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069 : 慟哭
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「やっぱり、婆さんの言ったことは本当だったな。」
リュックは機嫌の良い顔で、酒をあおった。
「カトリーヌ、喜ぶだろうな。」
「あぁ、間違いないな。」
その酒場には簡単な食事もあったので、私達は夕食を食べながらドミニクを待った。
ゆっくり話が出来るように、
私達は奥のテーブルに陣取った。
「あ、来たぞ。」
「ドミニク、ここだ!」
リュックが立ち上がって、手を振った。
「待たせてすまなかったな。」
「いや、大して待ってない。」
ドミニクは、酒と食べるものを注文した。
「来てくれてありがとうな。」
「いや、俺の方こそ。
カトリーヌの代わりに来てくれてどうもありがとう。
ところで、あんたらはカトリーヌとどういう関係なんだ?」
「あぁ、それなんだが…」
リュックがどんな風に説明するのか気になった。
ドミニクは、クロードと同じく、現実的じゃないことはあまり信じない者のようだからだ。
「俺達は旅をしてたんだが、その旅の途中で、マーフィという男と出会った。
奴はカトリーヌの婚約者で、父親に会いに行くと言って出発した彼女がなかなか戻って来ないから、心配して探しに来てたんだ。」
やはり、リュックは夢の話はしなかった。
それで良い。
つまらないことは言わないに限る。
「なるほど、それであんた達は、そのマーフィと一緒にカトリーヌを探してくれたんだな。
そして、さらには俺を探しに来た…そうだろ?」
「その通りだ。察しが良いな。」
「わかるよ。あんた達は良い奴そうだからな。
だからこそ、こんな面倒なことをやってくれるんだよな。
本当にありがとう。」
ドミニクは潤んだ瞳で私達をみつめていた。
それからは、カトリーヌについてあれこれ訊ねられたが、残念ながら私達が知ってるのは、ごく最近のことだけだ。
「なんでも、あんたは随分昔にカトリーヌと別れたらしいが、何か事情でもあったのか?」
「あれは…俺が悪いんだ。」
「どういうことなんだ?」
「妻が妊娠中……俺は浮気をした。」
「なんだってそんなことを!?」
「魔が差したとでも言うのかな。
まだ俺も若かったっていうのもある。
妻はカトリーヌの世話や家事にせいいっぱいで、俺には冷たかった。
だから、つい…
しかも、俺は家を買うために貯めていた金にまで手を着けてしまった。
愛想を尽かされるのも当然だよな。
俺は妻のことを愛していた。
もちろん、カトリーヌのことも、なのに……」
ぽたぽたと落ちていたドミニクの涙は、やがて慟哭に変わった。
酒が入っていたこともあるだろうが、余程、心にわだかまっていたのだろう。
ドミニクは人目も気にせず、泣き続け、私達は為す術なく、ただ呆然としていた。
リュックは機嫌の良い顔で、酒をあおった。
「カトリーヌ、喜ぶだろうな。」
「あぁ、間違いないな。」
その酒場には簡単な食事もあったので、私達は夕食を食べながらドミニクを待った。
ゆっくり話が出来るように、
私達は奥のテーブルに陣取った。
「あ、来たぞ。」
「ドミニク、ここだ!」
リュックが立ち上がって、手を振った。
「待たせてすまなかったな。」
「いや、大して待ってない。」
ドミニクは、酒と食べるものを注文した。
「来てくれてありがとうな。」
「いや、俺の方こそ。
カトリーヌの代わりに来てくれてどうもありがとう。
ところで、あんたらはカトリーヌとどういう関係なんだ?」
「あぁ、それなんだが…」
リュックがどんな風に説明するのか気になった。
ドミニクは、クロードと同じく、現実的じゃないことはあまり信じない者のようだからだ。
「俺達は旅をしてたんだが、その旅の途中で、マーフィという男と出会った。
奴はカトリーヌの婚約者で、父親に会いに行くと言って出発した彼女がなかなか戻って来ないから、心配して探しに来てたんだ。」
やはり、リュックは夢の話はしなかった。
それで良い。
つまらないことは言わないに限る。
「なるほど、それであんた達は、そのマーフィと一緒にカトリーヌを探してくれたんだな。
そして、さらには俺を探しに来た…そうだろ?」
「その通りだ。察しが良いな。」
「わかるよ。あんた達は良い奴そうだからな。
だからこそ、こんな面倒なことをやってくれるんだよな。
本当にありがとう。」
ドミニクは潤んだ瞳で私達をみつめていた。
それからは、カトリーヌについてあれこれ訊ねられたが、残念ながら私達が知ってるのは、ごく最近のことだけだ。
「なんでも、あんたは随分昔にカトリーヌと別れたらしいが、何か事情でもあったのか?」
「あれは…俺が悪いんだ。」
「どういうことなんだ?」
「妻が妊娠中……俺は浮気をした。」
「なんだってそんなことを!?」
「魔が差したとでも言うのかな。
まだ俺も若かったっていうのもある。
妻はカトリーヌの世話や家事にせいいっぱいで、俺には冷たかった。
だから、つい…
しかも、俺は家を買うために貯めていた金にまで手を着けてしまった。
愛想を尽かされるのも当然だよな。
俺は妻のことを愛していた。
もちろん、カトリーヌのことも、なのに……」
ぽたぽたと落ちていたドミニクの涙は、やがて慟哭に変わった。
酒が入っていたこともあるだろうが、余程、心にわだかまっていたのだろう。
ドミニクは人目も気にせず、泣き続け、私達は為す術なく、ただ呆然としていた。
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