深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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ゲームの始まり

28

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「ご…ごめん…僕…」

ルークが宿に姿を現したのは、あの夜から二日後のことだった。



「ルーク!」

「ベルナール…オルジェス、ごめんよ…
僕…怖くて…」

俯くルークの胸倉をベルナールが掴み、固い拳がルークの顎を強かに殴った。
ルークの身体は、バランスを失ってよろめき、壁に激突する。



「ベルナール!なにを…!」

ベルナールの腕を掴んだオルジェスに平手が飛んだ。



「止めるな、オルジェス。
示しがつかん。
これはルークのためでもあるんだ。」

そう言い放ったベルナールは、倒れたルークに執拗に暴行を加え続けた。
みるみるうちにルークの顔は腫れ上がり、あちこちから赤い血が流れ出る…
いつもの穏やかなベルナールとは別人のようなその姿に、オルジェスは何も言えず、ただその光景をみつめるだけだった…







「オルジェス…
ルークの手当てをしてやれ…」

悪夢のような制裁がやっと終わった。
ぐったりとして動かないルークの姿に、死んでしまったのではないかのと不安を感じながらオルジェスはルークの傍に歩み寄った。
気を失ってはいるものの、ルークの微かな息遣いを感じ、オルジェスは安堵の溜息を漏らした。
オルジェスは、ルークの身体を抱き抱え、そっとベッドに横たえた。



「これで冷やしてやれ…」

ベルナールは水を張った洗面器をオルジェスに手渡した。



「ベルナール、あんたも手が…」

「こんなものはどうでも良い。
ルークのことを頼むぞ…」

「ベルナール…なんで、ここまで…」



オルジェスの問いにベルナールはぽつりと呟いた。

「オルジェス…ルークは強くならねばならんのだ…
そうでなければ、奴はきっとこれから先の辛さに押し潰されてしまう…
ルークは私達よりずっと繊細なのだ…
繊細な心で恐ろしい復讐をしてしまったら…奴の心はきっとその重荷に絶えきれず壊れてしまう…
そんなこと、私には耐えられない。
なんとしても、ルークを守りたい…!
だからこそ私は…」

ベルナールは拳を握り締め、肩を震わせる。



「ベルナール…あんた、それほどまでにルークのことを…
ありがとう!…本当にありがとう…!」

感激してベルナールの身体を抱き締めるオルジェスに、ベルナールの口端が僅かに上がった。
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