異世界で記憶喪失になったら溺愛された

嘉野六鴉

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42.初デートは異世界で 前編

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 街に出る前に内太腿うちふとももに迷子防止対策されたり、流れでちょっと盛り上がりかけて危うくせっかくの初デートがお流れになりそうだったり、と色々あったがついについに、俺は自分の意思で外出することができた。
 深奥宮殿の庭園や皇宮内でもなく、目を開けたらいきなり森で狼さんとこんにちは、でもないれっきとした、普通の、外出である。
しかも恋人ロイと一緒にぶらり街巡り、という人生初のそう、デートなのだ!

 いやー、まさか初デートが異世界とか考えたこともなかったな。

 でも深奥宮殿から皇宮に向かって、そこから街へ繰り出すだけでかなりの人が動いてくれたようで、ちょっと申し訳ない気もするが。
まぁ突然皇帝陛下お偉いさんがお忍びで視察(という名のデート)に行くぞ、なんて言いだしたらそりゃ大変そうだわな。だというのに、俺がロイに連れられて移動する時には、待ち時間なんてほぼなしっていうのが凄い。プロの世界を見た、って感じだ。

 今俺とロイが乗り込んでいる馬車も、皇宮の裏口だという、どこかの城のエントランスホールくらいはありそうな場所に既に用意されていたし。
ちなみにこの馬車、俺が『馬車』と発音して通じているし、ロイや御者をしているファイの口から出る言葉も、俺には『馬車』と聞こえるからそう呼ぶことにしたのだが…………引っ張ってくれてるの、馬じゃなくてどう見ても巨大ヒヨコなんだが。
 黄色のふわふわ毛並みにつぶらな黒い瞳、同じく黄色の小さな嘴と翼をした、ずんぐりむっくり体型の鳥は騎獣という乗り物として重宝される動物の一種だそうだ。
なかでもこのヒヨコ型動物は、ユーレンシア大陸ではメジャーな生き物なんだと。

 馬並の大きさをしたその巨大ヒヨコの二頭立て?で進むこと、しばし。
箱型の広い客車内は、向かい合わせの座席に三人ずつほどかなり余裕をもって座れるくらいで、ダークグリーンの座面は程よい柔らかさ。大きな窓で外の景色も良く見えるうえに、乗用車より天井も高いからかなり快適な移動だった。
 そうそう、この馬車の窓、なんと魔道具化しているそうで、外からは中が見えないようになっているとのこと。
勿論設定を変えて、中が見える状態にもできるらしい。する気はないけどな。ロイみたいな有名人が乗っているのバレたら、大変なことになりそうだし。
ただそのおかげで、俺は子供みたいに窓にへばりついて、心置きなく外の景色を楽しめている。

 勉強した通り、ヴェルメリア皇宮を最奥にして扇状に広がっているのが、この皇都という街の形だ。
 皇宮は背後を深い渓谷に守られる天然の要塞、というのは本の挿絵でも見たが、改めて自分の目で見ると、なだらかな丘の上にあるような感じだった。
 ゆるやかに下っていく石畳の坂道は綺麗に舗装され、皇宮に近い、実質貴族街と言われる超高級住宅地兼商業地を抜け、二重の城壁を越えればいよいよ皇都の中心市街で……………と物珍しいことは物珍しいのだが、何というか、残念ながら目新しさがない。

 行き交う馬車や人々の服装と獣耳にだけちょっと目を瞑れば、豪勢な邸宅も、アスファルトとは違うが舗装された道も、二、三階建ての立派な店構えをした商店が軒を連ねる様も、特に奇異な感じはない。
至る所で魔法陣がチラチラ浮かんだり消えたりしてさえいなければ、自動車を禁止しているだけの普通の地球の都市です、と世界遺産を特集する番組などで紹介されても納得できるかもしれない。

「なんだか、普通に海外旅行してるみたいだ………」

「カナタの世界はこの世界以上に発展しているようだが、人間の暮らしぶりに大してそう差はないのやもしれぬな。」

 見るからにお忍び用といった黒を基調としたシックな箱型の車内でそう呟くと、俺の感覚を理解したらしいロイが隣で頷く。
 元の世界にいた時の俺の記憶は引き継いでいないが、なぜか知識としては色々引き継いでいるらしく車や飛行機、スマホなんて単語も、ロイにはちゃんと意味も通じるというのが、実は先日話してわかった結果だ。

「うん、俺のいた世界の外国の景色によく似てるし……流石にここにまで魔物被害があることなんて、ほぼないんだろ?街の人たち、みんな平和そうな顔してる。」

「そうだな、建国以来一度たりともない。どうやら地理的に発生した負化魔力がすぐに流れ去っていくらしく、皇都近辺での魔物の発生も非常に稀ではある。」

「へぇ、そういう場所を昔の人たちがたまたま見つけて、街にしたのかな。」

 視界に流れる石造りがメインの街並みを窓越しに眺めながら、隣に座る皇帝陛下にガイドされたり、たまに関係のない話も交えているとこんな時でもつい、魔術関連の話になっていってしまった。出がけにぽろっと自動防御魔術セルフガードとやらの単語を零したロイが悪い、うん。

「え…?じゃあさ、俺って突っ立ってるだけで物理は勿論、危険な魔法とか魔術の影響も受けないのか?」

「そうだが、致命レベルのモノに限定される故、過信はするな。自動防御魔術セルフガードは不意打ち対策にカナタが編み出したのだが、色々条件があるせいで治癒系の魔術にも反応する。魔法程度の魔力であれば問題ないとはいえ迅速に救命措置を取れずに、あの時は冷や汗をかいたものだ。」

