深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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さらなる復讐

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「オルジェス…腹が減っただろう?
 今、うまいものを食わせてやるからな。」

ベルナールはエドガーの顔に枕をかぶせ、その胸にナイフを深深と突き立てた。
 枕越しに彼のくぐもった最期の叫びが放たれる。

ベルナールは、すぐに心臓をえぐり取り、その半分をオルジェスの目の前に差し出した。
しかし、オルジェスはシャールの亡骸に視線を落としたまま、身動き一つ出来ないでいた。



 「オルジェス、さぁ!」

 再び手渡された心臓を、オルジェスは反射的に受け取った。



 「ベルナール…なぜ、なぜ、シャールを…」

 「必要だったからだ。
さぁ、早く食え。
まだ用が残っているんだ。
……おぉ…血がたぎるようだ…!
さすがはエドガーの心臓だな…こんなに早く効果を実感出来るとは…!」

 「だけど、ベルナール……」

 「ぐずぐすするな!」

その厳しい口調に、オルジェスはようやくエドガーの心臓を口に運んだ。



 「オルジェス、そこの女神像の首を右に回せ。」

シャールの身体を担ぎ上げたベルナールが、部屋の隅の女神像を顎で指し示した。
オルジェスが言われた通りにすると、その脇の本棚が滑るように横に動き、その場所に地下に続く階段が現れた。



 「ベルナール、ここは!?」

 「エドガーの隠し部屋だ。」

 階段を降り、廊下の突き当たりにあった古井戸の中に、ベルナールはまるでゴミを捨てるようにシャールの身体を投げこんだ。
シャールの身体が枯れた井戸の底に叩き付けられる鈍い音を聞いても、ベルナールは眉一つ動かさなかった。



 「さぁ、行くぞ!」

 用を済ませるとすぐに寝室に取って返し、窓を大きく開け放った。



 「オルジェス、その花瓶で私の頭を殴るのだ。」

 「えっ!な、なんでそんなことを…」

 「良いから早く!」

ベルナールに急かされ、オルジェスは言われた通りに彼の頭に花瓶を振り下ろす。



 「……もう少し力を込めなくてはいけないではないか……まぁ、良い。」

 赤く染まる金の髪をかきあげながら、ベルナールはオルジェスの胸を切り裂き腕を突き刺した。



 「べ、ベルナール、お、俺まで殺る気なのか…」

 痛みに耐えながら、オルジェスは身構えた。



 「馬鹿だな…そんなこと、するわけがなかろう。
おまえはそこに倒れていろ。
あとは、すべて私に話を合わせろ。良いな!」

そう言い残すと、ベルナールは廊下に出て大きな声で、助けを求める。




 「だ、誰か…!誰か、早く来てくれーーー!」

そして、その場にわざと大きな音を立てて倒れ込んだ。
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