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第1章 カイト、五歳までの軌跡
23 針千本は飲みたくない!&マールの一刀
セバスのウィンクを無視しながら、実はセバスがマーシュ家の影という秘密を知ってしまったけど、約束には返事をしなきゃって
「あい!」って返事する!
「セバスとボクのひみちゅ」
前世のまま、小指を立てて差し出すと
「ん?小指がどうかしましたか?」
と不思議そう。そっか、この世界には
指切りげんまん、ないんだ!
「セバスもボクと同じちて」
「はい、こうですか?」
小指を差し出すセバスの指にボクの指をからめた。セバスの指はゴツゴツして力強さがある。きっと強いんだろうな。
ほら、前世でもあったじゃん。
腕相撲や、指相撲で、構えたり、腕や指を組んだ時(あ、こいつ、強いぞ)って分かったりするじゃん。
そーそー、そんな感じと似てるよね。
って、セバスって何者っ!
「嘘ついたら、針千本飲~ます」
「指切った!」バッってセバスの指を払う。
「すんばらしぃ~!カイトお坊ちゃま、これは拷問で使えますぞ!いいアイディアですね~ん。次に使いましょ」ニヤッ
セバース、ちょ、ちょ、ちょっと待って!
え?拷問って言った?拷問なんてしちゃうの?何なの?怖いんだけどー!
めちゃ、ね、悪い顔してるよ・・・
ボクは、絶対に、セバスは怒らせちゃいけないって心に誓った。
パパとママと、ママに手を引かれて歩くアリアーナ。みんなの前をテトテト歩くボク。
今、僕は一端の冒険家になった気分で上機嫌だ。
「カイトお坊ちゃま、急ぐと転んでしまいますよ。お父様達と離れてしまいますから、ゆっくり歩かなければなりませんよ」
「マール、大丈夫だよ、ボクへーき」
ちょっとだけ早く、スタスタ歩く。
「カイト、気をつけなさい」 「うん」
「カイくん、気をつけるのよ」「うーん」
お花だ、キレー!なんの花かな?
ブーーーーン!!
あ!僕を目掛けて黒く大きなハチがやってくる。あー、やばいー、刺されちゃう
目をつぶると、ボクを呼ぶマールの声。
同時に聞こえた ザンッ!
いつまでたっても、ハチはボクを襲ってこない。恐る恐る目を開けてみる。
マールの右手にはナイフがあり、気がついたらもう、大きなハチは真っ二つ。
「お坊ちゃま、もう大丈夫ですよ。マールが殺り、違いましたねぇ、カイトお坊ちゃまをお助けしましたよ」
ってマール。今、殺るって言ったね、怖え。けど、それよりも!それよりもさ、ハチを真っ二つとか、すげ~、一刀じゃん。まじ、すげ~!
「マール、ボク、怖かったけど、泣かなかったよ、えらい?マール、助けてくれてありがと」
両手を揃え、助けてくれたお礼に、90℃の角度でお辞儀をする。
「カイトお坊ちゃまぁー」
え?なに?まちがってた?助けてくれたからお礼したんだけど。あれか?なにか?
貴族は簡単に頭を下げてはいけないってことー?でも、お礼はちゃんとしなきゃ!
なに。マール、なんで泣いてるの?
もしかして、マールも怖かった?
「カイトお坊ちゃま、なんて可愛らしい」
えっ、そっち?
「カイトお坊ちゃまの、お尻が可愛すぎる~」
こら、セバス、いつからそこに?
こら、だから~、ボクはそんな気ないからな。んで、ボクのお尻、可愛いって言うなっ!
危機感感じて、思わずお尻を手で隠す。
「え?カイトお坊ちゃま、チビったのですか?」
ちがうー!ボクの貞操の危機だからっ!
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