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四章
三十六話 ~告白。呪われ騎士の苦悩~
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結局、店員が代金の催促をしにきたのがきっかけとなり、そのまま解散という流れになった。肩を落とし、暗い面持ちのまま去っていくエドモンは哀愁すら覚えたが彼にかまっていられない。
「おい、大丈夫か?」
ただの家路ではないと覚悟していた。そして改めて覚悟しなければいけない。だがシャルからすれば楽しい寄り道でしかなかったのか。美味しい食事をして、お酒も飲んでいてスキップでもしたり手を広げてクルクルと回り出したり走りだし。
一人で歩けていないわけではない。意志の疎通や会話はできている。だが、左右に少し揺れており、気持ちよさそうに朗らか。眠たそうに瞼が半分閉じかけていてほろ酔い状態になっている。
舗装された石畳にも歩き慣れてないだろう。いつ蹴躓いてしまわないかハラハラしてしょうがない。
「は~~~~、今日は楽しゅうございました」
「・・・・・・・・・・それはよかった。王女様に喜んでいただけて俺も光栄だよ」
「まあ、うふふっ」
皮肉だくそ。
「料理があまりにも美味しくって、つい進んでしまいました」
「酒に弱いのか?」
「というよりも、公の場ではグラスに口を濡らす程度でしか愉しむことを許されておりませんでしたので。普段もあまり飲む習慣がなかったですし」
「王女も大変なんだな・・・・・・・・・・」
「私よりも、お父様やお兄様のほうが大変でございますよ。人前では水で薄めたワインにさせておりましたし」
泥酔した姿を衆目に晒せば、威厳に関わるし王族ともなれば会食がてら公務をおこなう場合が多い。酔った思考ではなにかと支障が出る。そんなことを教えてくれた。
わからないでもないが、王族とは不便なのかもしれない。
「しかし、そのせいで言わなくてもよいことを言ってしまったかもしれません」
「いや、あれはいい。だが驚いた。最初からエドモンを怪しんでいたのか?」
「いえ。エロモン様のお家の話から思い出したのです。王宮でお父様とお兄様と会っているときにそのような話をしていたので」
「そうか、だがあの反応からすれば、エドモンは無関係だろう」
もしも本当に関わりがあるのだとしたら、わざわざ謹慎中に出掛けるはずがない。目立つ真似は避けようとするはず。経験則からすれば、そうだ。
無関係だとおもっているからこそ、おかまいなしに出歩ける。
仮に俺やシャルを待ち構えていたにしては不自然だ。追跡されている気配も殺気もなかった。武器を持ってもない。
なにより、食事しているときの雰囲気だ。純粋に味わっている雰囲気があった。
「それに、あいつは出会ったときからお前に気づいていなかったしな。単なるアホなんだろう」
「それはそうでしょうけれど」
「助かった」
「え?」
「シャルがいてくれて助かったよ」
立ち止まった。そのままパタパタと走ってきて、転びそうになったのをギョッとしながら胸で受止める。
「お、おい?」
「今なんと?」
興奮が今にもはち切れそうになっている。頭上で瞬いている満点の星にも負けないほど瞳がキラキラ、なにかが飛び出しそうに口が開いている。
なにか喋ったことがふとした刺激になって破裂してしまいそうなほど感情が限界を迎えようとしている。
「私でも、旦那様のお役にたてたのですか?」
「あ、ああ・・・・・・・・・!」
「私がですか? 旦那様を?」
「そう・・・・・・だ・・・・・・・!」
離れてほしい。離れなければ。
我を失いかけている。心臓が壊れているのではないかとおもうほど大きく強く速く、内側から打ち鳴らされている。鼓動の一つ一つが足の先から頭のてっぺんにまで。全身に余すところなく響き渡っている。
無意識に伸ばされた手がそのまま静止して引くことはおろか動かすことができない。全身が金縛りに似た状態に陥ってシャルの愛らしさを受け止め、感じることしかできない。
(だめだ・・・・・・・・・・・・!)
少しでも動けば、このまま彼女を力いっぱい感情の赴くままに抱きしめてしまうだろう。なにか自分の意志で喋ってしまえば取り返しのつかないことになってしまうだろう。そんな予感があった。
騎士としての信条も、貴族としての振る舞いも、男としての理性も、シャルの本来の身分も、自分の呪いも、一切合切頭から抜けていた。今この瞬間、この世界、ここには俺達しかいない。
「う、嬉しいです・・・・・・・・・」
「!」
ガツンと脳みそを直接殴られたような強烈さ。喜びと感動に打ち震えながらゆっくりじっくり噛み締めて。内側から爆発しそうになっているシャルが抱きしめたくなってくる。
(だめだエリクここでなにかあれば陛下と殿下に処されてしまうぞ!)
