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お仕事の始まりはベリーエキサイティング!

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(良いじゃん、良いじゃん!)

 私は台所で、ひとり不気味な笑みを浮かべる。



 何を作ろうか迷ったけど…
私は史郎さんの好きな食べ物も知らないし、無難なところでたいていの人が好きな『カレー』を作った。
 実は、カレーは私も大好きで、私なりのこだわりもある。
 数少ない私の得意料理のひとつだ。
しかも、今日はいつもより良いお肉を使ったから、なおさら美味しく出来たはず。



それから、サラダとオニオングラタンスープ。
 面倒だけど、インスタントじゃなくて、ちゃんと作ったんだから。
 史郎さんが甘いものが好きかどうかわからないけど、スイーツも買ってある。
 完璧だね。



 柱時計は、7時ちょっと前を指していた。
そういえば、今日、何時に帰って来るとか、夕食はどうしたら良いとか何も聞いてなかった。
もしかして、遅いのかな?
 私、なんだかお腹空いて来たんだけど…



そりゃそうだ。
 今日は、お昼に菓子パンを食べただけ。
それっぽっちの燃料で、重い荷物持って、あちこち移動して…
そりゃあ、お腹もすくわ。



どうしよう?
 先に食べといても良いのかな?
 遅くまで待ってて、史郎さんが食べて帰って来たら、馬鹿みたいだもんね。



よし、それじゃあ……8時まで待とう。
 8時になったら、先に食べよう。
そう決めたけど、お腹の虫はぐーぐー鳴く。
 8時まで待てるかな??
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