしたご老人です。
四人は私達のそばにちょこまかと近付いて来られました。
この方達も、人間を怖がる様子は無さそうです。



「こちらは、この村の三賢者、ライリー様、テイリー様、ナイリー様だ。」

「人間達よ、よく来られた。」

「ライリー様、私はディディエ、そしてこちらはファビアンさんです。」

「早速じゃが、おぬしらに頼みたいことがある…」

「頼みたいことですか?何でしょうか?ナイリー様?」



(あんた、よくあの三人の見分けが付くな!
俺には三人共同じに見えるぜ!)

(そうですか?!)

どうやらファビアンさんには三人の見分けが付かないようです。 
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