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連載
第九十九話 お土産には海の幸料理を
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前世でもお馴染みの食材を手に入れるために奔走してきたお陰で、大分入手経路が確立してきた。
あと足りない物は……
コンコンコン……
自室のソファーでお茶を飲みながら、私が考えを巡らせていると、窓の外に黄色い鳥がはためいているのが見えた。近づくと額の部分に三角を二つ重ねたマークを確認することができた」
「あら、ダンテさんの宅送鳥……」
呟きながら窓を開けると宅送鳥が咥えてきた手紙を開封した。
相談したいことがある。明日都合が良ければ家に来て欲しい。ダンテ。
私は内容を確認すると、ダンテさん宛に直ぐに明日伺うと返事を返した。
きっとバターとチーズ製造のことだろう。もしかしたら工房が出来上がったのかも知れない。
「そうだ! エンサの町で手に入れた材料で何か作って行こう。みんな喜んでくれるかしら?」
私は喜々として海の幸料理を作ろうと厨房に向かうため腰を上げた。
『そうか、ならば味見は其にまかせるがよい』
「ふふふ、じゃあ味見係はグレンに任せるからよろしくね」
グレンはただ料理が食べたいだけだと言うことを知りながら私はお願いすることにした。
調理台の上に材料を並べて何を作ろうか思案する。
どうせならこの世界に来てまだ作っていない物が良いわね。
「そうだ! 確かあれがあったわね。ラシフィーヌ様作の魔導具……」
私はこの家に来て直ぐに厨房の棚を確認して見つけた物を探した。
一番奥にある棚の一番下にある開き戸を開ける。
「やっぱりここにあったわ」
その魔導具を取りだし調理台の上に置いた。
『それは何であるか?』
グレンが不思議そうに首を傾げた。その姿が何とも可愛らしい。
「じゃーん! これはパスタマシーンなのです。これから海の幸たっぷりのペスカトーレを作ろうと思うの」
『ほう、なるほど。それは美味そうだ。出来上がったら其が味見をして進ぜよう』
どんな料理ができるかきっと分かっていないくせに何が「なるほど」なのだろうか? まぁ、いいか。グレンの中では私が作る料理は絶対に美味しいという絶対的信頼があるんだろうなぁ。
今まで作った料理は悉くグレンの舌を喜ばせてきたことは食べているときの表情を思い出せば明らかだからね。
それでは小麦粉と卵でパスタ生地を作ってみよう。小麦粉に溶いた卵を混ぜる。水分が多くなりすぎないように小麦粉の量を加減したら一纏めにして1時間程寝かせる。
パスタマシーンにセットして赤のボタンを1回押してからハンドルを回すとパスタ生地がマシーンの吐きだし口から薄くなって出てきた。この薄くなった生地を更に白のボタンを2回押してハンドルを回すと今度はスパゲティーニの形で出てきた。
使い方はラシフィーヌ様作のお馴染み半透明のタブレットを翳したら表示された。赤のボタンを押す度に厚さが厚くなり、白のボタンを押す度にカット幅が広くなるのだ。
どれくらい厚くなったか、どれくらいの広さの幅になったのかはボタンの上に数字が出るので一目瞭然だ。
これならば、スパゲティーニだけではなくフィットチーネやラザニアも作れる。材料を変えればうどんやそば、中華麺もいける。
取り敢えず、今回はペスカトーレを作るからスパゲティーニだけ作ることにした。
山盛りのスパゲティーニを作った私は、海老……じゃなくてブラックシュリとイカをたっぷり使ったトマトソースを作ることにする。
ニンニク、タマネギを炒め、湯煎をして皮をむいたトマトを細かくして加える。そこへ鶏ガラと野菜の皮を煮込んで作ったコンソメを加える。
オリーブオイルでブラックシュリとイカを炒めてから入れ、白酒を加え塩胡椒で味を調えた。
味見をしてみるとかなり美味しくできた。
「え? 美味しい、前世のより美味しいかも……もしかして白酒のお陰かしら?」
『其も味見をしてやろう』
私が美味しいと言った言葉に反応したようで、グレンの瞳が輝いている。
