極悪な悪役貴族に転生したが、最弱設定の操作魔法を過剰な努力で極めて作中最強になる~俺を断罪するヒロインを助けたら、全員ヤンデレ化して離れない

青空あかな

文字の大きさ
3 / 111

第3話:悪役貴族に転生したんだが……?②

しおりを挟む
<回復ポーションA>
 ランク:A
 能力:ほとんどの傷や病気を治癒させる。製作が難しく大変に高価。


 まずはネリーの怪我を治して少しでも良いところを見せないと!

「ネリー、手を出して。こんなひどいことをしてごめんよ。今治すからね」
「ギルベルト様、いけません! そんな高価なポーションを私などに使ってはもったいないです!」
「いいから、手を出すの!」

 抵抗するネリーの身体に<回復ポーションA>を振りかける。
 瞬く間に俺が負わせた傷は消え、彼女の肌はツヤンツヤンになった。
 と、とりあえず、これで最低限の使命は果たせたはずだ。
 ネリーの印象も良くなることを祈る。

「す、すごい、傷が全部消えてしまいました……」
「ネリーはもう休んでいいから! お休み!」
「あれあれあれ? あ~れ~、ギルベルト様が私の身体を押して使用人の寝室に運んでいく~!」

 ネリーを部屋から追い出し、彼女の寝室に押し込んだ。
 状況説明を叫ぶのもゲーム通りのネリーだった。
 俺もまた一旦自室に戻り、状況を整理する。
 やはり、夢でも幻でもない。
 ここはRPGゲーム【メシア・メサイア】の世界で、俺は悪役貴族ギルベルト・フォルムバッハに転生した。
 
 ――……ちょっと待てよ、ここがゲームの世界ということは……。

 あれができるんじゃないか?
 頼む、ワンチャンあってくれ……ステータスオープン!
 意を決して念じると、脳裏にゲームのステータス画面みたいな映像が浮かんだ。


【ギルベルト・フォルムバッハ】
 性別:男
 年齢:14歳
 Lv:1/99
 体力値:3.14
 魔力値:3.14
 魔法系統:操作魔法(系統Lv:1/10)
 操作対象:①小石
 称号:極悪貴族、イキり令息、早く死んでほしい人No.1、この世の悪が詰まった人間、死神が来たら喜んで差し出したい男、自分を俺陛下と呼ぶ痛いヤツ


 す、すげえ……。
 本当にゲームの世界に転生したんだ。
 感動するもつかの間、改めて状況のヤバさを実感する。
 ……凄まじい称号の数々だ。
 ギルベルトは想像以上のクソ野郎みたいだな。
 というか、体力と魔力値が円周率ってなんだ。
 開発の悪ふざけか?
 勘弁してくれたまえよ、こちとら命懸けなんだから。
 ふと、床に落ちた小石が目に入り、手をかざしてみた。
 たしか、ゲームではこんなモーションだった。

「《操作》」

 できるかわからなかったけど、「浮かべ!」と強く念じたら小石がふわっと床から浮き上がった。
 思わず感動で胸が震える。

 ――本当に魔法が使えるんだ!

 ギルベルトは悪役らしく、”対象を操る”操作魔法が使える。
 俺は前世でもこの魔法が一番好きだった。
 作中最弱という設定だが、極めれば魔王さえ操作できるポテンシャルを秘めているのだ。
 しばらく感動に胸が震えていたが、十秒も経たずに小石は床に落ちてしまった。
 まだまだ道のりは遠そうだな。
 ベッドに横たわり思う。
 頭の整理がついてきたのか、冷静になって考えることができた。

 ――このままでは、俺は死ぬ。

 部屋のカレンダーを見ると、学園入学までちょうど一年。
 まだ間に合うはずだ。
 堕落した極悪な悪役貴族、ギルベルトとしての行動を変えれば……。
 100周したくらいだから、ゲームの主要なイベントや基礎知識、裏設定なんかも全部覚えている。
 前世の知識をうまく使えば、破滅の運命だって回避できるかもしれない。
 ギルベルトのポテンシャルだって、実は悪くない。
 才能はあるものの努力を怠った結果、努力を怠らなかった原作主人公に敗北する……という設定なのだから。
 となると、目下の目標は二つだ。
 一つ目は破滅フラグなんて叩き壊せるほど強くなること、二つ目は学園入学までにヒロインたちの問題を解決して断罪フラグを事前に潰すこと。
 ゲーム知識と操作魔法があればどちらも達成できるはずだ。
 俺は決心する。

 ――せっかく始まった新しい人生、生き残って思いっきり楽しんでやる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

処理中です...