弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第73話:超大国たちの反応5①

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 ネオンがブリジットや領民と領地の復興を進め、みんなと仲良く暮らす中、三大超大国では"捨てられ飛び地"訪問の準備が着々と進められていた。


 ◆◆◆

 ~エルストメルガ帝国の場合~

 遠征の準備が完了した、という報告を受けたシャルロットは、宮殿内を小走りで駆けていた。
 目指すべき場所はただ一つ、"帝王の間"である。
 重厚な扉が見えるや否や、勢いそのままに飛び込んだ。
 玉座に座るグリゴリーはため息交じりに話す。

「だから、ノックをしなさいと何回言えば……」
「パパ、遠征の準備が終わったわよ!」
「おお、終わったか! それを早く言いなさい!」

 不機嫌面だったものの、シャルロットの報告を聞くと途端に破顔した。
 ネオンに会える日はいつになるのかと、日々待っていたのだ。
 グリゴリーがシャルロットとともに準備室に行くと、使用人たちが敬礼で迎える。
 中央の巨大なロングテーブルには、国が誇る数多の宝物が所狭しと並んでいた。
 帝国出身の著名な画家ルカヴァリエの風景画、今では採掘できない水晶魔石で作られたティアラ、今では現存がほとんど確認できない神話時代の彫像……。
 いずれも、宮殿が保管する極めて貴重な宝物だ。
 他国に交渉されても決して渡すことはないだろうが、ネオンは別だ。
 あれほどの神器を生み出せる人材ならば、これくらいはないと足りないかもしれない。
 むしろ、釣り合わないのではと心配になるほどだ。
 準備の視察が終わり"帝王の間"に戻ると、シャルロットが以前から思っていたことを険しい顔で切り出した。

「ねぇ、パパ……?」
「うむ、どうした」
「もしネオン君が良いって言ったら、私の旦那さんになってもらいたいのだけど」
「…………ほぅ」

 シャルロットの言葉に、グリゴリーは唸る。
 娘はそろそろ結婚を考えてもおかしくない年齢だ。
 自分の下を離れるのは寂しいが、ネオンなら安心して預けられる。
 まだ会ったことすらないのに、その信頼感や安心感は凄まじかった。
 というより、娘の夫でかつ自分の義息子はネオン意外には考えられない。
 グリゴリーは大きな喜びと小さな寂しさを胸に、高らかに宣言した。

「よーし、ネオン少年との結婚を許可する! よい相手が見つかってよかったな、シャルロット! 二人で幸せになるがいい!」
「ありがとう、パパ! 二人で帝国を今よりもっと発展させるからね!」

 父と娘は互いに激しく喜ぶ。
 まだ会ってもいないのに、ネオンはシャルロットの夫になるのであった。
 
 □□□

 翌日の早朝、とうとう飛び地に向かうときが訪れた。
 二人は従者を引き連れ宮殿の前まで歩くと、すでに馬車が止まっていた。
 全面は落ち着いた赤色に塗られ、上品な金色の装飾が細やかに施される。
 帝国における、最上級の敬意を表す車輌だ。
 その後方には、土産を乗せた馬車の他に多数の護衛部隊も続く。
 辺境に住む少年を訪ねるとは思えないほどの、大規模な一団だった。
 グリゴリーは一団の前に立つと、部下たちに号令をかける。

「これから向かうアルバティス王国領"捨てられ飛び地"には、帝国の行方を左右する重要な人材――ネオン少年がいる。彼を帝国に引き入れられるかどうか。それが、ライバル国との競争に勝つ唯一の方法である。……心してかかれっ!」
「「イエス・マイロード!」」

 娘とともにキャビンに乗り込んだグリゴリーはこの旅が楽しみであり、思わず娘と一緒に叫ばざるを得なかった。

「行くぞ、シャルロット、ネオン少年の下に!」
「ええ、参りましょう! 私の未来の旦那様の下に!」

 帝国の馬車は、ネオンが待つ"捨てられ飛び地"へと走る。
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