秘密のカレはＶ(ヴィジュアル)系

揺れるココロ

３

そうだよ…だから、賛成出来ないんだ。
どうせ、うまくいかない恋なら、ママの傷が浅いうちに破れた方がまだ良いもん。
うん、きっと、そうだ…と、思う…



「ねぇ、瑠威…」

 「何？」

 「瑠威は、ママのどこが好きなの？」

 「え？」

 私はつい思ったことを質問してた。
 瑠威は驚いたように目を丸くして、ママはどこか照れくさそうな顔をした。



 「どこって…クサいけど全部…かな。」

 「全部っていいかげんな言い方じゃなくて、もっと具体的に教えてよ。」

 「具体的にって言われてもなぁ…
なんていうか…とにかく、俺にはかおりしか見えないから…」

そう言って、瑠威はママの目をじっとみつめた。
ママは照れてるけど、やっぱり嬉しそうだ。
そりゃあそうだよね。
あんなイケメンに「かおりしか見えない」なんて言われて喜ばない女はいないよ。



 「じゃ、じゃあ、ママはどうなの？」

 「ママは瑠威のどこが好き？」

 「さぁ…どこかしら。」

ママはさすがに恥ずかしいのか、私の質問をはぐらかした。



 「俺も聞きたい。
かおり、教えてよ。
……俺のどこが好き？」

おいおい、娘の前で何をいちゃいちゃやってるんだ！？
バカバカ、瑠威ったら、熱い眼差しでママをみつめてるよ。
ママもとろけそうな顔をして…もう見ちゃいられない！