この世界の闇を取り除かせていただきます!~ヤンデレ&メンヘラ攻略者たちを救っていたら悪役令嬢に執着するようになったのですが大丈夫そうですか?

桜崎司

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炎の魔法使い編

第16話「三つの魔力と、赤い瞳の少年」


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 夏の熱い日差しが肌をじりじりと焦がす。
 いつもより大きめの馬車に揺られながら、私はフローリアス公爵家を離れて道を進んでいた。
 車窓から溶けるような暑気が吹き込んでくるけれど、目的地は“涼しく過ごせる”と聞いているので、少し楽しみでもある。
 「……はぁ……まさか、こんな形で公爵家を後にすることになるなんてね……」
 そうつぶやくと、隣に座った侍女のリリアンが心配そうに顔を覗き込んでくる。
 「エマお嬢様、やっぱりお気持ちは複雑ですか? でも、慌ただしい王都をしばらく離れるのも良いと思いますよ。海辺の別荘は本当に静かで、魔法の勉強にはもってこいです」
 無理にでも励まそうという意図が滲むリリアンの優しさに、私は苦笑いで応じる。母マチルダは乗っている別の馬車で、後ろを走っているらしい。
 (とはいえ、どうして私が“ここまで”追い詰められたのか……少し前を思い返さなきゃ)

 ――時間は、一か月前に遡る。
 10歳の誕生日を迎えた私は、神殿で行われる「魔法査定会」に出向いていた。王族や貴族は、10歳になるとどんな魔力を持っているのか公式の査定を受けるのが通例だ。
 ちなみに平民は、それぞれの地域を回ってくる神官によって査定が行われるため、遅い子だと15歳で査定を受けることもあるという。
 ちなみにゲームの中のエマは、フローリアス家が持つ風の魔力と別に、微弱な闇の魔力も持ち合わせていた。闇が強力なら人々から恐れられただろうけれど、幸か不幸かごく微小なため、さほど注目されてこなかった――という設定だった。 
 そんな闇の魔力は100万人に1人の割合で現れるとされ、魔族に多く、扱い方次第では非常に危険。人間が闇を持つ場合、周囲から恐れられることが多い。 こうした魔力は“生まれつき”の要素が強いが、幼少期の育ちや経験によって変化するという噂もある――つまり、現在のエマは魔力が変わっている可能性もある。ということだ。

 (前世の知識どおりなら、闇は微弱で周りもあまり注目しなかったはず。でも今の私は、いろいろ行動も違うし、魔力に影響が出てるかも……)

 そんな不安と期待を抱えながら神殿に着くと、まず大精霊へのお祈りを捧げてから、いよいよ「査定用の魔道具」を使った計測が行われる。
 明るい石造りの大広間には、水晶の玉が鎮座していて、近くには神官たちが立ち会っている。査定を受ける子どもたちが順番に手を水晶に翳していく。
 私の番が来ると、使用人のリリアンやシーナが少し緊張しているのが見えた。母マチルダも遠巻きに見守っている。
 私は小さく息を吐き、両手で水晶の表面をそっと包み込むように触れ、神官の指示どおりに簡単な呪文を唱える。
 すると、水晶は柔らかな緑色を映し出す。風の魔力を示した色だ。フローリアス家が風の大精霊ゲイルに祝福された血筋だから当然だし、ゲーム知識どおりでもある。
ちなみに魔力の色については、風が緑、水が水色、火が赤、地は紫となる。

 (よかった。とりあえず風は安定……)

