STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
39 / 115
011.お菓子の家

しおりを挟む




 「ガレット、ジャック、そろそろ起きなさい。
 朝よ。」

 優しい声に、ガレットとジャックは瞼をこすりながら目を開ける。



 「さぁ、早く顔を洗ってらっしゃい。」

 二人が顔を洗い、朝食の用意されたテーブルに付くと、母親がいつもとは少し違う顔で微笑んでいた。



 「ガレット、ジャック、お誕生日おめでとう!」

そう言って、母親は二人の目の前におそろいの手袋を差し出した。
それは、母親のマフラーをほどいて編んだものだった。



 「わぁ、ありがとう、母さん!!」

 二人はにっこり微笑んで、その手袋に指を通す。
それは、二人の小さな手にぴったりの大きさだった。



 「ごめんね。
こんなものしかあげられなくて…
 ……でも、クリスマスには絶対にケーキを買ってあげるから…我慢してね。」

 「ううん!僕ね、昨夜、ものすごく大きなケーキを食べたからケーキはもういらない!」

 「私も!
 私達、昨夜、お菓子のお家に行って、ベッドのケーキを食べたの!
もうおなかいっぱい!」

 「そうなんだ!父さんがくれた大きなケーキなんだ!ねぇ、ガレット!」

 「うんっ!」

 二人は顔を見合わせて、とても幸せそうに微笑んだ。



 「おやおや、二人は一緒にお菓子の家に行ったの?」

 「そうなの。
 森の中を歩いてたら、誰かがお菓子のお家に案内してくれたの。」

 「草むらもくしゃくしゃしなかったんだ!」

 「虫もいなかった!」

 二人はまた顔を見合わせてにっこりと笑う…




(不思議な事もあるものね…
双子だから、同じ夢を見たのかしら?)



 「そう…それは良かったわね。
さ、早く、朝ごはんを食べましょう!」



 食事が済むと、母親は町に仕事に出かける。



 「じゃあ、行って来るからね!」

 「いってらっしゃ~い!」

 二人は、いつものように母を見送る。



 「あ……!!」

 短い声を発し、ガレットが駆け出した。



 「あら、ガレット、どうしたの?」

 「母さんにお土産。
お腹がすいたら食べてね!」

そう言って、ガレットはハンカチにくるんだものを手渡し、また家に駆け戻って行った。



 (お土産……?何のことかしら?)

ハンカチに包まれたものを広げると、そこには丸い少し変わった形をした茶色いものが入っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...