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第62話:超大国たちの反応4①
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ネオンが"夜鴉の翼"を壊滅させ、盗賊団はそれぞれの母国に連行され、然るべき場所に収監された。
彼らに盗まれた武器類も元いた場所に戻り、三国は大いに喜んだ。
同時に、"捨てられ飛び地"に向かう準備を進める各国家元首の下にも、詳細な報告が届いたのだった。
◆◆◆
~エルストメルガ帝国の場合~
"帝王の間"では、すでにシャルロットがグリゴリーに報告書を渡していた。
父が読み終わったタイミングで、シャルロットはどこか自慢げに話す。
「どうやら、ネオン君が"夜鴉の翼"を壊滅させたらしいわね」
「ふむ……素晴らしい活躍ぶりだ。彼は本当に12歳か? 帝国騎士団でも難義する相手だというのに」
「たくさんの領民に的確な指示を出して、最後まで統率したのも見事だわ」
"夜鴉の翼"は帝国内でも悪名轟いており、早急な捕獲・討伐が求められていた。
捕らえようとすると他国に逃げることもそうだが、何より国宝級の武器の数々に対処が難義したのだ。
構成員に帝国出身者がいる以上、常に国際問題の火種にもなり得る。
そんな面倒な盗賊団を、ネオンは捕まえてくれた。
しかも、ただ捕まえただけではなかった。
グリゴリーとシャルロットは部屋の片隅に視線を向ける。
威風堂々とした巨大な斧が、いるべき場所に戻ってきたことを喜ぶように、日差しを明るく反射していた。
「あの斧を無傷で取り戻してくれるとは、何度感謝してもしきれんな」
「ええ、私もこの目でまた見ることができて本当に嬉しい。いつか、ネオン君に直接感謝を伝えないといけないわね」
二人の視線の先にあるのは、国宝<星屑の戦斧>。
まだ国という概念ができる前、大陸に蔓延る魔物を駆逐するために天が授けたとされる斧だ。
長い年月が経っても、天より招来したと伝わる場所は聖地と崇められている。
数年前の大規模な災害に乗じて、"夜鴉の翼"に盗まれたという経緯があった。
細かい装飾の一つも破損することなく戻ってきたのは奇跡に近い。
これも全てネオンのおかげだと話したところで、シャルロットはグリゴリーに言った。
「ところでパパ、あのことだけど」
「ああ、まさか盗賊どもがネオン少年を殺すために派遣されたとは思わなかったな。それも実の父と兄たちの命令で……」
"夜鴉の翼"に対するきつい尋問の末、アルバティス王が"捨てられ飛び地"の襲撃を命じたことが判明した。
その話を聞いた瞬間、グリゴリーもシャルロットもかつてない怒りを覚えたのだった。
((命の恩人を殺されそうになった))
二人が怒りのあまり激しく練り上げた魔力により、宮殿は震え、"帝王の間"のガラスや調度品には大きなヒビが入る。
「朕の命の恩人にこの仕打ちとは……」
「とうてい、許されはしませんわね……」
命の恩人かつ国際情勢を握るキーパーソンに対する怒りで、二人は腸が煮えくり返りそうだった。
グリゴリーは怒気はらむ声音でシャルロットに命じる。
「貿易担当大臣に伝えろ。アルバティス王国に極めて重い制裁を発動するとな」
彼らに盗まれた武器類も元いた場所に戻り、三国は大いに喜んだ。
同時に、"捨てられ飛び地"に向かう準備を進める各国家元首の下にも、詳細な報告が届いたのだった。
◆◆◆
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"帝王の間"では、すでにシャルロットがグリゴリーに報告書を渡していた。
父が読み終わったタイミングで、シャルロットはどこか自慢げに話す。
「どうやら、ネオン君が"夜鴉の翼"を壊滅させたらしいわね」
「ふむ……素晴らしい活躍ぶりだ。彼は本当に12歳か? 帝国騎士団でも難義する相手だというのに」
「たくさんの領民に的確な指示を出して、最後まで統率したのも見事だわ」
"夜鴉の翼"は帝国内でも悪名轟いており、早急な捕獲・討伐が求められていた。
捕らえようとすると他国に逃げることもそうだが、何より国宝級の武器の数々に対処が難義したのだ。
構成員に帝国出身者がいる以上、常に国際問題の火種にもなり得る。
そんな面倒な盗賊団を、ネオンは捕まえてくれた。
しかも、ただ捕まえただけではなかった。
グリゴリーとシャルロットは部屋の片隅に視線を向ける。
威風堂々とした巨大な斧が、いるべき場所に戻ってきたことを喜ぶように、日差しを明るく反射していた。
「あの斧を無傷で取り戻してくれるとは、何度感謝してもしきれんな」
「ええ、私もこの目でまた見ることができて本当に嬉しい。いつか、ネオン君に直接感謝を伝えないといけないわね」
二人の視線の先にあるのは、国宝<星屑の戦斧>。
まだ国という概念ができる前、大陸に蔓延る魔物を駆逐するために天が授けたとされる斧だ。
長い年月が経っても、天より招来したと伝わる場所は聖地と崇められている。
数年前の大規模な災害に乗じて、"夜鴉の翼"に盗まれたという経緯があった。
細かい装飾の一つも破損することなく戻ってきたのは奇跡に近い。
これも全てネオンのおかげだと話したところで、シャルロットはグリゴリーに言った。
「ところでパパ、あのことだけど」
「ああ、まさか盗賊どもがネオン少年を殺すために派遣されたとは思わなかったな。それも実の父と兄たちの命令で……」
"夜鴉の翼"に対するきつい尋問の末、アルバティス王が"捨てられ飛び地"の襲撃を命じたことが判明した。
その話を聞いた瞬間、グリゴリーもシャルロットもかつてない怒りを覚えたのだった。
((命の恩人を殺されそうになった))
二人が怒りのあまり激しく練り上げた魔力により、宮殿は震え、"帝王の間"のガラスや調度品には大きなヒビが入る。
「朕の命の恩人にこの仕打ちとは……」
「とうてい、許されはしませんわね……」
命の恩人かつ国際情勢を握るキーパーソンに対する怒りで、二人は腸が煮えくり返りそうだった。
グリゴリーは怒気はらむ声音でシャルロットに命じる。
「貿易担当大臣に伝えろ。アルバティス王国に極めて重い制裁を発動するとな」
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