 ところが、緑色がすっと消えた次の瞬間、どす黒い色がゆっくりと水晶内部に広がり始める。
 周りの神官がざわめき、ピリリとした空気が走った。
 「これは……闇、ですね……!」
 ささやき声が聞こえ、私も手のひらに汗が滲む。確かに闇を持ってるかもしれないとは思ったが、これほどはっきり映ると動揺する。
 ゲームの知識で知っていたとはいえ、先ほどの神秘的な緑色とは違い、ドス黒いその水晶は悍ましく思えた。
 心がバクバクと高鳴る。
(でも、闇は微弱で、あまり使えない設定だったからそんなに不安にならなくても、だいじょう....)
 数秒にわたって水晶がどす黒く染まる様子を見ながらも、安心しろと自分に言い聞かせていた時、今度はその黒に何かが混じるようにしろがね色の光が滲みだし、ゆっくりと黒を喰らうかのように塗り替えていく。

 「え……光……?」

 私が狼狽えているうちに、最終的に水晶は白い輝きを放ち始めた。周囲の神官も使用人たちも、息を呑んで見守る。

 (この“白い光”──まさか光の魔力!?)

王族や聖女が扱う特別な力。まさか私がそれを持っているなんて……思いも寄らなかった。
 「風、闇、そして光……そんなバカな……」「前代未聞だ……」
 ざわつく声が私の耳にまで痛いほど響き渡る。

 (え……わたし、三つも? 風と闇と光……? そんなの聞いたことないし……!)

 こうして私は、一瞬で“見世物”になってしまった。噂はまたたく間に王都に広がり、「怪物」「化け物」「魔王の生まれ変わり?それとも2人目の聖女なのか?」なんてデマまで飛び出す始末。
 はっきり言って、私は耐えるしかないが、周囲の好奇の目やマスコミの取材攻勢にストレスは募るばかりだった。
 そんな混乱の渦中、母マチルダが私の負担を考えて「避暑地の別荘へ行きましょう」と言い出してくれた。
 「エマ、これ以上市街地にいると心休まらないでしょう? 魔法を落ち着いて学ぶ場所にもなる。遠いけれど、海辺の別荘があるの」
 少し疲れた笑みを浮かべた母に、私は大きく頷いていた。
 (三つの魔力を持つなんて、私だってどう受け止めればいいか分からないし……人目を避けて静かに練習できるなら助かる)
 そうして一か月が経ち、父は王都で仕事を離れられないため、私と母、使用人たちだけで別荘へ向かうことが決まった。


 ――そして今、10歳の私は、夏の日差しを浴びながら馬車に揺られている。
 外から入ってくる熱気がじっとり肌を包むけれど、目的地は海辺の避暑地だと思うと期待が高まって仕方がない。
 (ふぅ……それにしても、三つの魔力なんてどう扱えばいいのかな……)
 窓の外に目をやり、遠くの青空を見つめる。これがゲームとは違う道の始まりだろうか。闇を恐れられ、光を崇められ、風がベースという複雑さ。だけど、文句を言っても仕方ない。

 そっと額に触れ、深い息をつく。母マチルダが後ろの馬車で「すぐ着くから大丈夫よ」と声をかけてくれているのがかすかに聞こえ、私は笑みを浮かべる。
 闇を恐れない自分でいよう、光に溺れない自分でいよう。そんな決意を携えながら、海風を求めて馬車は先を行く。

 「まずは……この灼熱をなんとかしたいな」

 むわっとした夏の暑気が馬車の中まで押し寄せ、肌にまとわりつく。私は窓を少し開けて、風を迎え入れようとするものの、熱せられた空気はどこか生ぬるかった。

 「お嬢様、大丈夫ですか? お水を召し上がりますか?」

 隣でにこやかに声をかけるのは侍女のリリアンだ。私よりも落ち着いた動作で魔道具式の団扇(うちわ)をパタパタと動かし、冷却魔法石を包んだハンカチを差し出してくれる。
 「ありがとう、リリアン。うん、平気……ちょっと日差しが強いだけ」
 小さく微笑んで言いながら、ぐいと水筒を口に当てる。冷たい水が喉を潤し、ほんの少し生き返る気がした。

