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それでも君を愛せて良かった
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(好きな人ならいるよ…)
だけど、僕はその想いを口にすることは出来なかった。
僕と彼女はまだ知り合って間もないし…
それに…彼女は人形だから、きっと皆そんな僕達を祝福はしてくれないだろうから。
「今は、一人前の飾り職人になることが僕のやるべきことだと思います。
恋愛に現を抜かしてる場合じゃない。」
「そんなことはないぞ。
いいか、アベル…恋愛っていうのはな…」
「テイラーさん、申し訳ないんですが、父さんは急いでるようなんです。
僕はこの後、まだ買い物や用がありますから、早くしてもらえないでしょうか…?
それと、このカイヤナイトを二つ。」
話を遮った僕にテイラーさんは少し不機嫌な顔をしたけど、それでも紙に書かれた材料を急いで揃えてくれた。
「テイラーさん、どうもありがとうございます。」
「アベル、腹がすいただろ?
昼飯を食べて行かないか?」
「ありがとうございます。
でも、僕、急いで戻らないといけないので…」
「……そうか、じゃ、気を付けてな。」
僕は店を出ると、今度は古着屋をのぞいた。
だけど、ファビエンヌに似合いそうなドレスはなかなかみつからなかった。
何軒かの古着屋をのぞいたけど、どれもサイズが合いそうになかったり、ファビエンヌの雰囲気に合わないものばかりだった。
(あ……)
どうしようかと思いながら商店街を歩いているうちに、僕はふとのぞいた小物屋の棚に口紅があるのをみつけた。
繊細な細工のされたそのケースも僕の目を引いた。
口紅の色は鮮やかだけれど、下品ではない赤だ。
これでファビエンヌの唇を彩って上げたら、彼女はきっと喜んでくれると思った。
彼女はきっと元々はこんなつややかな赤い唇をしていたんだと思う。
それが長い年月を重ねるうちにあんな風に色褪せてしまったんだ。
僕は思わず店に飛びこみ、その口紅を購入していた。
彼女の唇が昔のように明るく美しい色に戻る様を想像すると、僕はそれだけで胸がはちきれそうな想いだった。
すぐにでも帰りたい気持ちはあったけど、そうにもいかない。
僕は診療所に行って、診察を受けた。
もちろん、特に悪い所などみつからず、先生には父さんあてにその旨を手紙に書いてもらった。
(ファビエンヌ、今から帰るからね。)
昼食をとっていないことでおなかはすいていたけれど、一刻も早く家に戻りたかった僕は、そのまま街道に駆け出した。
だけど、僕はその想いを口にすることは出来なかった。
僕と彼女はまだ知り合って間もないし…
それに…彼女は人形だから、きっと皆そんな僕達を祝福はしてくれないだろうから。
「今は、一人前の飾り職人になることが僕のやるべきことだと思います。
恋愛に現を抜かしてる場合じゃない。」
「そんなことはないぞ。
いいか、アベル…恋愛っていうのはな…」
「テイラーさん、申し訳ないんですが、父さんは急いでるようなんです。
僕はこの後、まだ買い物や用がありますから、早くしてもらえないでしょうか…?
それと、このカイヤナイトを二つ。」
話を遮った僕にテイラーさんは少し不機嫌な顔をしたけど、それでも紙に書かれた材料を急いで揃えてくれた。
「テイラーさん、どうもありがとうございます。」
「アベル、腹がすいただろ?
昼飯を食べて行かないか?」
「ありがとうございます。
でも、僕、急いで戻らないといけないので…」
「……そうか、じゃ、気を付けてな。」
僕は店を出ると、今度は古着屋をのぞいた。
だけど、ファビエンヌに似合いそうなドレスはなかなかみつからなかった。
何軒かの古着屋をのぞいたけど、どれもサイズが合いそうになかったり、ファビエンヌの雰囲気に合わないものばかりだった。
(あ……)
どうしようかと思いながら商店街を歩いているうちに、僕はふとのぞいた小物屋の棚に口紅があるのをみつけた。
繊細な細工のされたそのケースも僕の目を引いた。
口紅の色は鮮やかだけれど、下品ではない赤だ。
これでファビエンヌの唇を彩って上げたら、彼女はきっと喜んでくれると思った。
彼女はきっと元々はこんなつややかな赤い唇をしていたんだと思う。
それが長い年月を重ねるうちにあんな風に色褪せてしまったんだ。
僕は思わず店に飛びこみ、その口紅を購入していた。
彼女の唇が昔のように明るく美しい色に戻る様を想像すると、僕はそれだけで胸がはちきれそうな想いだった。
すぐにでも帰りたい気持ちはあったけど、そうにもいかない。
僕は診療所に行って、診察を受けた。
もちろん、特に悪い所などみつからず、先生には父さんあてにその旨を手紙に書いてもらった。
(ファビエンヌ、今から帰るからね。)
昼食をとっていないことでおなかはすいていたけれど、一刻も早く家に戻りたかった僕は、そのまま街道に駆け出した。
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