「あ、はい気を付けます。でも不意打ち、って………俺、ウーウルさんに気絶させられた時には、何にも起こらなかったはずなんだけど?」

「……………………ほう、その経緯については後で詳しく聞かせてもらおう。結論から言うに、肉体が受けた衝撃が生命維持に何ら影響がないと判別されたのだろう。」

 ピヨピヨと時折聞こえる可愛い鳴き声をBGMに詳しく教えてもらったところ、自動防御魔術セルフガードとは衝撃を受けた瞬間に、防御魔術を即時発動してくれる仕組みのようだ。つまり、仮に斬りつけられたとしたら刃が皮膚を裂く寸前に、魔術が発動して身を守るらしい。
衝撃も体内の深部に届く前に分散させられる、と淡々とロイが語ってくれたところで、まるでタイミングを計っていたかのように馬車が止まった。

「じゃあもしかして、俺って魔物に攻撃されても怪我しなかった……とか?」

「魔物の一撃は完全に防げただろうが、衝撃は多少受ける。今のカナタなら吹き飛ばされた後に怪我をするだろう。故に、過信はするなと言ったのだ。
 だが、私がカナタを守るのだ。もう自動防御魔術セルフガードの出番はないやもしれぬな。」

 そう言って綺麗に微笑むロイを自信家だと揶揄すればいいのか、それは安心だと素直に甘えればいいのか、軽く見上げた先の美貌にちょっとまだ固まってしまう俺は、気が付いたらこくこくと頷いていた。
そしてエスコートされて馬車から降ろされた場所は、確実にドレスコードがありそうな、見るからに高級店な料理屋だった。気づけば昼時には少し早めかな、というくらいの時間だし。

 外出するにあたり、俺の服装もそれなりに整えてもらってはいるが、馴染みがない分ちょっと緊張してしまう。ちなみに今の俺の格好は、白シャツの上に薄手の藍色のジャケット、濃緑のズボンにフード付きの水色マントをきっちり被って一応目立たないようにしている。
 ロイも似たような白シャツと黒ジャケットの上に、白地に所々金刺繍が入ったいつもより控えめなローブなのだが、こちらはフードもなくその顔を隠すつもりは全くないらしい。

 でも、俺が色々と戸惑う必要は全くなかった。店先にはどこかの侍従に負けず劣らずの燕尾服っぽい黒のスーツをピシりと着こなした男が二人、にこやかに佇んで待っていてくれたから。
 馬車の手綱を他の店員と思しき人に預けたファイの後に続いてその二人に近づくと、「本日はお越しいただきありがとうございます」と恭しく頭を下げられた後、店の中へ足を踏み入れるとなんと、広い店内は貸し切りだった。
大勢が食事できる洒落たホールには、皇宮で見たのよりは小さいが幾つものシャンデリアがぶら下がり、白いテーブルクロスのかかったたくさんの席が無人で静まり返る中を案内されながら進んでいくと、奥の一室へと通される。

 ……………なんか、ごめんなさい。俺が急に言いだしたばかりに、ほんと皆様ごめんなさい。手配してくれたであろうファイも、今日この店を予約していたであろう人も、ロイもこんなことさせてごめん。
庶民な俺にはどうしてもそんな罪悪感が沸き上がるが、窓辺から庭の景色を楽しめるように造りつけられた席で隣に腰を下ろしたロイには当然、何もかもお見通しだったようで

「たまにであればこういうのも良いであろう?誰もカナタだと、《魔導の頂点レグ・レガリア》だと知って文句を言う者もおらぬ。」

「え………?俺、顔バレしてるのか!?」

「この店の者と、一部の客程度にはな。以前、たまにカナタがふらりとやってきて、貸し切っていたのだ。」

「……………それどこのセレブだよ」

 こじんまりとした落ち着いた小部屋でそう会話をしていれば、段々と気持ちも平静さを取り戻し、色々楽しむ余裕が出てくるわけで。
おそらく一押しなのだろう、窓から眺める見事な景色に素直に感動したりもする。まぁロイの庭園の方が凄いけど、とは内心ちらっと思いもしたが。

 それからしばらくして出てきた料理は、なんとほぼ和食だった。出汁のきいた煮魚的なものや、ジャポニカ米そっくりの炊き立て白米っぽいもの、ホウレン草そっくりなお浸し、と深奥宮殿でもお目にかかったことのない品のオンパレードに目が点になった。
 そりゃ昔の俺も定期的に通うだろ、と懐かしさと美味しさに納得していたらロイ曰く、この店のレシピは門外不出だそうで似たような味を再現はできても、一味劣ってしまうらしい。だから今日はこの店を選んでくれたそうだ。
 本当は深奥宮でも食べさせたいのだが、とちょっと口惜しそうに話すロイにいつもの食事で満足してることをきっちりしっかりお伝えし、でもたまにでいいからまたここに来たいかなと控えめに主張しつつ、大満足な昼食を終えた。

 ちなみに、デザートはぜんざいっぽい甘味だった。マジですごいんだけど、なにこれ、誰が作ったんだろう。元から似たような食材とか料理がこの世界にもあったのかな?多分そうだろうな、パンとかもあるし。
なお、和食はあまりロイの口には合わないことが判明した。最初から俺とロイの料理、別コースだったから。

まぁ味覚の問題だし、こればっかりは仕方ないよなぁ。


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