 そして車内には先日届いたばかりの手紙が鞄にしまわれていた。
 差出人は、私が心配している“腹黒王子”……いや、もう少し柔らかくなったかもしれない王太子、ブレイディア。
 「三重魔力の噂を聞いて驚いた」「身体に影響はないか」「僕にできることはないか」など、とても心配してくれる文面だった。
 私が短い返信を出し、避暑地へ行くと書いてから、あわただしく公爵家を出発したので、彼からの返事はまだ読めていない。
 (落ち着いたら手紙を受け取って読まなきゃ。)
 大きく馬車の窓を開けると、入道雲のような白いもくもくが青空を覆っていて、その下にはどこまでも続く深いブルーの海が広がっていた。
 ピリッとした潮の匂いと同時に、涼しい風が私の頬を撫で、自然と息を詰めて見とれてしまう。
 「わぁ.....!本当に綺麗...!」
 私がときめきの声を漏らすと、前に座っていたメイドのリリアンが頬をほころばせる。
 「お嬢様、これから毎日この海の音を聴きながら魔法の練習ができるなんて素敵ですね」
 「うん、うまくいくといいんだけど……」
 そう、闇や光の魔法は相当難易度が高い。大精霊に加護された基礎魔力(風)とは異なる“特質魔力”だからこそ、訓練するにも周囲を警戒する場所が必要だったのだ。

 やがて馬車は、白い柵と石造りの門が迎えてくれる静かな敷地へと入る。道端には色とりどりの花が咲き、まるで小さな公園を抜けるような雰囲気だ。
 門を抜けた先に見えた建物は、華美すぎず可愛らしい意匠が施されたヴィラのような造り。ガラス窓が大きく、カーテンがふわりと揺れているのが外からでも見える。
 「ここが、うちの別荘……!?」
 驚きの声を上げてしまった。中央都市の重厚な屋敷と違って、壁は淡いパステルカラーで彩られ、半円形のバルコニーからは海が一望できるらしい。
 あちこちに植えられた南国風の植物が風に揺れ、抜けるような青空とのコントラストが眩しいほど。
 馬車を降りると、すぐに海風の涼しさが感じられ、心が解放されるようだった。
 母マチルダがさっと扉を開けて「どうかしら? この建物、少し前に改装して住みやすくしたのよ。寝室も魔法を安定させる仕組みを取り入れているから安心して」と微笑む。
 リリアンたち使用人が手際よく荷物を運び込んでくれる中、私は思わず敷地を探検したくてうずうずする。
 別荘の内部はゆったりしたリビングに大きな窓があり、そこから青い海が見渡せる。家具は少しカジュアルな布張りのソファやテーブルが中心で、重厚感よりもリゾートのような解放感が感じられるデザインだった。
 キッチンはコンパクトにまとまっているが、ここでも火の魔法や氷魔法を使える設備が整っているという。
 (すごい……ここなら確かに落ち着けそう。ありがとう、お母様……!)
 心から感謝しながら階段を上がり、2階の部屋を覗いてみる。自室になりそうな寝室は白と水色を基調としたシンプルな調度品でまとめられ、ベッドにはふわっとした寝具がセットされていた。
 バルコニーの扉を開ければ、海から吹くやさしい潮風と波の音がすぐに飛び込んでくる。まさに“リゾート”という言葉がぴったりだ。


 数日が経ち、私も使用人たちも新しい生活に慣れてきた。朝夕には海辺を散歩するのが日課になり、海風の涼しさが身体に心地良い。
 この地に来た最大の目的は、魔法の勉強を本格化させること。三つの魔力を持つ私の場合、母によれば「扱いを誤ると爆発的な事故が起こるかもしれない」とのこと。だからこそ、広い敷地や人目の少ない海辺が最適だという。
 「ルーア先生」と呼ばれる講師を招く手続き中らしく、魔法のレッスンはお預けとなっていた。

