Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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私達はその晩は山で野宿をし、次の朝からまたウィンザーさんの教えて下さった森を目指して歩きました。
思ったよりも遠い道程でしたが、やっと次の日の夕方、それらしき森に辿り着く事が出来ました。



「きっと、この森のことですね。」

「そうだな。
どんなお宝があるのか、わくわくするな。」

私達が森に入ろうとしていた時、いきなり背後から大きな声が聞こえて来たのです。



「こら~~!
お主達、どこへ行くつもりじゃ!」

耳がびりびりする程の大きな声を出していたのは、とても小さなお婆さんでした。



「どこ…って、森に行くんだよ。」

「森に…?お主達は馬鹿者か!
この森がどんな場所か知っておるのか?」

「いや…この森になにか問題でもあるのか?」

「知らんのか?!
ここは、出口のない森と呼ばれておるんじゃ!
ここに入るのはそれを信じん大馬鹿者と、それを知らん愚か者だけじゃ!」

「出口のない…森?」

お婆さんの話によると、ここには魔女の呪いがかかっており、一度迷いこんだら二度と出て来れないということでした。



「実は、俺達、この森に妖精の宝があると聞いて来たんだが…」

「まだそんなことを言うとるのか!
いくらそんなものをみつけたとしても、森から出てこられんかったらどうするんじゃ!
そんなくだらないことを言うとらんと、とっとと帰るんじゃ!」

私とファビアンさんはどうしたものかと顔を見合わせました。
おばあさんのおっしゃることももっともです。
ウィンザーさんもきっとこの森がそんな恐ろしい場所だということをご存知なかったのでしょう。
路銀のことは気になりますが、やはり、ここは帰るしかないように私は思いました。



「だけどなぁ…」

ファビアンさんはまだ迷っていらっしゃるようです。




「とにかく、今日はもう暗くなって来た。
今夜はうちに泊まるがええ。
さ、行くぞ!」

お婆さんは私達の返事も聞かずにずんずん歩いて行かれました。
泊めていただけるということですから、私達もお婆さんの後をついていくことにしました。


 
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