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運命の恋人
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(畜生!何が、成功率90%以上だ!)
高い金を出して参加した婚活パーティは、またも玉砕。
どうせそんなことだろうと思ってた。
今までだって、一体、何度この手のパーティに参加したことか。
でも、カップルになれたことなんて一度もない。
俺はそんなに不細工だろうか?
そりゃあ、ちょっとばかしメタボってはいるけど、頭髪も多少寂しくはなってるけど、同年代の男どもはみな同じようなもんだぞ。
なのに、なぜ、こんなにモテないんだ!?
まさか、何かに祟られているのか?って、本気で思う程、俺はモテない。
でも、このままひとりで死んでいくのはいやだ。
50までにはなんとか恋人を作りたい…!
誕生日が近付く程に、俺のそんな想いは強くなっていた。
『やっぱり努力してない人は嫌ですよね。
努力してる人はとっても格好良いです。』
あるテレビ番組で、誰なのかはわからないが、アイドルらしき若い女性がそんなことを言っていた。
確かに俺は、今まで努力らしい努力はして来なかった。
強いていうなら、ただ婚活パーティに参加しただけだ。
(よし!頑張るぞ!50までに俺は生まれ変わるんだ!)
俺はジム通いを始めた。
最初はきつくてやめたくなったが、歯を食いしばり汗を流した。
流行りのファッションも研究した。
若者の流行を真似てみても仕方がない。
ちょい悪親父というものを勉強した。
そして、数か月…
俺の体は、引き締まった筋肉質になり、生やした無精ひげもいつしかちょい悪な雰囲気に見えるようになっていた。
「神様、どうかモテモテになって、素敵な恋人が出来ますように。
相手に文句は言いません。
俺のことを本気で愛してくれる人ならそれだけで良いんです。」
わざわざ休みの日に新幹線に乗って、日本一の霊力を持つという縁結びの神様のおわす神社を参拝した。
やるだけのことはやった。
何とも言えない達成感のようなものを俺は感じた。
「あ、あの…お隣よろしいですか?」
「え?ええ、どう……ぞ。」
新幹線の自由席に座ってた俺に声をかけてきたのは、絶世の美女。
俺は、彼女に見とれたまま固まってしまった。
「お仕事の帰り…ですか?」
「え…ま、まぁ、そんなところです。
あなたは?」
「はい、私もそんなところです。」
彼女とは、まるで昔からの友達のように話が弾んだ。
しかも、信じられないことに別れ際には連絡先を交換した。
そして、次の日には早速のデート!
まるで、夢みたいだった。
奇跡以外の何者でもない。
「ハッピーバースディ、智君~♪」
50の誕生日は、玲子が祝ってくれた。
俺の願い通り、50までに素晴らしい恋人が出来た。
なんて幸せなんだろう。
「玲子…結婚しないか?」
まだいささか早いかなとは思ったが、俺にはそう長い時間は残されていない。
なんせもう50なんだから。
「智君、嬉しい!
でも……」
玲子はなぜだか俺の目の前に運転免許証を差し出した。
その写真は、見知らぬ男性。
名前は長谷川玲司。
(えっ!?)
「こ、これって…」
玲子は頷く。
「うん、私。」
「えーーーっ!?」
確かに、誰でも良いって言ったけど…
まさか、こんなことになるなんて…
俺は困惑したが、心配そうな顔をしている玲子を見たら、思わず抱き締めてしまっていた。
彼女を抱き締めるうちに、男だってなんだって、やっぱり玲子は俺の大切な人だと気付いた。
高い金を出して参加した婚活パーティは、またも玉砕。
どうせそんなことだろうと思ってた。
今までだって、一体、何度この手のパーティに参加したことか。
でも、カップルになれたことなんて一度もない。
俺はそんなに不細工だろうか?
そりゃあ、ちょっとばかしメタボってはいるけど、頭髪も多少寂しくはなってるけど、同年代の男どもはみな同じようなもんだぞ。
なのに、なぜ、こんなにモテないんだ!?
まさか、何かに祟られているのか?って、本気で思う程、俺はモテない。
でも、このままひとりで死んでいくのはいやだ。
50までにはなんとか恋人を作りたい…!
誕生日が近付く程に、俺のそんな想いは強くなっていた。
『やっぱり努力してない人は嫌ですよね。
努力してる人はとっても格好良いです。』
あるテレビ番組で、誰なのかはわからないが、アイドルらしき若い女性がそんなことを言っていた。
確かに俺は、今まで努力らしい努力はして来なかった。
強いていうなら、ただ婚活パーティに参加しただけだ。
(よし!頑張るぞ!50までに俺は生まれ変わるんだ!)
俺はジム通いを始めた。
最初はきつくてやめたくなったが、歯を食いしばり汗を流した。
流行りのファッションも研究した。
若者の流行を真似てみても仕方がない。
ちょい悪親父というものを勉強した。
そして、数か月…
俺の体は、引き締まった筋肉質になり、生やした無精ひげもいつしかちょい悪な雰囲気に見えるようになっていた。
「神様、どうかモテモテになって、素敵な恋人が出来ますように。
相手に文句は言いません。
俺のことを本気で愛してくれる人ならそれだけで良いんです。」
わざわざ休みの日に新幹線に乗って、日本一の霊力を持つという縁結びの神様のおわす神社を参拝した。
やるだけのことはやった。
何とも言えない達成感のようなものを俺は感じた。
「あ、あの…お隣よろしいですか?」
「え?ええ、どう……ぞ。」
新幹線の自由席に座ってた俺に声をかけてきたのは、絶世の美女。
俺は、彼女に見とれたまま固まってしまった。
「お仕事の帰り…ですか?」
「え…ま、まぁ、そんなところです。
あなたは?」
「はい、私もそんなところです。」
彼女とは、まるで昔からの友達のように話が弾んだ。
しかも、信じられないことに別れ際には連絡先を交換した。
そして、次の日には早速のデート!
まるで、夢みたいだった。
奇跡以外の何者でもない。
「ハッピーバースディ、智君~♪」
50の誕生日は、玲子が祝ってくれた。
俺の願い通り、50までに素晴らしい恋人が出来た。
なんて幸せなんだろう。
「玲子…結婚しないか?」
まだいささか早いかなとは思ったが、俺にはそう長い時間は残されていない。
なんせもう50なんだから。
「智君、嬉しい!
でも……」
玲子はなぜだか俺の目の前に運転免許証を差し出した。
その写真は、見知らぬ男性。
名前は長谷川玲司。
(えっ!?)
「こ、これって…」
玲子は頷く。
「うん、私。」
「えーーーっ!?」
確かに、誰でも良いって言ったけど…
まさか、こんなことになるなんて…
俺は困惑したが、心配そうな顔をしている玲子を見たら、思わず抱き締めてしまっていた。
彼女を抱き締めるうちに、男だってなんだって、やっぱり玲子は俺の大切な人だと気付いた。
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