 「……先生が来るまで待ってられない……」

 私は書斎の窓辺で頬杖をつきながら小さく呟いた。母マチルダが呼び寄せた魔法講師・ルーア先生は、まだ到着していない。正式な指導を受けるまで練習は控えよう――と言われていたが、落ち着きのない私の心はウズウズして仕方がない。
 (すぐ試したい! そう思うほど、身体がむずむずする。……闇や光は怖いし無理だけど、風なら大丈夫……よね?)
 机の上には、屋敷の書斎からこっそり持ち出してきた「風属性 初級魔法の基礎」という本が広げられていた。もともとマチルダが「勝手に触らないようにね」と言っていた本だが、かまってられない。さっと目を通すと、そこには軽い呪文と簡単な詠唱の説明が載っている。
 「ふーん、これなら……なんとかなるかもしれない」
 私は周囲を見回し、特に使用人がいないことを確認し、こっそり本の指示に従って両手をかざす。
 (よし……軽い風を起こすだけ。初級だし、そんなに難しくない……はず……)
 そう思って、心の中で詠唱を組み立ててみる。ところが、いざ魔力を流し込もうとすると何だかうまくいかない。
 「……あれ? もっと強く意識しないとダメなのかな。えっと、エア……ブロー……!」
 ほんの少し集中するだけのつもりが――ぼっ、と空気が膨張するような感触と同時に、強い風が机まわりを吹き荒れた。
 「わわっ……!」
 机に積まれていた本や地図、細々とした書類がバサバサと音をたてて宙を舞う。思わず慌てて魔力を引っ込めるが、気づいたら部屋中が用紙だらけだ。
 「こ……これは……まずい……!」
 こんなに散らかしてしまったら使用人に見つかって、怒られるのは目に見えている。私はなんとか散らばった物をかき集め、必死に元あった場所へ戻し始めた。
 (もう……やっぱり独学は難しい!)
 背中に冷や汗を滲ませながら本を本棚に突っ込み、部屋の落ち葉ならぬ落ち本をひととおり回収する。が、胸の奥にはモヤモヤした気持ちが拭えなかった。
 (ちょっと魔法を試しただけなのに……風がこんなに大きくなるなんて……やっぱりコツが分からない。もっと広い場所じゃないとダメかも……)
 そう自分を納得させて、私は使用人たちの目を盗むように屋敷を抜け出した。どうせ練習するなら外がいい――特に人の少ない海辺の隅っこなら、バレずにできるだろう。

 海岸へ向かう石段を降りると、潮風が胸いっぱいに広がる。視界に広がる水平線の青さは爽快だけど、私の心は何やら落ち着かない。昨日までなら「わあ、綺麗……」と感動しただろうに、今は魔法のことを思うとソワソワして仕方がない。
 (さっき失敗したのは室内だったから。ここなら多少風が強くても大丈夫…… 飛んでいく書類もないし!)
 そう自分に言い聞かせ、周囲に人気がいないのを確認して小さく呪文を唱える。風属性・初級魔法のひとつ【エアブロー】。本には「弱めの風を前方に押し出す」と書いてあったが、さっきの部屋ではちょっとした嵐みたいに暴発してしまった。
 「……今度こそ……上手くいって……! エアブロー……!」
 しかし、いざやってみると、まるで逆に風が起こらず拍子抜けの静けさ。先ほどのトラウマで控えめにしすぎたかもしれない。心なしか肩を落としてしまう。
 (ああもう……加減がさっぱりわからない。先生が来る前に少しでもできるようになっておきたいのに……!)
 焦る気持ちを抱えたまま、もう一度チャレンジしようとした――そのときだった。

