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一章
十話~朝食。王女メイドの初仕事~
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いつになく騒々しい屋敷は、朝食をとる段階で漸く一時的な平穏が訪れた。通常の貴族と同じく主が食事をするとき使用人は給仕に従事し、側で控える。この屋敷でもそれは変わらない。時折雑談やスケジュール、それぞれの仕事についての報告をしあうが、どこか静かで穏やかな出勤前の日常風景。それが俺にとっての朝食だった。
「「・・・・・・・・・・・・」」
そんな朝食を迎えようとしているのに、食堂全体はどこか得体の知らない緊張感を孕んだ不穏な空気が立ちこめている。
後ろで控えているサムも引き攣った表情で青ざめ、冷や汗を浮かべている。流石にいつもの愛想良さとフランクさを取り繕うこともできないんだろうと共感すら覚える。きっと俺も同じ表情をしているだろうから。
「お待たせいたしました・・・・・・・・・」
厳かに銀盆に料理を載せたマリー、髪の毛があちらこちらでほつれた糸のようにピョンと跳びはねている。衣服を問わず全身所々煤だらけ、疲れきった・・・・・・・・・・といわんばかりに窶れて見えて、虚に生気が宿っていない目はどこを見ているのか定かではない。
とてもじゃないが見栄えが良いとはいえない。全体的にぼろっちく、哀愁がある。
「はああああああ・・・・・・・・・・・・」
「マリー。旦那様の前だぞ・・・・・・・・・・」
「申し訳ございません・・・・・・・・・」
「いや、いい」
ノロノロと遅い動きで給仕をしながら、大きく零した溜息を窘めるつもりはない。何故なら彼女たちがどうしてこんな風になっているのか、その原因が理解でき、そして予想できるからだ。
「し、失礼・・・・・・・・・・・・致し・・・・・・ます・・・・・・・・・・・・」
来た。
危なげな足どり。ふらついてプルプルしながら硬い仕草、動作は落としてはいけないと案じているからか。迫真の顔で運んでいる皿と食器が擦れあいカチャカチャカチャカチャ・・・・・・と音を立てている。
いつこの子がぶちまけてしまうか、皆ハラハラしているんだろう。ゴクリ、と誰かが生唾を飲んだ音がした。
「わ、っとと」
「「「あっ!」」」
おもわず立ち上がりかけ、駆け寄ろうとしたが崩したバランスを元に戻し、また一歩ずつゆっくりこちらへやってくる。マリーは苦虫を噛み潰した厳しい目で見ているが、サムと同じくホッとしたんだろう。
「お、お待たせ・・・・・・・・・・・・いたしました・・・・・・・・・・・・」
「本っっっっ当にです!!!!」
ひぃ、と小さい悲鳴を上げた王女、シャルに怒号が落ちた。
「まったく! なにをしているのですか! じゃがいもの皮むきも満足にできず火の調整も味付けもできず! ただ給仕をするだけなのにどれだけ時間をかけるのですか!」
今にも泣きだしそうになりながら食ってかからんばかりのマリーに厳しく責められる。普段は決して感情を顕わにしない彼女には不似合いすぎて声を失う。
「母さんそっくりだ・・・・・・・・・」
奇遇にもサムも同じ感想を持ったらしい。
「マリー。そのへんにしておけ」
「しかし、旦那様!」
「いつまで経っても食べられん」
ハッとした面持ちで神妙さを取り戻した。
怒り狂うマリーの気持ちもわかるが、庇わずにはいられない。それに湯気が立ちそうなできたての料理を前にいつまでも待たなければいけないのは辛い。
バケットにコーンスープ。半熟の目玉焼きに添えられている厚切りのカリカリベーコン。果物と野菜のサラダ。平凡であっても朝から食欲をかき立てられる。
「申し訳ございません」
「いや、もういい」
「この続きは旦那様が出掛けられたらタップリと・・・・・・」
ミルクと砂糖をコーヒーに注ぐ準備をしているマリーを尻目に、ようやく食指が動いた。バケットを持ち、林檎のジャムを塗ろうとする。
