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始まった日常
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午睡の後またも「お絵描き」に夢中になる陽の隣で、それを見守る蒴也に、キッチンに立つ咲恵から声がかかった。
晩ご飯にポトフをと言っていた咲恵は、既にじゃがいもの皮を包丁でこ削いでいる。煮込み料理だから下拵えを早めにと考えたのだろう。
『皮剥きを手伝ってあげた方がいいと思うの』
咲恵の目の前には、玉ねぎ、人参と皮を剥くべき野菜が並んでいる。
蒴也にそれを手伝えと言っているのだろうか、とも思うが、それであれば「手伝ってあげた方がいい」と言うのは、おかしな言い回しである。
しかも、料理などしたことのない蒴也なのだ。邪魔になること間違いなし、と言ったところだ。
それでも手を洗い人参とピーラーを手にした蒴也を咲恵が慌てて制する。
『違うのよ。人参じゃなくて』
そこで咲恵から予想外の爆弾が落とされたのだ。
『陽くんの、おちんちんの皮剥きよ』
へ?
驚愕のあまり言葉を失う蒴也に、じゃがいもの皮をこ削げながら咲恵は続ける。
一緒にお風呂に入るのなら、やってあげてほしい。
もう包皮が剥がれてもいい年。全く亀頭が顔を出さないのは不衛生だから、皮剥きと洗い方を教えてあげて。
最初は手伝って、そのうち自分でできるようにしてあげて。
陽の年齢を考えたら、その辺は男同士の方が都合がいい。
言っていることは解る。解るのだが野菜の皮剥きをしながらはやめてほしいものだ。
自分のソレがピーラーで剥かれる痛みを想像してしまうではないか。
勿論、蒴也のソレはピーラーなど不要な程、立派に頭を出しているのだが。
『わかりました。今夜からさっそく』
蒴也は常々、周囲から鷹揚な人間だと評価されることが多い。それを通り越して横柄なヤツだと言われることも少なくない。
立場上、仕方のないことだろう。蒴也自身は他人からの評価など気にしたことはないのだが、今この瞬間は、そんな評価は全てが周囲の妄想なのではないかとさえ思う。
妙な緊張感に身が竦む。仕事に対しても常に緊張感を持って臨んできたつもりだが、それとは全く異質のものだった。
あの日、陽を衝動的に連れて帰ったことは間違いないが後の事を全く考えていなかったわけでもない。
陽を護りたいと思ったのも事実だ。
でも
蒴也自身も気付いていた。
実は陽にとって一番危険な存在は自分だと言うことに。
今も刻々と育つ下心。それは下心と呼べない程の純粋さも大いに含まれてはいるが、幼い陽に官能的な魅力を感じている自身の危うさに、何時まで蓋をしておけるだろう。
今夜から共に入浴を。しかも、陽の幼いソレを弄らなければならない。
なんの修行だ?とも思う。正直、理性と言う名のブレーキを掛ける自信はほぼない。
蒴也はガスレンジでポトフが煮込まれるのを呆けたように見つめ、既に数時間後に迫っている魔のバスタイムに想いを馳せ赤面していた。
陽を知る前の蒴也が、今の蒴也を見れば、張り倒したいほどにマヌケに仕上がっている。
当の蒴也は、そんなことに全く気付かないほど陽に夢中なのだが。
晩ご飯にポトフをと言っていた咲恵は、既にじゃがいもの皮を包丁でこ削いでいる。煮込み料理だから下拵えを早めにと考えたのだろう。
『皮剥きを手伝ってあげた方がいいと思うの』
咲恵の目の前には、玉ねぎ、人参と皮を剥くべき野菜が並んでいる。
蒴也にそれを手伝えと言っているのだろうか、とも思うが、それであれば「手伝ってあげた方がいい」と言うのは、おかしな言い回しである。
しかも、料理などしたことのない蒴也なのだ。邪魔になること間違いなし、と言ったところだ。
それでも手を洗い人参とピーラーを手にした蒴也を咲恵が慌てて制する。
『違うのよ。人参じゃなくて』
そこで咲恵から予想外の爆弾が落とされたのだ。
『陽くんの、おちんちんの皮剥きよ』
へ?
驚愕のあまり言葉を失う蒴也に、じゃがいもの皮をこ削げながら咲恵は続ける。
一緒にお風呂に入るのなら、やってあげてほしい。
もう包皮が剥がれてもいい年。全く亀頭が顔を出さないのは不衛生だから、皮剥きと洗い方を教えてあげて。
最初は手伝って、そのうち自分でできるようにしてあげて。
陽の年齢を考えたら、その辺は男同士の方が都合がいい。
言っていることは解る。解るのだが野菜の皮剥きをしながらはやめてほしいものだ。
自分のソレがピーラーで剥かれる痛みを想像してしまうではないか。
勿論、蒴也のソレはピーラーなど不要な程、立派に頭を出しているのだが。
『わかりました。今夜からさっそく』
蒴也は常々、周囲から鷹揚な人間だと評価されることが多い。それを通り越して横柄なヤツだと言われることも少なくない。
立場上、仕方のないことだろう。蒴也自身は他人からの評価など気にしたことはないのだが、今この瞬間は、そんな評価は全てが周囲の妄想なのではないかとさえ思う。
妙な緊張感に身が竦む。仕事に対しても常に緊張感を持って臨んできたつもりだが、それとは全く異質のものだった。
あの日、陽を衝動的に連れて帰ったことは間違いないが後の事を全く考えていなかったわけでもない。
陽を護りたいと思ったのも事実だ。
でも
蒴也自身も気付いていた。
実は陽にとって一番危険な存在は自分だと言うことに。
今も刻々と育つ下心。それは下心と呼べない程の純粋さも大いに含まれてはいるが、幼い陽に官能的な魅力を感じている自身の危うさに、何時まで蓋をしておけるだろう。
今夜から共に入浴を。しかも、陽の幼いソレを弄らなければならない。
なんの修行だ?とも思う。正直、理性と言う名のブレーキを掛ける自信はほぼない。
蒴也はガスレンジでポトフが煮込まれるのを呆けたように見つめ、既に数時間後に迫っている魔のバスタイムに想いを馳せ赤面していた。
陽を知る前の蒴也が、今の蒴也を見れば、張り倒したいほどにマヌケに仕上がっている。
当の蒴也は、そんなことに全く気付かないほど陽に夢中なのだが。
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