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第百五十三話 希望の光
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エミュウさんとノアの話を聞いた私は、思わず涙が溢れそうになっていた。
私が気がつかないうちに私を助けてくれて人達がここにもいたなんて……
生きることを諦めてしまった嘗ての私……ベアトリーチェの心の底に沈んでいた罪悪感が浮上してくる。
心が未熟だった私。
何も考えられなかった私。
全てに絶望した私。
そんなベアトリーチェの心をカリンの記憶で強化された私の心が宥める。
もういいよ……ベアトリーチェ。
貴方はもう大丈夫。
辛いことはもう訪れないよ。
貴方には私がいるし、周りにはこんなにも優しい人達で溢れている。
これからも私を助けてくれるだろうし、きっとみんなで幸せになれる。
私がお店を開いて得意な料理をみんなに振る舞えばきっとその場所は笑顔で溢れるから。
胸に手を当てて心中に語りかけると僅かに残っていたベアトリーチェの自責の念が浄化されるように感じた。
「カリンちゃん、私の話から分かったと思うけど、私と私の父はクラレシアの結界を破るための魔導具を開発してしまったの。その時はまさかそんな魔導具だと思わなかったけど、後で知ってとても後悔したわ。謝っても許されることではないけど本当にごめんなさい」
『いや、エミュウ……僕の魔力がなければあの魔導具は起動しなかった。僕の責任の方が大きいよ。今更だけどそれでも僕を助けてくれてありがとう』
「エミュウさん、ノア、あの魔導具を起動させたのは私なの。そんな魔導具だと知らなかったとはいえ……」
エミュウさんとノアの告白に私は言葉を詰まらせた。
「ねえ、カリンちゃん。私達は間違いを犯してしまったわ。間違いを犯さない人なんていないと思うの……まぁ、ノアは人では無いけど……。過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がないと思うの。もうどんなことをしたって元には戻せないもの。だから、これからどう生きるかだと思うのよ。私はね、これからももっとたくさん魔導具を開発してこの世界をもっと住みやすくしようと思っているのよ。カリンちゃんだってお店を開いてたくさんの人を笑顔にしたいって言ってたじゃない?」
エミュウさんは穏やかな笑顔を向けて私の瞳を見つめた。その瞳の中には後悔の念よりも希望の光が宿っているみたいにキラキラしていた。
ああ、そうだ。ついつい過去の後悔に囚われそうになってしまったけど、希望の光はいつだって直ぐそこにあったんだ。
きっとこれからも私が困ったときは周りに居る優しい人達が助けてくれる。私はただみんなを信じて、自分を信じて私がやりたいことをすれば良いんだ。
みんなを笑顔にする為に、私自身が笑顔になる為に。
「ありがとう、エミュウさん、ノア」
ここで私が言うべき言葉は、後悔の言葉ではなくて感謝の言葉だと思った。
「私こそありがとう、カリンちゃん。カリンちゃんの料理を初めて食べたとき、あまりに懐かしくて涙が出そうになったわ。本当においしくて……」
「ふふふっ、こう見えても私、前世ではプロの料理人だったから。料理だけは得意なの。ねぇ、よかったら夕飯も食べていかない? 栗ご飯もあるのよ」
「うれしい! 栗ご飯! 私、栗が大好きなの。さっきの栗のスイーツ盛り合わせも美味しかったわ」
私の誘いにエミュウさんの瞳が輝いた。その横で黒猫の瞳も輝いている。
白猫の瞳も輝いているがこれはいつものことだ。スルーで良いだろう。
「クスッ、もちろんノアにも用意するわね」
私はそう言って食品庫に作り置きしていた料理をテーブルに運ぼうとするとエミュウさんも手伝ってくれた。
エミュウさんと前世のことを話しながら夕食をしていて分かったのだが、何とエミュウさんは前世で天寿を全うしたそうだ。
「正確には覚えてないけど、日本人の平均寿命は生きたと思うわ」と言っていたから、きっと80才は超えていたのだろう。