 「……何してるのかと思ったら、めちゃくちゃだな。魔法訓練? ヘッタクソな魔法….」

 驚いて振り返ると、そこには黒髪に赤い瞳をもつ少年が立っていた。

 「エデン・ストロンガウト....!....公爵令息!!」 

 ついつい呼び捨てになりそうだったところを堪えてそう呼ぶ。 
2年前に行われた聖誕祭以来久しぶりに会い、驚くが、少し成長した姿を見せるエデンは、エマやブレイディアより1歳上なので現在11歳である。しかし11歳にしては身長が高いようで、少し見上げる形となった。  
 そんな少年は波打ち際の砂の上で、彼は片手を腰に当てて、豪華な刺繍の入った上着を羽織っていてる。  
 そして何より印象的なのは、鋭い赤い瞳。エマよりももっと鮮やかなのに、目に光がない吸い込まれそうな瞳。  
そんな彼は鼻で笑いつつ、素っ気なく言葉を続けた。  
 
「……ったく、こんな海辺で魔法を弄んでるなんて、誰かと思ったら……ほら、そこ変に波が立ってるじゃないか」  

 私は息を詰まらせる。そう、ここはストロンガウト家の領地。どこかで見かけるかもしれないと思っていたが、まさかこんな序盤にであうなんて....と考える    
エデンは不満げに眉をつり上げる。  

「……てか誰だよ、お前?」 

 「わたしは……エマ・フローリアスです。以前、聖誕祭の際に挨拶はしていたと思います。」  
エデンは「フローリアス……?」と小さく呟くと、なぜか鼻で笑う。  

「ああ、殿下の.....そういえば三つの魔力を持つっていうのがお前か....ここは俺の庭みたいなもんだ。下手くそな魔法で勝手に荒らさないでくれよな。」

 (なんなのその言い方....!) 
 私が年下なのは事実だけど、その物言いにイラッときたのは否めない。

 「しばらくここに滞在することになったの……お宅の領地で失礼しますね。あ、もちろんストロンガウト公爵様には許可をいただいてるはずですが……」

 急いで説明する私に、エデンはつまらなそうに肩をすくめる。そして、ジロッと波打ち際を見やり、「魚が逃げるじゃねえか……」なんて小言を言う。
 初手から全然ウマが合わない。その態度に少しムッとしつつ、私も言い返さずにいられない。

 「むしろ、あなたこそ『勝手に俺の海』みたいに言わないでください。ここはストロンガウト領とはいえ、海は誰のものでもないでしょう?」

 思わずピシャリと言うと、エデンは目を見開き、すぐにキッと険しい視線を送り返す。

 「は?なんだと??....お前、闇と光両方なんて面倒な力持ってるらしいし、変な事故を起こすんじゃねえぞ!!」

 「そ、そんなの分かってます……! あなたに言われる筋合いありません」

 ビシビシと張り詰めた空気が漂い、完全に最悪の印象。こんな相性の悪い相手と長居すると、大喧嘩が起こりそうだ。
 ――でも、私は知っている。ゲーム知識を踏まえれば、彼こそ“エデン・ストロンガウト”という一筋縄ではいかない攻略対象。闇を抱えたドS炎魔法使い。

 せっかく同じ領地に滞在してるなら、何とか打ち解けてみるべき……と思う反面、目の前の彼はつっけんどんな態度しか見せてこない。

 「なんなの、この生意気な子供は....」

 小声でつぶやく私に、エデンが「何か言ったか?」と睨みをきかせる。私は慌てて「いえ別に!」と誤魔化した。

 こうして私とエデンは、波打ち際の砂浜で最悪の言い争いを交わす形で再会する。
 ――生意気でクソガキ、しかも口悪くて、とにかく上から目線。だけど、私はこの少年が大きな悲しみを背負っているのを、ゲームで知っている。
 潮風がちょっとだけ冷たく感じるのは、エデンとの気まずい空気のせいかもしれない。
 ――これが“新しい物語”の始まりになるとしたら、先が思いやられるな……
 そう苦笑しながら、私はエデンをちらりと横目で見て、海に沈んでいく太陽を眺めた。きっと今後の波乱を象徴するように、空は赤く染まっていたのだった。
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