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第百五十四話 プレオープン
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「カリン義姉ちゃんはやっぱり天才だね」
「ん? 義姉ちゃん? ラルク、いつの間に私は貴方の義姉さんになったのかしら?」
料理を並べながら私はラルクに疑問を投げかけた。
「だって、僕ずっと優しい姉ちゃんが欲しいと思っていたんだ。それにカリン義姉ちゃんは僕より年上だしね」
ラルクの気持ちは分かる。前世でも今世でも一人っ子だった私もラルクと同じように姉や兄がいたらよかったと考えたことは何度もあるからだ。
「わかったわ。じゃあ、私はラルクの義姉さんになってあげるわね」
だから私はそう言ってラルクの小さな願いを受け止めた。
そこで何故かショウが頬を染めていたのに気付かずに……
いよいよ明日は私のお店の開店日だ。
その前に、今までお世話になった人達を呼んで私のお店のメニューを披露することにしたのだ。つまり、前世で言うプレオープンといったところか。
来週から領都の学校に通うためこの地を離れるラルクは久しぶりにショウと一緒に手伝いに来てくれた。
私がこの世界にカリンとして目覚めてから約一年。
ガイストの森は短い冬を越えてその時と同じように春の暖かさで満ちていた。柔らかな日差しが木々の間から差し込み、まだ若々しい緑の葉が陽の光を反射してキラキラと輝いている。
精霊達が時々光を放ちながら草木の間を飛び交う様子がとても幻想的でここが異世界だったと思い出させてくれる。
本当はもっと早くお店を開店する予定だったが、私が「せっかくの美しい自然の中にある店なんだからオープンカフェが有れば良かったわ」と呟いたら、その言葉を拾ったアーニャが食いついてきたのだ。
「カリン様、オープンカフェと言うのは?」
「屋外に設置された飲食スペースのことよ。自然の景色や風を感じながら美味しい料理を食べたり、お茶をしたりするとリラックスできるの」
「へぇ、それは良いですね。カリン様のお店にもそれを造りましょう。開店は少し延ばしましょう」
そう言ってクラレシアの建築錬金魔導師にオープンカフェのデザインから設計、建築を依頼していたらこの時期になったのだ。
でも、この国の冬は雪が降るほど冷えないとは言え、全く寒くならない訳ではないからこの時期で丁度良かったのかも知れない。
森に注ぐポカポカとした日差しのお蔭で快適にオープンカフェでの食事が出来るだろう。
「あっ、ずるい、兄ちゃん。僕も!」
「俺は味見をしているだけだ」
『味見なら其の役割である』
厨房では勝手なことを言い合う声が聞こえる。散々味見をしているからもうその必要はないだろうに。
まったく、厨房を三人だけにしていると料理がなくなってしまうではないか。
「ちょっと! ショウ、ラルク、グレン、味見はもう終わりよ!」
シュンとする三人。
「カリンちゃん、開店おめでとう!」
「ふふふ、おめでとう、とうとうこの時が来たのね」
「あーカリンちゃんに先を越されちゃったわね。でもおめでとう。次は私の番ね」
「エミュウさん、フランさん、ロゼッタさん、来てくれてありがとう。今日は色々作ったからたくさん食べていってね」
三人は大きなスタンド花をお祝いに持って来てくれた。「祝御開店」と書かれた札が飾られている。
「ふふっ、どう? この世界で初のスタンド型のアレンジフラワーを作ってみたのよ。ヨダの町にはお花屋さんがないからロゼッタに領都で買ってきて貰ったの」
「あら、エミュウ、お花をアレンジしたのは私よ。エミュウったら全然センスがないんですもの」
フランさんがエミュウさんの言葉を受けて得意そうに言う。
「そうね、エミュウさんは魔導具製作は一流なんだけど今一美的感覚が……でも、この発想は今までなかったわね」
ロゼッタさんが苦笑いをしながら呟いた。
この世界での花は部屋に飾るためか男性が女性にプレゼントするかの用途が主であり、ましてや綺麗にアレンジして売るということもないようだ。客が欲しい花を言われたとおりに販売するだけである。
オレンジと黄色の花がふんだんに使いボリュームがあるスタンド花は前世で購入したとしたら数万円はするかも知れない。
せっかくだから店先に飾ることにした。
「カリンちゃん、開店おめでとう! ねぇ、カリンちゃん、店先のお花は何? あんなの初めて見たんだけどとても綺麗ね。これはいけるわ!」