「はぁ・・・・・・・・・可愛らしい・・・・・・・・・♡♪」
「ん?」
なにかにうっとりとしているような呟きが聞こえた。
キョロキョロと見回し、気のせいかと、改めてジャムに手を伸ばす。爽やかな柑橘の香りが自ずと鼻を突き抜け、すっきりとしたすっぱい甘味を連想してしまう。
「ああ、素敵・・・・・・・・・・・・♪」
「ん!?」
「旦那様、お気になさらずお召し上がりください。そうでないとなんのために早く起きたのかわかりません」
ギロリと隣を睨むマリーと、頬を押さえて上気しているシャル。そして引き気味の笑みを浮かべているサム。さっきから聞こえるものと三人が怪訝で食べ進めることなんてできはしないだろう。
「良い年齢の男性なのに甘い物がお好きだというのは重々承知しておりますが」
「いや、そうじゃないっ」
「尻尾でバレバレです」
「なに!? うを、く!」
「今更隠されても・・・・・・・・・それとも私が食べるお手伝いを致しましょうか」
「!」
「なんでそうなるっ。おいマリー! 来ようとするなしなくていい!」
「あ、あの!」
「うを、なんだ一体どうしまし・・・・・・・・・・・・どうした?」
一歩前に出て声を張り上げるシャルにおもわずビクついた。
「・・・・・・・・・僭越ながら私にさせていただけないでしょうか?」
「・・・・・・・・・は?」
「それくらいなら、私でもできるとおもうのですが・・・・・・・・・」
「は?」
おずおずと名乗り出たシャルがなんのことを言っているのかすぐに判断できなかった。遠慮がちに伏せられている瞳がまっすぐ注がれているジャムとバケット、まさかこれか? と身ぶりで示す。
嘘だろおい・・・・・・・・・。
冗談か、それとも本気か? いや、鼻息が荒くなってきそうな雰囲気から察するにやはり本気らしい。今のマリーとのやりとりから、真剣に食べるのを手伝おうとしているのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
成程、そういうことか。
(いやそういうことか、じゃないだろ)
「は?」
「そ、それならば先程からの失態も挽回できるとおもうのです」
「は?」
「ご迷惑をかけ続けておりますし、このままでは女中としての役目も果たせません」
「は?」
「ぜ、是非とも。旦那様とマリー様がお許しいただけるのならば」
「は?」
(この王女は・・・・・・・・・・・・少し頭が残念なのだろうか)
尚も食い下がっているシャルに不敬の念すら抱いた。
「そ、それとも・・・・・・・・・マリーさんにしか許されないのでしょうか?」
「は?」
「マリー様は旦那様にしたいのでしょうか?」
「は?」
「おいサム。なんとか・・・・・・・・・・・・ってなに笑いを堪えているっ」
「ぷ、くふ、ふふふ、も、申し訳ございま・・・・・・・・・・ふふふっ」
「だ、旦那様、どうでしょうか?」
「ええい、もういいっ」
鬱陶しさを振り払いたく闇雲に叫んだ。
(なんなんだこの王女は・・・・・・・・・・・・本当に・・・・・・・・・)
朝食だというのに何故こんな風に頭が痛くなるのか。いつもの日常はどこにいってしまったのか。額を抱えて突っ伏したくなる。
「あ、ありがとうございます! では!」
「ん?」
すぐ隣に立ったシャル。彼女は上機嫌でたどたどしい手つき、おそるおそるという具合に断面にジャムを載せ、薄く伸ばしていく。
「ふ、ふう・・・・・・・・・さ、さぁどうぞ。お召し上がりくださいまし」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
落とさないようにか、上品に添えた手を、口の前で止めたまま維持している。
(この王女は一体なにがしたいんだ・・・・・・・・・)
「あ、申し訳ございません。こほん」
「?」
再度意気を込め直したように、ズイッと突き出してくる。嫌な予感がしてとまらない。
「はい、あ~~~~~~~ん」
「・・・・・・・・・」
きっと止まっていた。
俺も。マリーも。サムも。流れている時間さえも。