今は29才だと言っていたからトータルすると私の倍以上は人生経験が豊富だと言うことだ。
どうりで落ち着いていると思った私だった。
私が気がつかないうちに私を助けてくれて人達がここにもいたなんて……
生きることを諦めてしまった嘗ての私……ベアトリーチェの心の底に沈んでいた罪悪感が浮上してくる。
心が未熟だった私。
何も考えられなかった私。
全てに絶望した私。
そんなベアトリーチェの心をカリンの記憶で強化された私の心が宥める。
もういいよ……ベアトリーチェ。
貴方はもう大丈夫。
辛いことはもう訪れないよ。
貴方には私がいるし、周りにはこんなにも優しい人達で溢れている。
これからも私を助けてくれるだろうし、きっとみんなで幸せになれる。
私がお店を開いて得意な料理をみんなに振る舞えばきっとその場所は笑顔で溢れるから。
胸に手を当てて心中に語りかけると僅かに残っていたベアトリーチェの自責の念が浄化されるように感じた。
「カリンちゃん、私の話から分かったと思うけど、私と私の父はクラレシアの結界を破るための魔導具を開発してしまったの。その時はまさかそんな魔導具だと思わなかったけど、後で知ってとても後悔したわ。謝っても許されることではないけど本当にごめんなさい」
『いや、エミュウ……僕の魔力がなければあの魔導具は起動しなかった。僕の責任の方が大きいよ。今更だけどそれでも僕を助けてくれてありがとう』
「エミュウさん、ノア、あの魔導具を起動させたのは私なの。そんな魔導具だと知らなかったとはいえ……」
エミュウさんとノアの告白に私は言葉を詰まらせた。
「ねえ、カリンちゃん。私達は間違いを犯してしまったわ。間違いを犯さない人なんていないと思うの……まぁ、ノアは人では無いけど……。過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がないと思うの。もうどんなことをしたって元には戻せないもの。だから、これからどう生きるかだと思うのよ。私はね、これからももっとたくさん魔導具を開発してこの世界をもっと住みやすくしようと思っているのよ。カリンちゃんだってお店を開いてたくさんの人を笑顔にしたいって言ってたじゃない?」
エミュウさんは穏やかな笑顔を向けて私の瞳を見つめた。その瞳の中には後悔の念よりも希望の光が宿っているみたいにキラキラしていた。
ああ、そうだ。ついつい過去の後悔に囚われそうになってしまったけど、希望の光はいつだって直ぐそこにあったんだ。
きっとこれからも私が困ったときは周りに居る優しい人達が助けてくれる。私はただみんなを信じて、自分を信じて私がやりたいことをすれば良いんだ。
みんなを笑顔にする為に、私自身が笑顔になる為に。
「ありがとう、エミュウさん、ノア」
ここで私が言うべき言葉は、後悔の言葉ではなくて感謝の言葉だと思った。
「私こそありがとう、カリンちゃん。カリンちゃんの料理を初めて食べたとき、あまりに懐かしくて涙が出そうになったわ。本当においしくて……」
「ふふふっ、こう見えても私、前世ではプロの料理人だったから。料理だけは得意なの。ねぇ、よかったら夕飯も食べていかない? 栗ご飯もあるのよ」
「うれしい! 栗ご飯! 私、栗が大好きなの。さっきの栗のスイーツ盛り合わせも美味しかったわ」
私の誘いにエミュウさんの瞳が輝いた。その横で黒猫の瞳も輝いている。
白猫の瞳も輝いているがこれはいつものことだ。スルーで良いだろう。
「クスッ、もちろんノアにも用意するわね」
私はそう言って食品庫に作り置きしていた料理をテーブルに運ぼうとするとエミュウさんも手伝ってくれた。
エミュウさんと前世のことを話しながら夕食をしていて分かったのだが、何とエミュウさんは前世で天寿を全うしたそうだ。
「正確には覚えてないけど、日本人の平均寿命は生きたと思うわ」と言っていたから、きっと80才は超えていたのだろう。
今は29才だと言っていたからトータルすると私の倍以上は人生経験が豊富だと言うことだ。
どうりで落ち着いていると思った私だった。
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