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再燃する憎悪
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翌朝から、朔也は積極的に単独行動を取るように心がけた。
いや。正確には単独行動をしているふりをした。
優秀な護衛により危険な目に遭う可能性は低いが、一刻も早く篠崎等に狙われたかった。
こちらから手を出すつもりはない以上、早く手を出して欲しいのだが
『なんで篠崎は動かないんだ?』
周囲を彷徨いているのは確かなのだ。気配を感じるなどと生易しいものではない。実際に姿を目にしてもいる。
それなのになぜ?
隙だらけに見えるはずの朔也を狙い放題ではないのか?
護衛の存在がバレているのか?
執務室で1人思考を巡らせば、申し訳程度のノックと同時にドアが開けられた。
そんな事ができるのはたった1人だ。
『盗聴器の録音データが送られてきたぞ』
吾妻は既に録音データをチェックしている。それならばデータ自体は朔也が聞くまでもない。吾妻から結果のみ報告を受ければ事足りるのだから。
『あいつら、どんな相談してんだ?』
日頃からあまり表情の変わらない吾妻だが、今は笑いが噛み殺せていない。
『誰が朔也を殺るかで揉めてるよ』
銃器を使わせれば、それなりに腕のたつ篠崎だが刃物の使い手としては三流以下だ。しかも利き手である右の手首から下がない現在、銃器だろうと刃物だろうと実践に使えるほどの腕はない。
そうなると小飼の3人のうちの誰かが、と言うことになるのだが
『3人とも怖じ気付いて、誰がお前を狙うか揉めてるよ』
しかも、最終的にはくじ引きで決めるそうだ。驚愕よりも呆れで言葉を失う。
『なぁ維新』
『だめだ』
吾妻の名前を呼んだだけだ。朔也はまだ何も話してはいない。
だが、この状況下で朔也が言い出すことなど吾妻には1つしか思い付かない。
朔也は自ら仕掛けようとしている。創世会への手前あくまで正当防衛を主張したい吾妻は、先攻明星会の構図を何としても避けたいのだ。
当然、一刻も早く陽を迎えに行きたい朔也は如何なる手段を使おうとけりをつけてしまいたい。
楠瀬からのメッセージによれば、箱根の別荘で目を覚ました陽は、いつもに増して口数が少なく、朝食もあまり進まなかったのだと言う。
そんな報告を受ければ、一秒でも早く迎えに行きたいのが親心ではないか。
くどいようだが、純粋な親心ではないのだが。
『篠崎は、もう極道じゃない』
相手が破門された元極道とは言えヤクザが一般人に手を出すのはまずいのだと吾妻は言う。
『解った』
納得したわけではないが、結局、大きく動くことは許されず「隙だらけ」を演じることだけが朔也にできる唯一だった。
いや。正確には単独行動をしているふりをした。
優秀な護衛により危険な目に遭う可能性は低いが、一刻も早く篠崎等に狙われたかった。
こちらから手を出すつもりはない以上、早く手を出して欲しいのだが
『なんで篠崎は動かないんだ?』
周囲を彷徨いているのは確かなのだ。気配を感じるなどと生易しいものではない。実際に姿を目にしてもいる。
それなのになぜ?
隙だらけに見えるはずの朔也を狙い放題ではないのか?
護衛の存在がバレているのか?
執務室で1人思考を巡らせば、申し訳程度のノックと同時にドアが開けられた。
そんな事ができるのはたった1人だ。
『盗聴器の録音データが送られてきたぞ』
吾妻は既に録音データをチェックしている。それならばデータ自体は朔也が聞くまでもない。吾妻から結果のみ報告を受ければ事足りるのだから。
『あいつら、どんな相談してんだ?』
日頃からあまり表情の変わらない吾妻だが、今は笑いが噛み殺せていない。
『誰が朔也を殺るかで揉めてるよ』
銃器を使わせれば、それなりに腕のたつ篠崎だが刃物の使い手としては三流以下だ。しかも利き手である右の手首から下がない現在、銃器だろうと刃物だろうと実践に使えるほどの腕はない。
そうなると小飼の3人のうちの誰かが、と言うことになるのだが
『3人とも怖じ気付いて、誰がお前を狙うか揉めてるよ』
しかも、最終的にはくじ引きで決めるそうだ。驚愕よりも呆れで言葉を失う。
『なぁ維新』
『だめだ』
吾妻の名前を呼んだだけだ。朔也はまだ何も話してはいない。
だが、この状況下で朔也が言い出すことなど吾妻には1つしか思い付かない。
朔也は自ら仕掛けようとしている。創世会への手前あくまで正当防衛を主張したい吾妻は、先攻明星会の構図を何としても避けたいのだ。
当然、一刻も早く陽を迎えに行きたい朔也は如何なる手段を使おうとけりをつけてしまいたい。
楠瀬からのメッセージによれば、箱根の別荘で目を覚ました陽は、いつもに増して口数が少なく、朝食もあまり進まなかったのだと言う。
そんな報告を受ければ、一秒でも早く迎えに行きたいのが親心ではないか。
くどいようだが、純粋な親心ではないのだが。
『篠崎は、もう極道じゃない』
相手が破門された元極道とは言えヤクザが一般人に手を出すのはまずいのだと吾妻は言う。
『解った』
納得したわけではないが、結局、大きく動くことは許されず「隙だらけ」を演じることだけが朔也にできる唯一だった。
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