Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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「アッシュ、どうしたんだ?」

「なにがあったの、アッシュ?」

泣き出したのは5歳くらいの男の子で、その両親らしき若い男女がその子の傍でおろおろされていました。



男の子が泣きやむまで、私達はただ黙って様子をうかがうことしか出来ませんでした。
しばらくして、アッシュはやっと落ちつきを取り戻してきました。
泣き過ぎて、泣き疲れたのかもしれません。



「アッシュ…何をするつもりなの?」

ほっとしたのも束の間、アッシュは、真っ赤な鼻と真っ赤な目をしておずおずと前に進み出て、私達の方へぺこりと頭を下げました。



「ごめんなさい…」

「どうしたんだ、坊主?」

「僕なの…
あの石を持って帰ったのは…僕なんだ…
そんな大切な石だなんて知らなかったから…
僕…本当にごめんなさい!!」

それだけ言うと、少年の大きな瞳からは、またぽろぽろと大粒の涙がこぼれて来ました。



「アッシュ、どういうことなの?
詳しく教えて!」

アッシュの母親らしき女性が傍に来て彼を問いただし、アッシュはぽつりぽつりとその時の様子を話し始めました。
山に遊びに来た時に彼は偶然絆の石の祠をみつけ、そこに奉ってあった石を発見したそうです。
石はほこりにまみれ、祠もぼろぼろだったため、こんな所に置いておくのは可哀想だと思った彼は、石を家に持って帰ったということでした。
そして、石を綺麗に洗い、宝物として大切に持っていたということだそうです。



「そうじゃったんか…」

「大切にしてくれたんじゃな…」

「わしらの誤解だったようじゃな…」

三賢者はアッシュの話を聞いて、すっかり心がほぐれたようです。




「ごめんなさい、小人さん。」

「アッシュ、何を言ってるの?
小人さんなんてどこにもいないじゃない!
そういう嘘は言っちゃいけないって、何度も言ったでしょう?」

「あ…ぼ…僕…」

アッシュは母親に叱られ、困ったような顔をしています。
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