弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第94話:超大国の反応6②

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 ~カカフ連邦の場合~

「……」

 静かな大総統室に、カタカタ……という軽い音が響く。
 机の上に置いたパズルが徐々に形を成し、ネオンの笑顔が半分ほど見え始めたところで、少女の声に身体を貫かれた。

「……お父様~? 一人で何を楽しんでいるのかしらね~?」
「っ!?」

 顔を上げると、アリエッタが冷めた目でこちらを眺めていた。
 ネオンのジグソーパズルに夢中になりすぎて、部屋に入ってきたことにまったく気づかなかったのだ。
 ガライアンは弁明する。

「い、今は休憩時間だから、何をしても自由なはずだ」
「ネオンちゃんのパズルを組むときはわたしも誘って、って言ったでしょう~。だいたい、お父様は何回遊べば気が済むのかしら~。おかげで、わたしが全然パズルを組めないわ~。この絵のネオンちゃんは好きなのにね~」

 娘のチクチクとした嫌みを甘んじて受け止める。
 ガライアンはパズル一つ一つを暗記したいほどのめり込んでおり、暇さえあればネオンのジズソーパズルをいじっていた。
 アリエッタは気まずそうに俯く父を見てある程度満足すると、懐から一通の文書を差し出した。

「ネオンちゃんからお手紙が届いたの~。正式な外交文書としてね。お父様が先に読むべきだわ~」
「おや、ネオン少年からか。それは楽しみだな。一緒に読もう」

 ガライアンは気持ちを整えてから文書を丁寧に開封し、アリエッタとともに読む。
 内容を読むにつれ顔が綻ぶのは、帝国の二人と同じ反応であった。

「「ネオン王国!?」」

 建国の話を読んで、笑顔で顔を見合わせる。
 二人とも大好きなネオンの力が世界に証明されたようで、自分のこと以上に嬉しかった。
 
「素晴らしい報せじゃないか。すぐにでもお祝いの言葉を送りたい」
「嬉しいわ~。まぁ、領主で収まる器だとは思っていなかったけどね~。さっそく、ネオンちゃんとは友好条約を締結しましょう~」
「ああ、そうだな。最優先事項だ。この機会に、連邦に来てもらうのはどうだろうか。我々が受けた恩を少しでも返さねばなるまい」
「それは良い案だわ~」
 
 ガライアンとアリエッタがネオン招聘の計画を考え始めると、部屋の扉をノックする者がいた。

「どうやら来客のようだ。この話はまた後で練ろう……入りなさい」

 ガライアンが呼びかけてすぐ、長い茶髪の女神官が入室した。
 髪と同じ茶色の目からは意志の強さが感じられ、規律正しい生活を送っていることが容易にわかる。
 女神官は敬礼すると、硬い表情で要件を伝える。

「古代遺跡エルンの解読ですが…………難航しております」
「ふむ……」
「初めて確認される古代文字が頻出しているため、解読に時間を要している状況です。力不足で非常に心苦しく思っております」
「君が気に病む必要はない。私も視察に行ったからわかるが、あの遺跡は他とは違う。君も部下も体調を崩さぬよう進めてくれ」

 ガライアンの労いの言葉に、ポリーンは硬い表情で頷いた。
 数年前、連邦では貴重な古代遺跡が出土した。
 ところが、遺跡全体は脆い地盤の上に存在し崩落の危機にある。
 遺物の持ち出しや発掘調査は迅速調に進めているが、一番重要な石碑の解読と回収がまだ完了していない。
 非常に重く持ち出しが困難なのだ。
 地盤全体を魔法でつなぎ止めてはいるものの、あまり長くは時間をかけられない状況だった。

「最悪の事態が起きる前に、国外にいる私の知人に助けを求めることもできるが……」
「ありがたいお言葉ですが、お断りさせていただきます。最後まで責任を持って取り組みたく存じます」

 ガライアンの提案をポリーンは丁重に拒否する。
 彼女のプライドは高い。

(他国の者の手は借りない。解読するのは小生だ)

 そう硬く決心し、ポリーンは大総統室を出た。
 ガライアンは椅子に座りなおしながら、口元で手を組む。

「もう一つの問題も解決しなければならないのだが……どうしたものかな」
「わたしも対策を考えてはいますが、なかなか名案が浮かびませんわ~」

 二人が相談しているのは、亜人統一連盟についての問題だ。
 連邦国内でもテロ活動が活発となっており、日々その対処を話し合っていた。
 ガライアンやアリエッタなどは亜人に好意的な人間の筆頭格だが、溝が深いことを実感する。

「なるべく、ネオン少年の助けは借りずに解決したいが……我々も頑張らなければならないな」
「そうですわね~。ネオンちゃんが連邦に来てくれたら、亜人の皆さんと仲良くなれる方法を教えてもらいましょう~」

 ガライアンとシャルロットもまた、ネオン歓迎及び条約締結の準備を始める。
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