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第百五話 お店のメニューと宣伝活動
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魔通器で聞いた元気そうなショウに安堵を覚えつつお店で提供するメニューを考える。私が目指しているお店は前世で言うカフェや喫茶店のような感じ。そこでは持ち帰りも出来るスイーツも販売する。
では喫茶店にある定番メニューを思い出してみよう。
パンケーキ、パスタ、ハンバーグ、オムライス、そうそう軽食と言えばサンドイッチがもっともポピュラーよね。そう言えば、サンドイッチはこの世界に来てまだ作って無かったわ。
あれぇ? 何で作って無いのよ。ああ、そっか。サンドイッチ用のパン……食パンがなかったからだわ。
先ずは食パンを作らなきゃねぇ。サンドイッチは中に挟む具材で色々楽しめるから絶対作らなくちゃ。
では、先ずは食パンを焼くことにしよう。その為には……ドライイーストが必要だけど、もちろんそんなものはない。
でも大丈夫なのだ。何と私は天然酵母のパンを前世で作ったことがあるのだ。インターネットで見つけた天然酵母を使ったパン教室で習ったのよね。そのパン教室って普通の主婦が趣味で始めた様で口コミで大人気になって中々予約が取れなかったのを覚えている。
予約が取れたときには本当に嬉しかったわ。パン教室の先生ぽっちゃりしていてとても可愛らしい方だったわ。私と同年代なのに三人もお子さんがいてみんな男の子。
「私パンを作るのも食べるのも好きだからこんなに太っちゃって。でもいいの、人生一度きりだから好きなことをするのよ」と開き直って出来たパンをぱくぱく食べていたわね。
そんなことを思い出しながら天然酵母製造に取りかかる。
天然酵母は小麦粉と水があれば作れる。本来なら時間がかかるけど私には強い味方、ラシフィーヌ様製魔導レンジがあるのだ。
小麦粉と水を同じ位混ぜて魔導レンジを使い常温で一日だけ時間を進ませる。これを10回ほど繰り返す。
ここで気がついた。魔導レンジがあると言えど、結構手間がかかると言うことに。私はいつでも後で気がつくタイプらしい。思慮が足りないと言えばそれまでなのだが。
なんて嘆いていても仕方が無い。作り始めてしまったのなら最後まで作るしかない。どちらにしろ食パンを作る為には天然酵母が必要なのだから。
出来上がったフワフワ食パンを頭に描きつつ作業を進めた。
漸く酵母種が出来上がり、卵、バター、小麦粉、バターを作ったときに残った低脂肪乳を混ぜて一次発酵。これもラシフィーヌ様製魔導レンジが大活躍。
2倍位に膨らんで十分発酵したら、二つに分ける。分けた生地を一つずつ掌で軽く叩きながら余分な空気を抜いて平らにしてクルクル巻く。これらを濡れ布巾で包んで20分程寝かせる。
長方形の食パン型に寝かせた生地を並べて魔導レンジで二次発酵させる。
これでやっと焼くことが出来る。
オーブンに入れて200度で20分で焼き上がった食パンを取りだした。厨房の中にパンが焼けた香ばしい匂いが充満する。
うーん、サンドイッチにするためには一晩置いた方がいいんだけど、焼きたても食べて見たいわね。
端っこを切り取り、火傷しそうになりながら熱々のパンを小さく千切って一口食べて見る。
「おいひぃ……」
いつもの事ながらグレンの視線を感じるので千切ったパンをお皿の上に乗せてテーブルの上に置いた。
「お味はどう?」
ハフハフ良いながら美味しそうに食べるグレンに感想を聞いてみた。
『ふむ、中々美味であるな』
「そうであろう、そうであろう」
美食評論家の如く偉そうに答えるグレンに私は満足げに頷いた。
やっぱ、焼きたて美味しいわよね。本当はサンドイッチの為に焼いたんだけど、後いくつか焼いてトースト用も作っておこうかしら。
私は同じ作業を繰り返し気がついたら10本の食パンが出来上がっていた。半分はサンドイッチ用にして、半分はトースト用にしようと思う。
そうそう、お店のメニューにはモーニングセットとかも入れればいいかも知れない。ヨダの町のレストランで食べたときはモーニングセットなんてなかったからね。まあ、モーニングセットどころかセットメニューがなかったわね。全部単品メニューだったように記憶している。
エンサの町の港のレストランも同じだった。全部が全部そうじゃ無いかも知れないけど、私の店ではセットメニューメインにしようかしら?