グレンにあげるともう味見の領域ではなくなるのだが、この瞳を見るとダメだとは言えない。
「そうね、グレンも味見してもらえるかしら?」
そう言って、私はお皿にトマトソースの具も少し入れてグレンの前に置いた。
『!!!! おお! これは今まで食べたカリンの料理の中でも群を抜いているぞ』
グレンの感嘆の声はかなり料理をお気に召したことが窺い知れた。
「そう? グレンが気に入ってくれたようで良かったわ。でもこれで完成じゃないのよ。これからさっき作ったパスタを茹でてこのトマトソースに絡めるの。完成したらもう一度グレンに味見して貰うから少し待っていてね」
『むろん、構わぬぞ。いつでも味見をしてやろう』
「ええ、よろしくね。ぷふっ」
口の周りをトマトソースで赤く染めて偉そうに言葉を発するグレンに吹き出しそうになった。グレンは白いから余計に目立つ。
パスタを茹でてから、トマトソースに絡めてグレンと一緒に味見をした。以前作っておいたカッテージチーズを振りかけて食べたらコクが増して更に美味しくなった。
お弁当箱用に作って置いた容器に詰めていく。
更に、白身魚フライ、海老フライ、イカリングフライのミックスフライセットも作ってお弁当箱に詰めた。
さて、これで準備万端。
そう言えば、ダンテさんにカクオをお願いしていたけど、手に入ったかしら?
カクオが手に入ったらチョコレートをもっとたくさん作って、ケーキやアイスクリームも作りたいな。
お店のショーケースに並べて売ることも出来るし、デザートやお茶請けとしてお店のメニューに載せることもできるものね。
食材がコンスタントに入手出来る目処がつけば、いよいよお店を開店できるわよね。
楽しみだわ~。
私の中に夢が広がっていく。
開店前に先ずは宣伝も兼ねて試食会とか開いてお披露目したいわね。
そう言えば、私のお店を宣伝してくれる約束をしたベッキーさん達にあれから会っていないけど元気かしら? 一度冒険者ギルトを尋ねてベッキーさん達に連絡して貰おうかなぁ。
私は、この森で暮らし始めたばかりの頃に出会ったベッキーさん、メラニーさん、ティアさんを思い出しながらこれまで作った料理を彼女達にも是非食べて貰いたいと考えを巡らせた。
あと足りない物は……
コンコンコン……
自室のソファーでお茶を飲みながら、私が考えを巡らせていると、窓の外に黄色い鳥がはためいているのが見えた。近づくと額の部分に三角を二つ重ねたマークを確認することができた」
「あら、ダンテさんの宅送鳥……」
呟きながら窓を開けると宅送鳥が咥えてきた手紙を開封した。
相談したいことがある。明日都合が良ければ家に来て欲しい。ダンテ。
私は内容を確認すると、ダンテさん宛に直ぐに明日伺うと返事を返した。
きっとバターとチーズ製造のことだろう。もしかしたら工房が出来上がったのかも知れない。
「そうだ! エンサの町で手に入れた材料で何か作って行こう。みんな喜んでくれるかしら?」
私は喜々として海の幸料理を作ろうと厨房に向かうため腰を上げた。
『そうか、ならば味見は其にまかせるがよい』
「ふふふ、じゃあ味見係はグレンに任せるからよろしくね」
グレンはただ料理が食べたいだけだと言うことを知りながら私はお願いすることにした。
調理台の上に材料を並べて何を作ろうか思案する。
どうせならこの世界に来てまだ作っていない物が良いわね。
「そうだ! 確かあれがあったわね。ラシフィーヌ様作の魔導具……」
私はこの家に来て直ぐに厨房の棚を確認して見つけた物を探した。
一番奥にある棚の一番下にある開き戸を開ける。
「やっぱりここにあったわ」
その魔導具を取りだし調理台の上に置いた。
『それは何であるか?』
グレンが不思議そうに首を傾げた。その姿が何とも可愛らしい。
「じゃーん! これはパスタマシーンなのです。これから海の幸たっぷりのペスカトーレを作ろうと思うの」
『ほう、なるほど。それは美味そうだ。出来上がったら其が味見をして進ぜよう』
どんな料理ができるかきっと分かっていないくせに何が「なるほど」なのだろうか? まぁ、いいか。グレンの中では私が作る料理は絶対に美味しいという絶対的信頼があるんだろうなぁ。