興奮気味に声を張り上げ店に入ってきたのはセレンさんの妹でパルトナ商会の商会夫人ドロシーさんだ。
ドロシーさんのお蔭でアレンジフラワーがこの世界でも多くの人に周知されることになるのだがそれはまた別の話。
「ドロシー、興奮し過ぎよ。カリンちゃん開店おめでとう」
ドロシーさんの後ろから飛んできた声はセレンさんだ。続いてダンテさん、マギー婆ちゃん、ロイ爺ちゃんが顔を出した。みんな口々にお祝いの言葉をかけてくれた。
その後も次々とお店の中に入ってくる顔なじみの人々。
肉屋のゼフィロ爺さん、ベスタの町の植物錬金術師のアマンダさん、更にエンサの町で漁師をしているカイトさんまで来てくれた。
どうやら私が食材でお世話になった人達をアーニャが招待したらしかった。
「嬢ちゃん、良い店だなぁ」
「カリンちゃん、森の中のお店なんて素敵ね」
「ほう、ここがカリンの店かぁ。開店おめでとう」
口々にお祝いの言葉をかけられ、嬉しさで私の頬が緩む。
ゼフィロ爺さんはベーコンとハーブ入りソーセージ、アマンダさんは白酒、カイトさんはたくさんの海の幸をお土産に持って来てくれた。
私はお店のメニューとして提供する予定のメープルシロップのパンケーキ、サンドイッチ、ナポリタン、ハンバーグ、海老フライを振る舞った。
取り敢えず、最初は前世でもファミレスで良く目にした喫茶店の定番メニューを提供することにしたのだ。
彼方此方で「美味しい」と言う声と共に笑顔が店中に広がった。
評判は上々の様だ。
幸せそうに私の料理を食べて綻ぶみんなの顔を見ていると前世で叶わなかった夢が今時と異界を超えて目の前に現実として現れた。
外に造られたオープンカフェも評判が良く、急遽計画実行してくれたアーニャと建築錬金術師に感謝する。
周りの人達の協力があって実現したことに心からありがとうの言葉をみんなに伝えた。
みんなありがとう。
私を支えてくれて、私に優しくしてくれて、私の料理を食べてくれて。
感極まり瞳を潤ませた私に励ましの声をかけてくれる面々。
ああ、良かった。ここに来る事が出来て、みんなに出会うことが出来て。
女神様、ありがとうございます。
今更ながら私は本気で女神様に心から感謝の意を述べた。
そうしてプレオープンは大好評のまま幕を閉じたのだった。
「ん? 義姉ちゃん? ラルク、いつの間に私は貴方の義姉さんになったのかしら?」
料理を並べながら私はラルクに疑問を投げかけた。
「だって、僕ずっと優しい姉ちゃんが欲しいと思っていたんだ。それにカリン義姉ちゃんは僕より年上だしね」
ラルクの気持ちは分かる。前世でも今世でも一人っ子だった私もラルクと同じように姉や兄がいたらよかったと考えたことは何度もあるからだ。
「わかったわ。じゃあ、私はラルクの義姉さんになってあげるわね」
だから私はそう言ってラルクの小さな願いを受け止めた。
そこで何故かショウが頬を染めていたのに気付かずに……
いよいよ明日は私のお店の開店日だ。
その前に、今までお世話になった人達を呼んで私のお店のメニューを披露することにしたのだ。つまり、前世で言うプレオープンといったところか。
来週から領都の学校に通うためこの地を離れるラルクは久しぶりにショウと一緒に手伝いに来てくれた。
私がこの世界にカリンとして目覚めてから約一年。
ガイストの森は短い冬を越えてその時と同じように春の暖かさで満ちていた。柔らかな日差しが木々の間から差し込み、まだ若々しい緑の葉が陽の光を反射してキラキラと輝いている。
精霊達が時々光を放ちながら草木の間を飛び交う様子がとても幻想的でここが異世界だったと思い出させてくれる。
本当はもっと早くお店を開店する予定だったが、私が「せっかくの美しい自然の中にある店なんだからオープンカフェが有れば良かったわ」と呟いたら、その言葉を拾ったアーニャが食いついてきたのだ。
「カリン様、オープンカフェと言うのは?」
「屋外に設置された飲食スペースのことよ。自然の景色や風を感じながら美味しい料理を食べたり、お茶をしたりするとリラックスできるの」
「へぇ、それは良いですね。カリン様のお店にもそれを造りましょう。開店は少し延ばしましょう」
そう言ってクラレシアの建築錬金魔導師にオープンカフェのデザインから設計、建築を依頼していたらこの時期になったのだ。
