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Angel's Ring
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私達は、三賢者の瞬間移動によって、洞窟のような場所へ連れて行かれました。
「あっ!あんた達!!
助けてくれ!!」
私達の姿を発見した町の人が、洞窟の入口付近からこちらに向かって叫ばれました。
「助けてくれって…なんで出てこないんだ?」
「あ…そこは…」
どぉぉぉぉぉ~ん…
「いってーーーー!!」
洞窟に向かって駆け出されたファビアンさんが見えない何かにぶつかり、低い音と共に弾き飛ばされました。
「そこには見えない壁があるんじゃよ。」
「いててて…一体、どうなってるんだ!
おいっ!俺の鼻、曲がってないか?」
ファビアンさんは鼻をさすりながら、私にそう聞かれました。
「ええ。大丈夫です。まっすぐです。」
「そうか…しかし、壁があるならあると、もっと早くに言ってくれよな!」
ファビアンさんは三賢者を睨みながらそう言うと、今度は洞窟の人達に向かって声をかけられました。
「皆、無事か?
具合の悪い者はいないか?」
「あぁ、皆、元気だ!
ありがたい…あんたら、俺達を助けに来てくれたんだな?
早くここから出してくれよ!」
「それが…そういうわけにもいかないんだ。
まずは、あんたらがここに連れて来られた理由なんだけどな…」
ファビアンさんは三賢者の話を町の人達に話されました。
「絆の石の祠だぁ…?」
皆さんは、まるで覚えがないようにがやがやと話し合っていらっしゃいましたが、そのうち、中年の男性が声を上げられました。
「そうだ!そういえば、そんな話を聞いたことがあるぞ!
以前、山奥のマーティ婆さんが、祠がどうのこうのと言ってた…
暇があったら、少し直してほしいとかなんとか言われてそのまま…」
「マーティ婆さんってのは誰なんだ?」
「山ん中に一人で住んでる婆さんでな。
もう1年位前に死んじまったんだ。」
「あ、ファビアンさん!
私達が山の中でみつけたあの家…あそこがその方のお家だったんじゃないでしょうか?」
「きっとそうだな。
それで、そこに奉ってあった絆の石がなくなったってことなんだが、誰か何か知らないか?」
町の人達はまた話し合いを始められましたが、誰も知ってるような素振りはありませんでした。
皆、首を横に振るばかりです。
その時、洞窟の中で子供が大きな声で泣き出したのです。
「あっ!あんた達!!
助けてくれ!!」
私達の姿を発見した町の人が、洞窟の入口付近からこちらに向かって叫ばれました。
「助けてくれって…なんで出てこないんだ?」
「あ…そこは…」
どぉぉぉぉぉ~ん…
「いってーーーー!!」
洞窟に向かって駆け出されたファビアンさんが見えない何かにぶつかり、低い音と共に弾き飛ばされました。
「そこには見えない壁があるんじゃよ。」
「いててて…一体、どうなってるんだ!
おいっ!俺の鼻、曲がってないか?」
ファビアンさんは鼻をさすりながら、私にそう聞かれました。
「ええ。大丈夫です。まっすぐです。」
「そうか…しかし、壁があるならあると、もっと早くに言ってくれよな!」
ファビアンさんは三賢者を睨みながらそう言うと、今度は洞窟の人達に向かって声をかけられました。
「皆、無事か?
具合の悪い者はいないか?」
「あぁ、皆、元気だ!
ありがたい…あんたら、俺達を助けに来てくれたんだな?
早くここから出してくれよ!」
「それが…そういうわけにもいかないんだ。
まずは、あんたらがここに連れて来られた理由なんだけどな…」
ファビアンさんは三賢者の話を町の人達に話されました。
「絆の石の祠だぁ…?」
皆さんは、まるで覚えがないようにがやがやと話し合っていらっしゃいましたが、そのうち、中年の男性が声を上げられました。
「そうだ!そういえば、そんな話を聞いたことがあるぞ!
以前、山奥のマーティ婆さんが、祠がどうのこうのと言ってた…
暇があったら、少し直してほしいとかなんとか言われてそのまま…」
「マーティ婆さんってのは誰なんだ?」
「山ん中に一人で住んでる婆さんでな。
もう1年位前に死んじまったんだ。」
「あ、ファビアンさん!
私達が山の中でみつけたあの家…あそこがその方のお家だったんじゃないでしょうか?」
「きっとそうだな。
それで、そこに奉ってあった絆の石がなくなったってことなんだが、誰か何か知らないか?」
町の人達はまた話し合いを始められましたが、誰も知ってるような素振りはありませんでした。
皆、首を横に振るばかりです。
その時、洞窟の中で子供が大きな声で泣き出したのです。
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