弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第58話:決戦

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『『助けてくれてありがとウニニ~!』』
『跳ねてないで、ぼくについてくるウニ! まだ盗賊団の真ん中ウニよ!』

 すかさずオモチが彼らに呼びかけ、仲間を先導する。
 ウニ猫妖精たちはぴょんぴょんと跳ねながら、奇襲の反対側で待機するキアラ組の下に向かう。
 盗賊は少ないが、数人が脱走に気づいた。

「おい、妖精どもが逃げるぞ! 捕まえろ!」
「させません! <光矢>!」
「わたくしたちも援護するのです!」

 すかさず、ブリジットと控えたキアラ組が遠距離魔法で援護し、盗賊たちを寄せ付けない。
 無事、ウニ猫妖精たちが合流して一緒に丘を下るのが確認できた。
 ネオンは彼らを見送ると、剣を構え直してブリジットに話す。

「後は、盗賊たちを倒すだけだね。ルイザ組とベネロープ組を反対側において、挟み撃ちを狙おう」
「ええ、そうしましょう。彼女たちは強いですが、人数差を補わないといけません……ネオン様、私の後ろにお下がりを!」

 立ち回りを相談したところで、風の鋭い衝撃波が襲い掛かってきた。
 ブリジットが弾き返し、ネオンは攻撃の方向を睨む。
 周囲の乱闘など気にも止めない様子で、二人の男がこちらに近づいていた。
 一人は長い槍を携えた痩身の男。
 オールバックにした茶髪と、鋭い目つきから鷹のような印象を受けた。
 もう片方は短い赤髪と左目の三本傷、身に着けた重厚な鎧が威圧感を与える。
 肩に担いだ大きな斧から、先ほどの攻撃の主はこの男だと想像ついた。
 ネオンは戦闘態勢を崩さぬまま、赤髪に問う。
 
「お前がリーダーか?」
「ああ、そうだ。よくわかったな。"夜鴉の翼"を仕切ってるカシャムだ。こっちはナンバー2のライアン。よろしく」

 カシャムは適当に返すと、ネオンに不敵な笑みを向けた。

「お前がネオン王子か。絵で見たとおり、父親に似てない野郎だ。くくっ、王様はお前の死を待ち望んでいるぜ」

 その言葉に、ネオンは微かな違和感を覚える。

「……父上と会ったことがあるの?」
「会ったも何も、お前の殺人を直接依頼されたんだよ。実の父親に恨まれるなんて、けったいな息子だな。まぁ、おかげで大金がゲットできたぜ。ありがとな」
「ウニ猫妖精の乱獲も父上に依頼されたこと?」
「いや、違う違う。単なる副業さ。あいつらが飛び地に住んでいる噂を聞いて、ついでに檻を用意して捕まえたんだ。……そうだ、お前には檻の弁償代も払ってもらわねえとなぁ」

 静かに聞くネオンは、自然と表情が険しくなった。

 ――父上が僕を殺そうとしているなんて……。

 悲しみやショックがなかったと言えば嘘になる。
 だが、それ以上に、領地やウニ猫妖精たちに危険が及んだことに強い怒りを感じた。

「ブリジット、あいつは僕が倒すよ」
「……承知いたしました。では、私は隣の盗賊を」

 ブリジットはネオンの心中を察し、ライアンの討伐を引き受けた。
 決心を固めた様子を見て、カシャムは含み笑いしながら斧を構える。

「くくっ、王子様のお坊ちゃんが戦いなんてできるのかね。俺は動かない檻とは違うぜ?」
「誰が何と言おうと、僕はお前を倒す!」

 ネオンはブリジットとともに力強く駆け出した。
 今ここに、決戦の火蓋が落とされたのだ。
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