でも、この国の冬は雪が降るほど冷えないとは言え、全く寒くならない訳ではないからこの時期で丁度良かったのかも知れない。
森に注ぐポカポカとした日差しのお蔭で快適にオープンカフェでの食事が出来るだろう。
「あっ、ずるい、兄ちゃん。僕も!」
「俺は味見をしているだけだ」
『味見なら其の役割である』
厨房では勝手なことを言い合う声が聞こえる。散々味見をしているからもうその必要はないだろうに。
まったく、厨房を三人だけにしていると料理がなくなってしまうではないか。
「ちょっと! ショウ、ラルク、グレン、味見はもう終わりよ!」
シュンとする三人。
「カリンちゃん、開店おめでとう!」
「ふふふ、おめでとう、とうとうこの時が来たのね」
「あーカリンちゃんに先を越されちゃったわね。でもおめでとう。次は私の番ね」
「エミュウさん、フランさん、ロゼッタさん、来てくれてありがとう。今日は色々作ったからたくさん食べていってね」
三人は大きなスタンド花をお祝いに持って来てくれた。「祝御開店」と書かれた札が飾られている。
「ふふっ、どう? この世界で初のスタンド型のアレンジフラワーを作ってみたのよ。ヨダの町にはお花屋さんがないからロゼッタに領都で買ってきて貰ったの」
「あら、エミュウ、お花をアレンジしたのは私よ。エミュウったら全然センスがないんですもの」
フランさんがエミュウさんの言葉を受けて得意そうに言う。
「そうね、エミュウさんは魔導具製作は一流なんだけど今一美的感覚が……でも、この発想は今までなかったわね」
ロゼッタさんが苦笑いをしながら呟いた。
この世界での花は部屋に飾るためか男性が女性にプレゼントするかの用途が主であり、ましてや綺麗にアレンジして売るということもないようだ。客が欲しい花を言われたとおりに販売するだけである。
オレンジと黄色の花がふんだんに使いボリュームがあるスタンド花は前世で購入したとしたら数万円はするかも知れない。
せっかくだから店先に飾ることにした。
「カリンちゃん、開店おめでとう! ねぇ、カリンちゃん、店先のお花は何? あんなの初めて見たんだけどとても綺麗ね。これはいけるわ!」
興奮気味に声を張り上げ店に入ってきたのはセレンさんの妹でパルトナ商会の商会夫人ドロシーさんだ。
ドロシーさんのお蔭でアレンジフラワーがこの世界でも多くの人に周知されることになるのだがそれはまた別の話。
「ドロシー、興奮し過ぎよ。カリンちゃん開店おめでとう」
ドロシーさんの後ろから飛んできた声はセレンさんだ。続いてダンテさん、マギー婆ちゃん、ロイ爺ちゃんが顔を出した。みんな口々にお祝いの言葉をかけてくれた。
その後も次々とお店の中に入ってくる顔なじみの人々。
肉屋のゼフィロ爺さん、ベスタの町の植物錬金術師のアマンダさん、更にエンサの町で漁師をしているカイトさんまで来てくれた。
どうやら私が食材でお世話になった人達をアーニャが招待したらしかった。
「嬢ちゃん、良い店だなぁ」
「カリンちゃん、森の中のお店なんて素敵ね」
「ほう、ここがカリンの店かぁ。開店おめでとう」
口々にお祝いの言葉をかけられ、嬉しさで私の頬が緩む。
ゼフィロ爺さんはベーコンとハーブ入りソーセージ、アマンダさんは白酒、カイトさんはたくさんの海の幸をお土産に持って来てくれた。
私はお店のメニューとして提供する予定のメープルシロップのパンケーキ、サンドイッチ、ナポリタン、ハンバーグ、海老フライを振る舞った。
取り敢えず、最初は前世でもファミレスで良く目にした喫茶店の定番メニューを提供することにしたのだ。
彼方此方で「美味しい」と言う声と共に笑顔が店中に広がった。
評判は上々の様だ。
幸せそうに私の料理を食べて綻ぶみんなの顔を見ていると前世で叶わなかった夢が今時と異界を超えて目の前に現実として現れた。
外に造られたオープンカフェも評判が良く、急遽計画実行してくれたアーニャと建築錬金術師に感謝する。
周りの人達の協力があって実現したことに心からありがとうの言葉をみんなに伝えた。
みんなありがとう。
私を支えてくれて、私に優しくしてくれて、私の料理を食べてくれて。
感極まり瞳を潤ませた私に励ましの声をかけてくれる面々。
ああ、良かった。ここに来る事が出来て、みんなに出会うことが出来て。
女神様、ありがとうございます。
今更ながら私は本気で女神様に心から感謝の意を述べた。
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