「あ、あ~~~~~~~ん、ですわ。ご、ご遠慮なく・・・・・・・・・♪」
「・・・・・・・・・」
「あ~~~ん」
「ひぐ、えぐ、あ、あ~~ん・・・・・・・・・」
(この人は本当に王女なんだろうか)
涙を滲ませている少女に、初めて胡乱な目を向けながらおもった。
「「・・・・・・・・・・・・」」
そんな朝食を迎えようとしているのに、食堂全体はどこか得体の知らない緊張感を孕んだ不穏な空気が立ちこめている。
後ろで控えているサムも引き攣った表情で青ざめ、冷や汗を浮かべている。流石にいつもの愛想良さとフランクさを取り繕うこともできないんだろうと共感すら覚える。きっと俺も同じ表情をしているだろうから。
「お待たせいたしました・・・・・・・・・」
厳かに銀盆に料理を載せたマリー、髪の毛があちらこちらでほつれた糸のようにピョンと跳びはねている。衣服を問わず全身所々煤だらけ、疲れきった・・・・・・・・・・といわんばかりに窶れて見えて、虚に生気が宿っていない目はどこを見ているのか定かではない。
とてもじゃないが見栄えが良いとはいえない。全体的にぼろっちく、哀愁がある。
「はああああああ・・・・・・・・・・・・」
「マリー。旦那様の前だぞ・・・・・・・・・・」
「申し訳ございません・・・・・・・・・」
「いや、いい」
ノロノロと遅い動きで給仕をしながら、大きく零した溜息を窘めるつもりはない。何故なら彼女たちがどうしてこんな風になっているのか、その原因が理解でき、そして予想できるからだ。
「し、失礼・・・・・・・・・・・・致し・・・・・・ます・・・・・・・・・・・・」
来た。
危なげな足どり。ふらついてプルプルしながら硬い仕草、動作は落としてはいけないと案じているからか。迫真の顔で運んでいる皿と食器が擦れあいカチャカチャカチャカチャ・・・・・・と音を立てている。
いつこの子がぶちまけてしまうか、皆ハラハラしているんだろう。ゴクリ、と誰かが生唾を飲んだ音がした。
「わ、っとと」
「「「あっ!」」」
おもわず立ち上がりかけ、駆け寄ろうとしたが崩したバランスを元に戻し、また一歩ずつゆっくりこちらへやってくる。マリーは苦虫を噛み潰した厳しい目で見ているが、サムと同じくホッとしたんだろう。
「お、お待たせ・・・・・・・・・・・・いたしました・・・・・・・・・・・・」
「本っっっっ当にです!!!!」
ひぃ、と小さい悲鳴を上げた王女、シャルに怒号が落ちた。
「まったく! なにをしているのですか! じゃがいもの皮むきも満足にできず火の調整も味付けもできず! ただ給仕をするだけなのにどれだけ時間をかけるのですか!」
今にも泣きだしそうになりながら食ってかからんばかりのマリーに厳しく責められる。普段は決して感情を顕わにしない彼女には不似合いすぎて声を失う。
「母さんそっくりだ・・・・・・・・・」
奇遇にもサムも同じ感想を持ったらしい。
「マリー。そのへんにしておけ」
「しかし、旦那様!」
「いつまで経っても食べられん」
ハッとした面持ちで神妙さを取り戻した。
怒り狂うマリーの気持ちもわかるが、庇わずにはいられない。それに湯気が立ちそうなできたての料理を前にいつまでも待たなければいけないのは辛い。
バケットにコーンスープ。半熟の目玉焼きに添えられている厚切りのカリカリベーコン。果物と野菜のサラダ。平凡であっても朝から食欲をかき立てられる。
「申し訳ございません」
「いや、もういい」
「この続きは旦那様が出掛けられたらタップリと・・・・・・」
ミルクと砂糖をコーヒーに注ぐ準備をしているマリーを尻目に、ようやく食指が動いた。バケットを持ち、林檎のジャムを塗ろうとする。
「はぁ・・・・・・・・・可愛らしい・・・・・・・・・♡♪」
「ん?」
なにかにうっとりとしているような呟きが聞こえた。
キョロキョロと見回し、気のせいかと、改めてジャムに手を伸ばす。爽やかな柑橘の香りが自ずと鼻を突き抜け、すっきりとしたすっぱい甘味を連想してしまう。
