弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第55話:リロイの心情

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『……というわけで、"捨てられ飛び地"のネオン殿ちゃんさん君様が、私たちウンディーネの移住を認めてくださいました! もうアルバティス王からの不当な圧力に苦しむこともないのです!』
『『ネオン殿ちゃんさん君様ー、ばんざーい!』』

 リロイがウンディーネたちにネオンとの一件を話すと、集落は大歓声に包まれた。
 みな、顔も知らぬネオンに感謝の声を上げる。

 アルバティス王から王国に住む対価として要求されたのは、聖水の大量生産。
 先代からは居住の対価など要求されなかったし、王国とも良好な関係が築けていると思っていた。

(ネオン殿ちゃんさん君様に出会えなかったら、今頃私たちはどうなっていたかわかりません)

 清純な水源地は限られているし、王国内で居場所を変えても対価は求められる。
 そこで、リロイは王国外に安寧の地を求めた。
 ウンディーネという立場では奴隷狩りなどの危険もあったが、それ以上に一族が優先だった。
 方々を探すも定住地となり得る土地は見つからない。
 行き詰まったリロイは、最後の希望をかけて"捨てられ飛び地"に入った。
 土が瘴気に汚染されていても、川が無事なら最悪どうにかなると……。
 
 ところが、飛び地の瘴気は予想以上に質が悪かった。
 放浪するうちにダメージが蓄積し、リロイは死を覚悟した。
 もうダメだと思ったとき、ネオンが敷設した巨大な水路を見つけたのだ。
 中に入った瞬間、全身があっという間に回復した。

(飛び地のお水は本当に素晴らしかった。あの、神域の水よりも……)
 
 大陸全土で普及している"メサイア聖教"の、超上級以上の聖職者しか入れないとされる神の土地。
 その土地で採れた水を、リロイは幼少期に一度だけ飲んだことがある。

(飛び地の……ネオン殿ちゃんさん君様が浄化したお水は、それよりも遥か上だった)

 あれだけの水と触れ合えるなど、まさしくウンディーネ冥利に尽きる。
 これから毎日でも飲んだり浸かったりできると思うと、嬉しくてしょうがなかった。
 現実に戻ったリロイは、一族に宣言する。

『……それでは、みなさん。我らが新天地、"捨てられ飛び地"に行きましょう! 私たちが住むべきは、ネオン殿ちゃんさん君様の隣なのです!』
『『おおおー!』』

(ネオン殿ちゃんさん君様……あなたにまた会える日が待ち遠しいです)

 リロイはウンディーネとともに、新たな安寧の地たる"捨てられ飛び地"を目指す。
 彼女たちの心にあるのは、明るい未来への期待、ただそれだけだった。
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