上 下
165 / 201
side 瑠威

しおりを挟む
「……かお姉と何かあったのか?」

クロウは俺を見ずにそう言った。



「……なんで、そう思う?」

「だって…昨夜、おまえ『かおり、かおり』ってうるさかったから…」

どうやらバレバレのようだった。
それなら今更隠しても仕方ないか…いや、俺自身、誰かに話を聞いてほしかったんだ。



「くだらない話だけど…聞いてくれるか?」

「あぁ、今日は暇だから聞いてやるよ。」

クロウの憎まれ口は優しさの裏返しだ。



「実は、な……」



俺は昨日のことを話した。
洗いざらい、何もかも…


話すだけで、昨日のことが思い出されて苦しくなるほどだったけど、それでも俺はすべてを話した。
しおりを挟む

処理中です...