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ゲームの始まり
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「あぁぁぁぁーーーっっ!」
オルジェスは、叫び声をあげながら両手で構えた短剣を男の胸に突き立てた。
くぐもった声と共に、男の口からは赤黒い血が一気に溢れ出る…
男の身体が一瞬強張り、次の瞬間、がっくりと力が緩む。
ベルナールは押さえつけていた腕を離し、それと同時に男の身体がその場にくずおれた。
「……お…俺…」
放心状態のオルジェスと、今にも気を失って倒れそうなルークの目の前で、ベルナールは男に刺さった短剣を引き抜いた。
真っ赤な血が噴水のように吹き出す。
美しい金髪を赤く染めながら、ベルナールは今一度、その短剣を高く振り上げ、男の胸目掛けて降り下ろすと、深く切り裂きその体内から心臓をえぐり出した。
男の断末魔の叫びが雑木林に響き渡った…
ベルナールは、主の身体を離れてもまだ動き続ける心臓を半分に切り、その片方をオルジェスに差し出した。
「さぁ、食え。
これでおまえは一段と強くなれる…」
そう言って、もう片方を躊躇いもせず自分の口に放り込んだ。
「やめてくれ~!」
ルークはその光景に悲鳴をあげ、その場から走り去った。
オルジェスは、ただ呆然とベルナールをみつめていた。
「さぁ、オルジェス…口を開けろ!」
ベルナールに無理やり男の心臓を押し込まれ、吐き出しそうになるのをこらえ無理に飲み込む。
気持ち悪さにえずき、オルジェスの瞳には涙が浮かんだ。
「なんだ、このくらいのことで情けない奴だな…」
ベルナールは、男の身体にさらに手を伸ばす。
何をしているのかはその音とベルナールの動きからわかったが、オルジェスはあえて目を逸らした。
胸が悪くもどしそうになりながらも、必死でそれを堪える。
ルークと同じようにこの場から逃げ出したい衝動を感じながら、オルジェスは足がすくんでそう出来なかった。
「穴を掘る道具と服を調達して来い。」
しばらくしてベルナールが低い声でオルジェスに指示を与えた。
オルジェスはふらふらと立ちあがった。
町に向かう途中で、自分の上着にも血がついていることに気付き脱ぎ捨てた。
ズボンにも多少の血痕は染み付いていたが、幸い暗いので目立つほどではない。
そんなことに安堵しながら、オルジェスは歩き続けた。
まだ、手足に力が入らない。
しかし、先程の光景が頭をよぎると、怖ろしさと同時にとても気持ちの良いものを感じていることに気が付いた。
(これが、悪魔の血…なのか…)
オルジェスは、叫び声をあげながら両手で構えた短剣を男の胸に突き立てた。
くぐもった声と共に、男の口からは赤黒い血が一気に溢れ出る…
男の身体が一瞬強張り、次の瞬間、がっくりと力が緩む。
ベルナールは押さえつけていた腕を離し、それと同時に男の身体がその場にくずおれた。
「……お…俺…」
放心状態のオルジェスと、今にも気を失って倒れそうなルークの目の前で、ベルナールは男に刺さった短剣を引き抜いた。
真っ赤な血が噴水のように吹き出す。
美しい金髪を赤く染めながら、ベルナールは今一度、その短剣を高く振り上げ、男の胸目掛けて降り下ろすと、深く切り裂きその体内から心臓をえぐり出した。
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「さぁ、食え。
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「やめてくれ~!」
ルークはその光景に悲鳴をあげ、その場から走り去った。
オルジェスは、ただ呆然とベルナールをみつめていた。
「さぁ、オルジェス…口を開けろ!」
ベルナールに無理やり男の心臓を押し込まれ、吐き出しそうになるのをこらえ無理に飲み込む。
気持ち悪さにえずき、オルジェスの瞳には涙が浮かんだ。
「なんだ、このくらいのことで情けない奴だな…」
ベルナールは、男の身体にさらに手を伸ばす。
何をしているのかはその音とベルナールの動きからわかったが、オルジェスはあえて目を逸らした。
胸が悪くもどしそうになりながらも、必死でそれを堪える。
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「穴を掘る道具と服を調達して来い。」
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まだ、手足に力が入らない。
しかし、先程の光景が頭をよぎると、怖ろしさと同時にとても気持ちの良いものを感じていることに気が付いた。
(これが、悪魔の血…なのか…)
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