STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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011.お菓子の家

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「お菓子の家だぁ~!」

ガレットとジャックの声は、見事な程にハモり、二人は、お菓子の家を目指して一直線に走って行く。



 「わぁ!ジャック!見て!このドア、チョコレートだよ!」

ガレットはそう言いながら、チョコレートのドアをぺろっと舐めた。



 「ガレット、壁はビスケットだよ!」

 「ジャック、中に入ってみようよ!」

 「そうだね!」

 部屋の中には、小さ目の椅子とテーブルのセットがあった。



 「ジャック、もしかしたらこれも…」

ガレットは、テーブルの端っこを少しかじり、頷きながらにんまりと微笑んだ。



 「じゃあ、僕はこっちを…」

ジャックは、椅子の肘あてに大きな口でかぶりついた。



 「やっぱり、これもお菓子だよ!」

 「すごい!本当に全部お菓子なのね!!」

 興奮した二人は、至る所をかじったり舐めたりしては、その度に歓声を上げる。
 部屋の中には、もう一つの部屋に続くドアもあった。



 「ねぇねぇ、ジャック、ここは何の部屋だろうね?」

 「きっと、ここにもお菓子がいっぱいだよ!行ってみよう!」

 二人は、もう一つのドアを開けた。



 「わぁ!!」

 二人は同時に驚きの声を上げた。

そこには、「HAPPY BIRTHDAY」と書かれた大きなベッドが置いてあったのだ。



 「見て!ジャック!
これ、ケーキだよ!ケーキのベッドだよ!」

 「本当だ!
こんな大きなケーキ、僕、見た事ないよ!」

 「でも…私達のお誕生日のこと知ってるなんて…不思議だね?」

 二人は、大きなベッドのケーキの脇で腕組みをして考える。



 「わかった!!きっと天国の父さんだよ!」

 「そうね!きっとそうね!」

 「うん!父さんだから僕達のお誕生日を知ってるんだ!」

 二人は、ベッドの横にどっかりと腰を降ろし、大きな口を開けてベッドにかぶりついた。
 大きなベッドのケーキは、いくら頑張ってもとても二人には食べきれない。



 *



 「あぁ、もうおなかいっぱい…」

 「僕も…
でも、とってもおいしかったね!」

 「うんっ!」

 「じゃあ、続きは明日にして、そろそろ帰ろうか…
あんまり遅くなったらお母さんに怒られるもんね。」

 「そうだね、帰ろう!帰ろう!」

 二人はパンパンになったお腹をさすりながら、お菓子の家を後にした。



 「あ、ちょっと待って!」

ガレットがお菓子の家を出た所で急に引き返し、ドアノブをむしり取ってハンカチにくるんでポケットに押し込んだ。



 「じゃあ、帰ろう!」

 「帰りはこっちだったよね…」

 二人は通って来た道を戻り始めた。
 背の高い草の生い茂る草むらを抜け、先程の森を歩いていると、あたりに急に白い靄が立ち込め周りの景色を覆い尽くした。



 「ジャック、見えないよ。」

 「ガレット…どうしよう…」

 周りの景色が見えなくなるのとほぼ同時に、二人の意識もなくなった…
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