今まで作った料理は悉くグレンの舌を喜ばせてきたことは食べているときの表情を思い出せば明らかだからね。
それでは小麦粉と卵でパスタ生地を作ってみよう。小麦粉に溶いた卵を混ぜる。水分が多くなりすぎないように小麦粉の量を加減したら一纏めにして1時間程寝かせる。
パスタマシーンにセットして赤のボタンを1回押してからハンドルを回すとパスタ生地がマシーンの吐きだし口から薄くなって出てきた。この薄くなった生地を更に白のボタンを2回押してハンドルを回すと今度はスパゲティーニの形で出てきた。
使い方はラシフィーヌ様作のお馴染み半透明のタブレットを翳したら表示された。赤のボタンを押す度に厚さが厚くなり、白のボタンを押す度にカット幅が広くなるのだ。
どれくらい厚くなったか、どれくらいの広さの幅になったのかはボタンの上に数字が出るので一目瞭然だ。
これならば、スパゲティーニだけではなくフィットチーネやラザニアも作れる。材料を変えればうどんやそば、中華麺もいける。
取り敢えず、今回はペスカトーレを作るからスパゲティーニだけ作ることにした。
山盛りのスパゲティーニを作った私は、海老……じゃなくてブラックシュリとイカをたっぷり使ったトマトソースを作ることにする。
ニンニク、タマネギを炒め、湯煎をして皮をむいたトマトを細かくして加える。そこへ鶏ガラと野菜の皮を煮込んで作ったコンソメを加える。
オリーブオイルでブラックシュリとイカを炒めてから入れ、白酒を加え塩胡椒で味を調えた。
味見をしてみるとかなり美味しくできた。
「え? 美味しい、前世のより美味しいかも……もしかして白酒のお陰かしら?」
『其も味見をしてやろう』
私が美味しいと言った言葉に反応したようで、グレンの瞳が輝いている。
グレンにあげるともう味見の領域ではなくなるのだが、この瞳を見るとダメだとは言えない。
「そうね、グレンも味見してもらえるかしら?」
そう言って、私はお皿にトマトソースの具も少し入れてグレンの前に置いた。
『!!!! おお! これは今まで食べたカリンの料理の中でも群を抜いているぞ』
グレンの感嘆の声はかなり料理をお気に召したことが窺い知れた。
「そう? グレンが気に入ってくれたようで良かったわ。でもこれで完成じゃないのよ。これからさっき作ったパスタを茹でてこのトマトソースに絡めるの。完成したらもう一度グレンに味見して貰うから少し待っていてね」
『むろん、構わぬぞ。いつでも味見をしてやろう』
「ええ、よろしくね。ぷふっ」
口の周りをトマトソースで赤く染めて偉そうに言葉を発するグレンに吹き出しそうになった。グレンは白いから余計に目立つ。
パスタを茹でてから、トマトソースに絡めてグレンと一緒に味見をした。以前作っておいたカッテージチーズを振りかけて食べたらコクが増して更に美味しくなった。
お弁当箱用に作って置いた容器に詰めていく。
更に、白身魚フライ、海老フライ、イカリングフライのミックスフライセットも作ってお弁当箱に詰めた。
さて、これで準備万端。
そう言えば、ダンテさんにカクオをお願いしていたけど、手に入ったかしら?
カクオが手に入ったらチョコレートをもっとたくさん作って、ケーキやアイスクリームも作りたいな。
お店のショーケースに並べて売ることも出来るし、デザートやお茶請けとしてお店のメニューに載せることもできるものね。
食材がコンスタントに入手出来る目処がつけば、いよいよお店を開店できるわよね。
楽しみだわ~。
私の中に夢が広がっていく。
開店前に先ずは宣伝も兼ねて試食会とか開いてお披露目したいわね。
そう言えば、私のお店を宣伝してくれる約束をしたベッキーさん達にあれから会っていないけど元気かしら? 一度冒険者ギルトを尋ねてベッキーさん達に連絡して貰おうかなぁ。
私は、この森で暮らし始めたばかりの頃に出会ったベッキーさん、メラニーさん、ティアさんを思い出しながらこれまで作った料理を彼女達にも是非食べて貰いたいと考えを巡らせた。
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