深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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復讐の連鎖

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オルジェスの全身に返り血が振りかかり、くぐもった声と共に、ルキティアの口からは赤黒い血の塊が吐き出され、その身体がびくんと大きく波打った。
トレルはその様子に大きく目を見開き言葉にならない声を発したかと思うと、そのままがっくりと前のめりに倒れ込んだ。



 「すごいや…これが悪魔の心臓…」

ルークは、オルジェスの手の中でいまだ脈動する心臓を興奮したようにじっとみつめる。
オルジェスもそれをしばらくみつめていたが、唐突にそれを口に押し込むとそのまま無心にかぶりついた。



 「よくやった…オルジェス…ルーク。」

 「あ……」

その声に、オルジェスははっとしたように食べるのをやめ、半分近くになった心臓をベルナールに差し出した。



 「私は良い。
それはおまえが全部食べろ。」

 「いや…半分ずつだ。
すまない……ついうっかりしてた。」

ベルナールは少し困ったような顔をしながらそれを受け取り、血の滴る心臓を口に運んだ。
ルークは、ベルナールがそれを食べる様をうっとりとした表情でみつめる。



 「さぁ、二人共早く服を着ろ。
オルジェス、疲れているだろうが…飛べるか?」

 口元の血を拭いながら、ベルナールがオルジェスに尋ねる。



 「俺なら大丈夫だ。
どこまで行くんだ?」

 「少し遠いが、私がルキティアと旅行に行ったあの町…とりあえず、あそこに行こう。
 疲れたら、どこかで待っていてくれ。
ルークを運んだら、戻って来る。」

 「心配しなくても大丈夫だって、そのくらいやれる。
 今、ルキティアの心臓を食ったばかりだしな…」

 「……そうか、では、あの町の宿屋で落ち合おう。」

 身支度が整うと、ベルナールはルークを連れて姿を消した。



オルジェスは、今一度部屋を振り返った。
 気を失ったままの瀕死のトレルやルキティアの穴の開いた胸を見ても、それほど心の動かない自分自身をどこか不思議に感じながら、オルジェスはルキティアの傍に歩み寄る。



 (さようなら…ルキティア)

オルジェスはルキティアの瞼をそっと閉ざすと、その場から姿を消した。
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