深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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さらなる復讐

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「シャール…さっきはすまなかった…」

シャールは、自室のベッドに横になっていた。



 「……シャール…きっと、君の彼女は元気で暮らしているさ。
つまらないことを言って悪かったな、心配するな。」

 「……無理するなよ、ベルナール。
 君の言った通りだ。
 僕は馬鹿だった…あんな奴の言うことを信じてしまうなんて…」

シャールの大きな瞳に、毀れそうな涙が溜まった。



 「いや…大丈夫だ…
そう、信じた方が良い…信じなければ辛くて生きてはいけないぞ。」

ベルナールはそう言うと、彼に背を向け涙を拭う真似をした。



 「ベルナール…どうしたんだ?」

 「……私にも、君と同じような経験が……いや、なんでもない…」

 「ベルナール!君にも僕と同じような経験があるっていうのかい?」

 「……シャール…私は辛い事は忘れることにしているんだ。
そうじゃなきゃ、ここまで生きてはこれなかった…
良いか、シャール…
忘れるんだ。
 間違っても復讐なんてことは考えるんじゃないぞ…
そんなことをしても、敵う相手ではない…」

 「復讐……」

 小刻みに震えるベルナールの背中をみつめるシャールの心に何かが芽生えた。



 *



 「馬鹿なことをするな!」

ベルナールは、シャールの手に持つ果物ナイフを振り払った。



 「ベルナール、行かせてくれ!!」

 「だめだ!」

 二人はもみあい、シャールの身体は、容易く床に押し倒された。



 「シャール、今の君はこの通り私にすら敵わないのだぞ。
そんなおまえが、エドガーを殺れる道理がなかろう!」

 「だ…だけど、ベルナール!
そ、それなら、僕は……」

ナイフを拾い上げ、衝動的に自分の胸に突き立てようとするシャールの腕をベルナールが制した。



 「馬鹿っ!!」

その声と同時に、ベルナールの手がシャールの頬を激しく打つ。



 「ベルナール……」

 「シャール……馬鹿な真似をしないでくれ…
こんなことで大切な友達を失ってしまったら、私は…私はどうすれば……」

ベルナールは、シャールの身体を抱き締め、静かに涙を流し始めた。



 「ベルナール…ありがとう…
でも、僕はもうここにいる意味がない…
ならばいっそのこと…」

 「そんな哀しいことを言うのはやめてくれ、シャール…」

 「でも、僕はもう…」

シャールは目を伏せ、何度も何度も頭を振る。

 
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