「ああ、素敵・・・・・・・・・・・・♪」
「ん!?」
「旦那様、お気になさらずお召し上がりください。そうでないとなんのために早く起きたのかわかりません」
ギロリと隣を睨むマリーと、頬を押さえて上気しているシャル。そして引き気味の笑みを浮かべているサム。さっきから聞こえるものと三人が怪訝で食べ進めることなんてできはしないだろう。
「良い年齢の男性なのに甘い物がお好きだというのは重々承知しておりますが」
「いや、そうじゃないっ」
「尻尾でバレバレです」
「なに!? うを、く!」
「今更隠されても・・・・・・・・・それとも私が食べるお手伝いを致しましょうか」
「!」
「なんでそうなるっ。おいマリー! 来ようとするなしなくていい!」
「あ、あの!」
「うを、なんだ一体どうしまし・・・・・・・・・・・・どうした?」
一歩前に出て声を張り上げるシャルにおもわずビクついた。
「・・・・・・・・・僭越ながら私にさせていただけないでしょうか?」
「・・・・・・・・・は?」
「それくらいなら、私でもできるとおもうのですが・・・・・・・・・」
「は?」
おずおずと名乗り出たシャルがなんのことを言っているのかすぐに判断できなかった。遠慮がちに伏せられている瞳がまっすぐ注がれているジャムとバケット、まさかこれか? と身ぶりで示す。
嘘だろおい・・・・・・・・・。
冗談か、それとも本気か? いや、鼻息が荒くなってきそうな雰囲気から察するにやはり本気らしい。今のマリーとのやりとりから、真剣に食べるのを手伝おうとしているのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
成程、そういうことか。
(いやそういうことか、じゃないだろ)
「は?」
「そ、それならば先程からの失態も挽回できるとおもうのです」
「は?」
「ご迷惑をかけ続けておりますし、このままでは女中としての役目も果たせません」
「は?」
「ぜ、是非とも。旦那様とマリー様がお許しいただけるのならば」
「は?」
(この王女は・・・・・・・・・・・・少し頭が残念なのだろうか)
尚も食い下がっているシャルに不敬の念すら抱いた。
「そ、それとも・・・・・・・・・マリーさんにしか許されないのでしょうか?」
「は?」
「マリー様は旦那様にしたいのでしょうか?」
「は?」
「おいサム。なんとか・・・・・・・・・・・・ってなに笑いを堪えているっ」
「ぷ、くふ、ふふふ、も、申し訳ございま・・・・・・・・・・ふふふっ」
「だ、旦那様、どうでしょうか?」
「ええい、もういいっ」
鬱陶しさを振り払いたく闇雲に叫んだ。
(なんなんだこの王女は・・・・・・・・・・・・本当に・・・・・・・・・)
朝食だというのに何故こんな風に頭が痛くなるのか。いつもの日常はどこにいってしまったのか。額を抱えて突っ伏したくなる。
「あ、ありがとうございます! では!」
「ん?」
すぐ隣に立ったシャル。彼女は上機嫌でたどたどしい手つき、おそるおそるという具合に断面にジャムを載せ、薄く伸ばしていく。
「ふ、ふう・・・・・・・・・さ、さぁどうぞ。お召し上がりくださいまし」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
落とさないようにか、上品に添えた手を、口の前で止めたまま維持している。
(この王女は一体なにがしたいんだ・・・・・・・・・)
「あ、申し訳ございません。こほん」
「?」
再度意気を込め直したように、ズイッと突き出してくる。嫌な予感がしてとまらない。
「はい、あ~~~~~~~ん」
「・・・・・・・・・」
きっと止まっていた。
俺も。マリーも。サムも。流れている時間さえも。
「あ、あ~~~~~~~ん、ですわ。ご、ご遠慮なく・・・・・・・・・♪」
「・・・・・・・・・」
「あ~~~ん」
「ひぐ、えぐ、あ、あ~~ん・・・・・・・・・」
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