取り敢えず思いついたものは次々と作って行って写真に収める。それを元に宣伝用のチラシを作るとしよう。
先ずはセットメニュー中心として……
朝食用のモーニングセットはトーストとスクランブルエッグにソーセージ……それにサラダ。飲み物はミルクたっぷりのチャーゴ茶かカフェオーレの選択制にしよう。で、朝食は定番にしてと……次は昼食メニューだけど……。
この国では昼食を食べる習慣が無い代わりにお昼頃にお茶の時間が有る。その時間にはスイーツ中心にサンドイッチなどの軽食を提供しようかな。もちろん飲み物とセットで。うーん……そうだなぁ日替わりセットにしようか。
夕食もセットメニューで日替わりにしてメニューは2種類からの選択制にしよう。私一人で切り盛りするには一度にそんなに沢山のメニューはこなせないだろうからね。それでも大変そうなので営業は週3日位にして休みの日は作り置きした方が良いだろう。
幸いにして時間停止機能付き食品庫があるから腐ることもないだろうしね。
そうして、作る度に取った写真を元に創造魔法でチラシを作った。
店名は「カリンの喫茶店」という安易なネーミングだけど分かりやすい方が良いよね。あれ? 分かりやすいと思ったけど、この世界には喫茶店で意味が通じるのかしら?
まぁ、いいか? どんなものでも世に出たばかりのものは人々に馴染むまでに時間がかかるものだ。私の店が評判になれば問題ないだろう。
取り敢えず、面識のある人を中心に宣伝しよう。そう言えば、冒険者のベッキーさん達が私のお店の宣伝をしてくれるって言ってたことを思い出した。
開店日が具体的に決まったら冒険者ギルドにチラシを持って行ってみようかな?
私はこの時、肝心な事を視野に入れてなかったことにまだ気付いてなかったのだった。
では喫茶店にある定番メニューを思い出してみよう。
パンケーキ、パスタ、ハンバーグ、オムライス、そうそう軽食と言えばサンドイッチがもっともポピュラーよね。そう言えば、サンドイッチはこの世界に来てまだ作って無かったわ。
あれぇ? 何で作って無いのよ。ああ、そっか。サンドイッチ用のパン……食パンがなかったからだわ。
先ずは食パンを作らなきゃねぇ。サンドイッチは中に挟む具材で色々楽しめるから絶対作らなくちゃ。
では、先ずは食パンを焼くことにしよう。その為には……ドライイーストが必要だけど、もちろんそんなものはない。
でも大丈夫なのだ。何と私は天然酵母のパンを前世で作ったことがあるのだ。インターネットで見つけた天然酵母を使ったパン教室で習ったのよね。そのパン教室って普通の主婦が趣味で始めた様で口コミで大人気になって中々予約が取れなかったのを覚えている。
予約が取れたときには本当に嬉しかったわ。パン教室の先生ぽっちゃりしていてとても可愛らしい方だったわ。私と同年代なのに三人もお子さんがいてみんな男の子。
「私パンを作るのも食べるのも好きだからこんなに太っちゃって。でもいいの、人生一度きりだから好きなことをするのよ」と開き直って出来たパンをぱくぱく食べていたわね。
そんなことを思い出しながら天然酵母製造に取りかかる。
天然酵母は小麦粉と水があれば作れる。本来なら時間がかかるけど私には強い味方、ラシフィーヌ様製魔導レンジがあるのだ。
小麦粉と水を同じ位混ぜて魔導レンジを使い常温で一日だけ時間を進ませる。これを10回ほど繰り返す。
ここで気がついた。魔導レンジがあると言えど、結構手間がかかると言うことに。私はいつでも後で気がつくタイプらしい。思慮が足りないと言えばそれまでなのだが。
なんて嘆いていても仕方が無い。作り始めてしまったのなら最後まで作るしかない。どちらにしろ食パンを作る為には天然酵母が必要なのだから。
出来上がったフワフワ食パンを頭に描きつつ作業を進めた。
