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帰還
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「おい、おまえ達…いつまでむくれてるつもりなんだ?
いい加減にしろ。」
アズラエルの言葉に、リンクもアルグも同じように押し黙ったままだった。
「良いじゃないか、結局、二人とも来ることになったんだから。」
「それが良くないって言うんだ。
アルグは次期村長になる男だぞ。
ティンガの傍で仕事を覚えないといけないっていうのに、こいつは村から出たがるし、村にいてもわけのわからない勉強ばかりしてる!
その上、今回もついてきてしまった…
アズラエル!あんたが甘いから悪いんだぞ!」
「おじさん、そんなこと、よく言いますね!
本来なら、おじさんが村長になるべき所をそうしなかったから父さんが仕方なく引き継いだんですよ!」
「ボクよりティンガの方が村長に向いてるからさ!
そのことは父さんだってわかってくれた。
しかし、ティンガの息子はおまえしかいないんだぞ!
おまえが引き継ぐしかないじゃないか!」
「それなら心配いりません。
リルケの夫のラングは元々父さんの部下ですし、とても優秀な男ですから、きっと彼が継いでくれますよ。
父さんが、今までボクに村長としての勉強を無理強いしなかったのは、ボクが村長には向いてないとわかってるからです。
それに、これからボクの弟が生まれるかもしれませんし、だいたい、父さんはまだ若い。
今からそんなこと心配することもないんじゃないですか?
そんなことより、おじさんはご自分の奥さんの心配でもした方が良いですよ!」
「アルグ!!」
リンクが、赤い顔をしてアズラエルの肩の上で立ちあがった。
「おいっ!」
アズラエルの足がぴたりと停まった。
「私の耳元でこれ以上くだらない喧嘩をするのなら、二人ともこのままここに置いて行くが…どうする?」
アズラエルの低い声が、わずかに震えているように聞こえた。
声の調子から、アズラエルが、相当、頭にきているということを二人は察した。
「……す、すまなかったな。
こいつがちょっと生意気だから…あ、でも、もう喧嘩はしない。約束するよ。
なっ、アルグ?」
「は…はい。
もう喧嘩はしませんから…」
二人は、ひきつった微笑を浮かべてそう言った。
やがて、僅かな間をおいて、やっとアズラエルの足が動き始めた。
「……なら良い…
だが、また、さっきみたいなことが起こったら……わかってるな?」
「はいっ!」
アルグとリンクの声が綺麗にハモった。
「もうじき町に着く。
そこで、ゾルファと会えるはずだ。」
いい加減にしろ。」
アズラエルの言葉に、リンクもアルグも同じように押し黙ったままだった。
「良いじゃないか、結局、二人とも来ることになったんだから。」
「それが良くないって言うんだ。
アルグは次期村長になる男だぞ。
ティンガの傍で仕事を覚えないといけないっていうのに、こいつは村から出たがるし、村にいてもわけのわからない勉強ばかりしてる!
その上、今回もついてきてしまった…
アズラエル!あんたが甘いから悪いんだぞ!」
「おじさん、そんなこと、よく言いますね!
本来なら、おじさんが村長になるべき所をそうしなかったから父さんが仕方なく引き継いだんですよ!」
「ボクよりティンガの方が村長に向いてるからさ!
そのことは父さんだってわかってくれた。
しかし、ティンガの息子はおまえしかいないんだぞ!
おまえが引き継ぐしかないじゃないか!」
「それなら心配いりません。
リルケの夫のラングは元々父さんの部下ですし、とても優秀な男ですから、きっと彼が継いでくれますよ。
父さんが、今までボクに村長としての勉強を無理強いしなかったのは、ボクが村長には向いてないとわかってるからです。
それに、これからボクの弟が生まれるかもしれませんし、だいたい、父さんはまだ若い。
今からそんなこと心配することもないんじゃないですか?
そんなことより、おじさんはご自分の奥さんの心配でもした方が良いですよ!」
「アルグ!!」
リンクが、赤い顔をしてアズラエルの肩の上で立ちあがった。
「おいっ!」
アズラエルの足がぴたりと停まった。
「私の耳元でこれ以上くだらない喧嘩をするのなら、二人ともこのままここに置いて行くが…どうする?」
アズラエルの低い声が、わずかに震えているように聞こえた。
声の調子から、アズラエルが、相当、頭にきているということを二人は察した。
「……す、すまなかったな。
こいつがちょっと生意気だから…あ、でも、もう喧嘩はしない。約束するよ。
なっ、アルグ?」
「は…はい。
もう喧嘩はしませんから…」
二人は、ひきつった微笑を浮かべてそう言った。
やがて、僅かな間をおいて、やっとアズラエルの足が動き始めた。
「……なら良い…
だが、また、さっきみたいなことが起こったら……わかってるな?」
「はいっ!」
アルグとリンクの声が綺麗にハモった。
「もうじき町に着く。
そこで、ゾルファと会えるはずだ。」
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