Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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「…と、まぁ、そういうわけだったんだ。」

私達は隣町の神父さんの元を訪ねました。



「そうだったのですか。
本当にあなた方にはお世話になりましたね。
ありがとうございました。
つい先程、ミカエル夫妻を始め、この町からいなくなっていた人達も無事に戻って来られました。
本当にありがとうございました。」

神父さんは、私達の手を握り、何度もお礼を言って下さいました。
私達は特に何をしたわけでもないのに、そんなに感謝されては恐縮してしまいます。
教会を出ると、私達は町の酒場に行きました。
私はお酒はあまり飲めないのですが、ファビアンさんが事件の解決を機に祝杯をあげようとおっしゃったからです。



「乾杯~~!」

私達は、グラスをあわせお酒を酌み交わしました。



「あぁ、なんだかすっきりしたな。
他人のために働くっていうのも、意外と良いもんだな!」

「そうですよ。
喜んでもらえると、こっちも幸せな気持ちになれますからね。
それに、今回は小さな人達ともお知りあいになれましたし、妖精の村に行ったのも私は始めてでしたから、とても楽しかったです。」

「そういえばそうだな。
妖精の村に入れることなんてめったにないから、良い体験をしたといえば言えるよな。
しかし、なんで、俺達には妖精が見えるんだろう?」

「さぁ…私はともかく、ファビアンさんはどうしてなんでしょうね?」

「なんなんだ?
その『私はともかく』ってのは?」

「え…?」

うっかりしてました。
私が本当は天使だということはファビアンさんには秘密だったのです。
天使には妖精が見えても不思議はないのですが、そんなことはファビアンさんには言えません。



「そ、そ、そ、それは…そう!それは私は運が良い人間だから…ということですよ。」

私は飛びっきりの笑顔でそう答えました。



「じゃあ、俺は特別不運だから見えたってことか?」

「………どういうことです?!」

「いや…俺にもわからん…」

そう言って、私達は顔を見合わせ笑い出しました。
私達は、いつの間にかなかなか良い関係になって来ているようです。 
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