漸く酵母種が出来上がり、卵、バター、小麦粉、バターを作ったときに残った低脂肪乳を混ぜて一次発酵。これもラシフィーヌ様製魔導レンジが大活躍。
2倍位に膨らんで十分発酵したら、二つに分ける。分けた生地を一つずつ掌で軽く叩きながら余分な空気を抜いて平らにしてクルクル巻く。これらを濡れ布巾で包んで20分程寝かせる。
長方形の食パン型に寝かせた生地を並べて魔導レンジで二次発酵させる。
これでやっと焼くことが出来る。
オーブンに入れて200度で20分で焼き上がった食パンを取りだした。厨房の中にパンが焼けた香ばしい匂いが充満する。
うーん、サンドイッチにするためには一晩置いた方がいいんだけど、焼きたても食べて見たいわね。
端っこを切り取り、火傷しそうになりながら熱々のパンを小さく千切って一口食べて見る。
「おいひぃ……」
いつもの事ながらグレンの視線を感じるので千切ったパンをお皿の上に乗せてテーブルの上に置いた。
「お味はどう?」
ハフハフ良いながら美味しそうに食べるグレンに感想を聞いてみた。
『ふむ、中々美味であるな』
「そうであろう、そうであろう」
美食評論家の如く偉そうに答えるグレンに私は満足げに頷いた。
やっぱ、焼きたて美味しいわよね。本当はサンドイッチの為に焼いたんだけど、後いくつか焼いてトースト用も作っておこうかしら。
私は同じ作業を繰り返し気がついたら10本の食パンが出来上がっていた。半分はサンドイッチ用にして、半分はトースト用にしようと思う。
そうそう、お店のメニューにはモーニングセットとかも入れればいいかも知れない。ヨダの町のレストランで食べたときはモーニングセットなんてなかったからね。まあ、モーニングセットどころかセットメニューがなかったわね。全部単品メニューだったように記憶している。
エンサの町の港のレストランも同じだった。全部が全部そうじゃ無いかも知れないけど、私の店ではセットメニューメインにしようかしら?
取り敢えず思いついたものは次々と作って行って写真に収める。それを元に宣伝用のチラシを作るとしよう。
先ずはセットメニュー中心として……
朝食用のモーニングセットはトーストとスクランブルエッグにソーセージ……それにサラダ。飲み物はミルクたっぷりのチャーゴ茶かカフェオーレの選択制にしよう。で、朝食は定番にしてと……次は昼食メニューだけど……。
この国では昼食を食べる習慣が無い代わりにお昼頃にお茶の時間が有る。その時間にはスイーツ中心にサンドイッチなどの軽食を提供しようかな。もちろん飲み物とセットで。うーん……そうだなぁ日替わりセットにしようか。
夕食もセットメニューで日替わりにしてメニューは2種類からの選択制にしよう。私一人で切り盛りするには一度にそんなに沢山のメニューはこなせないだろうからね。それでも大変そうなので営業は週3日位にして休みの日は作り置きした方が良いだろう。
幸いにして時間停止機能付き食品庫があるから腐ることもないだろうしね。
そうして、作る度に取った写真を元に創造魔法でチラシを作った。
店名は「カリンの喫茶店」という安易なネーミングだけど分かりやすい方が良いよね。あれ? 分かりやすいと思ったけど、この世界には喫茶店で意味が通じるのかしら?
まぁ、いいか? どんなものでも世に出たばかりのものは人々に馴染むまでに時間がかかるものだ。私の店が評判になれば問題ないだろう。
取り敢えず、面識のある人を中心に宣伝しよう。そう言えば、冒険者のベッキーさん達が私のお店の宣伝をしてくれるって言ってたことを思い出した。
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私はこの時、肝心な事を視野に入れてなかったことにまだ気付いてなかったのだった。
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