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第13話:初仕事の始まり
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「……あんたは本当に良い子だね」
「いえいえ、これくらい当たり前のことですよ」
オールドさんに頭を撫でられていると、バーチュさんがやってきた。
私たちを見て固まっている。
「……どうされたのですか。まさか、オールド様がキュリティ様を殴って……」
「そんなわけないだろうよ! まったく、あんたは厳しすぎるね」
何だかんだ言いながら、二人は仲が良くて羨ましかった。
さて、とバーチュさんが振り向く。
「キュリティ様、ディアボロ様からお話は伺っております。闇アイテムの解呪でございますね。ご協力いただき、誠にありがとうございます」
「あ、いや、こちらこそお仕事をくださりありがとうございます」
バーチュさんは恐ろしく丁寧にお辞儀をするので、私も深々と頭を下げた。
すっかりいつもの光景となってしまった。
「それでは、地下倉庫にご案内します。途中でフローズ様もお連れしていきましょう」
「気を付けて行っておいでね」
「はい、行ってきます」
今気づいたけど、バーチュさんは小ぶりな剣を身に着けていた。
きっと、護身のためだろう。
「フローズ様ー! こちらへ来てくださいませー!」
バーチュさんが叫んでいると、森の方からフローズさんが走ってきた。
『おーい、どうした?』
「キュリティ様が地下倉庫の闇アイテムを解呪してくださるのです。それで、私と一緒に護衛に来ていただけないかと……」
『ほぅ、あのアイテムたちの解呪か。それまた大役だな。ぜひ、俺にも護衛を務めさせてくれ』
「ありがとうございます、フローズさん。よろしくお願いしますね」
三人で森の奥に向かう。
少し歩くと、開けた場所に出てきた。
地面には金属製の扉が埋まっている。
たぶん、あそこが入り口だ。
バーチュさんは扉の前で立ち止まった。
「では、入る前に最終確認をさせていただきます。現在保管されている闇アイテムは、全部で3点でございます。それぞれ、“闇騎士の鎧”、“闇精霊の壺”、“闇賢者の魔導書”……と申します」
「み、3つもあるんですか。よく集まりましたね。しかも、どれもすごそうな名前ばかりです」
『裏のルートで売ったら、国が一つずつ買えるだろうな』
「そ、そんなに希少な物なんですか!?」
どうやら、私の予想以上に貴重だったらしい。
無事に<解呪>できるかどうかとは、また別の意味で緊張してくる。
「では、ご準備はよろしいですか?」
「は、はい……」
『そんなに緊張するな、キュリティ。俺たちが守ってやるさ』
緊張するなと言われても、やっぱりドキドキしてしまう。
私たちは地下倉庫に足を踏み入れた。
「いえいえ、これくらい当たり前のことですよ」
オールドさんに頭を撫でられていると、バーチュさんがやってきた。
私たちを見て固まっている。
「……どうされたのですか。まさか、オールド様がキュリティ様を殴って……」
「そんなわけないだろうよ! まったく、あんたは厳しすぎるね」
何だかんだ言いながら、二人は仲が良くて羨ましかった。
さて、とバーチュさんが振り向く。
「キュリティ様、ディアボロ様からお話は伺っております。闇アイテムの解呪でございますね。ご協力いただき、誠にありがとうございます」
「あ、いや、こちらこそお仕事をくださりありがとうございます」
バーチュさんは恐ろしく丁寧にお辞儀をするので、私も深々と頭を下げた。
すっかりいつもの光景となってしまった。
「それでは、地下倉庫にご案内します。途中でフローズ様もお連れしていきましょう」
「気を付けて行っておいでね」
「はい、行ってきます」
今気づいたけど、バーチュさんは小ぶりな剣を身に着けていた。
きっと、護身のためだろう。
「フローズ様ー! こちらへ来てくださいませー!」
バーチュさんが叫んでいると、森の方からフローズさんが走ってきた。
『おーい、どうした?』
「キュリティ様が地下倉庫の闇アイテムを解呪してくださるのです。それで、私と一緒に護衛に来ていただけないかと……」
『ほぅ、あのアイテムたちの解呪か。それまた大役だな。ぜひ、俺にも護衛を務めさせてくれ』
「ありがとうございます、フローズさん。よろしくお願いしますね」
三人で森の奥に向かう。
少し歩くと、開けた場所に出てきた。
地面には金属製の扉が埋まっている。
たぶん、あそこが入り口だ。
バーチュさんは扉の前で立ち止まった。
「では、入る前に最終確認をさせていただきます。現在保管されている闇アイテムは、全部で3点でございます。それぞれ、“闇騎士の鎧”、“闇精霊の壺”、“闇賢者の魔導書”……と申します」
「み、3つもあるんですか。よく集まりましたね。しかも、どれもすごそうな名前ばかりです」
『裏のルートで売ったら、国が一つずつ買えるだろうな』
「そ、そんなに希少な物なんですか!?」
どうやら、私の予想以上に貴重だったらしい。
無事に<解呪>できるかどうかとは、また別の意味で緊張してくる。
「では、ご準備はよろしいですか?」
「は、はい……」
『そんなに緊張するな、キュリティ。俺たちが守ってやるさ』
緊張するなと言われても、やっぱりドキドキしてしまう。
私たちは地下倉庫に足を踏み入れた。
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