深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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「その話がなにか?」

「その娘…シャルロットというのですが、シャルロットは父親似のミルクティーのような薄いブラウンの髪色だったというのです。
私は、今のあなたのお話を聞いて、シャルロットに間違いないと…なぜだかそう感じたのです。」

「そんなことが…
それで、その方はどのくらい前の方なんですか?」

「そうですね……
かれこれもう300年程は経つでしょうか…」

「そんな昔の方が私を助けて下さったのですね…
ありがたいことです。」

「おぉ、あなたは信じて下さるのですね。
最近ではそういったことを信じない輩が増えていると言うのに…嬉しいですよ。
あなたはシャルロットから預かった大切な方、どうぞ、いつまでもお好きなだけここにご滞在下さい。」

ボワイエは、年の割に少し空想好きな男だった。
咄嗟に吐いた作り話が幸いし、計らずもベルナールはボワイエの信頼を得ることが出来たのだ。

ルシファーは実体を持たない。
オルジェやその息子のルシファーの身体には長年馴染んでいたため、悪魔としての能力を使う事も簡単だった。
姿を変えることも出来た。
しかし、ベルナールの身体は違う。
まだ馴染む程の所まで行ってはいない。
そのため、どこかに移動するにしても、瞬間的に移動したり、動物に姿を変えて素早く進むという事が出来ない。
普通の人間のように移動するしか手立てはないのだ。
そういう状況においては、ボワイエのような後ろ盾が出来たことはベルナールにとってとても好都合なことだった。



(二人共消息を絶ったということは…
シャルロットは、私の後を追ったのだな。
靴を置いて来れば状況から察して私のことを諦めると思ったのだが…馬鹿な女だ…)

ベルナールの口許に笑みが浮かんだ。



(しかも、あの時代から300年が経ったということは…
おそらくは、ほぼ、思い通りの時代へ来たということだ…!
私は、元の時代に戻ったのだ!!
……後は、奴らの居所さえみつければ…!)

ベルナールの拳に力がこもった…


 
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