僅かばかりの理性、いや本能に刻まれた恐怖か。今目の前にいる身内二人を必死に思い出して冷静さを取り戻す。取り戻そうと足掻く。
「旦那様、私、どうしても言いたいことがございますの」
「!」
最高潮に達しようとしていた。
シャルが何を口走ろうとしているのかわかった。
「私、私・・・・・・・・・・!」
それを聞いてしまえば、誤魔化すことはできない。
「シャル、やめ――――」
「マリーさんとなにかございましたの?」
「は?」
「私、マリーさんに以前言われたことがございまして。ですがマリーさんと旦那様の距離感や関係性でおかしいとおもってしまって」
「 」
「サムさんも教えてくれないのですが、」
急速に冷えていく。
へなへなと体の芯から緊張と茹だるような熱さが抜け、今まで忘れていたんじゃないかと錯覚する呼吸、屹立していた尻尾が萎びていく。
ピシ。
「あうっ?」
ピシ、ピシ、ピシ。
「あうえうおうっ」
デコピンでおでこを連続で弾く。
「だ、旦那様、ああう、」
鬱憤晴らしがあった。少しだけ酒も残っていた。一番はやるせなさがあった。
「~~~~~~~!!」
「だ、旦那様?!」
無理やり背中におぶり、そのままズンズン進む。
「行くぞ」
「ああ、旦那様これは流石に私も恥ずかしいですわ! 誰かに見られたら!」
「やかましいっ。こうでもしなければいつまで経っても帰れないだろう!」
勘違いをさせられた腹立たしさ。大人げないという自覚はある。だが知ったことか。彼女のほうから望んで主従の姿をとっている。
振り回されて振り回されて振り回されて、振り回された今の俺に許されたギリギリの妥協の形なのだ。
背中で少し暴れていたシャルも、無駄と悟ったのか静かになっている。
「温かくて大きい・・・・・・・・・・」
違う。
別の苦しみだ。体の前面を押しつけ、ぎゅうっと腕を前に。頬をスリスリとすり寄せだした。
「こんな時間がずううっと続けばいいのに・・・・・・・・・」
「~~~~~~~~~~~! マリーの件だがな!?」
「あ、はい?」
独り言により、また前後不覚に陥りかけたのを立て直す。
「別になにかあるわけじゃない!」
「ですが、マリーさんに旦那様のことをお慕いしているのではないかと聞いたのですが」
なにを聞いているんだお前は。
「そうしたら怒らせてしまいました」
「それはそうだろう」
かつてどれだけ仲が深くとも。変わらないものなんてない。身分、年齢、様々な事情で関係は同じままではいられない。
分別がわからない子供ならば通用していた対等な、親愛的な間柄でも年を経れば変化して然るべきこと。
「それに、マリーは望んで俺に仕えているわけじゃない」
「え?」
「俺は嫌われているからな」
「な、何故ですの!?」
「この見た目だ。わかるだろう?」
この世にいる人全員が全員、シャルのように変わり者というわけではない。
この毛むくじゃらの呪われた姿を受け入れられない者のほうが圧倒的に多い。いやほとんどだ。人目見ても人間だとはおもえず、獣と人が混じりあったような、忌み嫌うのが当たり前の容姿。
「両親も兄も、最初は俺が息子だと信じてくれなかった。サムも。特にマリーはまだ幼かったから、泣きじゃくっていてな。俺だと受け入れられなくなかったんだろう」
「で、ですが! マリーさんは!」
「マリーだけではない。むしろマリーとサムのほうがまだマシだ」
「・・・・・・・・・・」
マリーとサムがいなければ、俺は本当に腐ってしまっていただろう。それほどまでに当時、周囲からの視線や反応はおそろしかった。
俺自身、嘆き苦しんだ。不条理だと怒った。これは悪い夢だとのたうち回り、現実を受け入れられずにいた。
ありのままの自分を受け入れられたのは、サムとマリーが共にいてくれるようになってからだ。本人達は意識していないだろう、ただ側にいてくれるという存在に救われた。
「社交界やパーティーとて、そうだろう? 人は噂や風聞をまず信じる。そして外見で判断する。それだけで深く知ろうとする気は失せるものだ」
「でも!」
「でももなにもない。世間とはそういうものだ」
「・・・・・・」
「呪われ騎士の元にいつまでもいたら、嫁にだってもらわれないだろう」
「!!!!」
「他になにか聞きたいことはあるか?」
「うう、」
「?」
「ううう、」
「シャル?」
「むうううううううううううう~~~~~~~~~~~~っ!」
不機嫌だというのがありありとわかってしまうむくれ声。呼びかけても揺すっても
むうううう~~~、としか答えない。次第にフードを引っ張ったり脱がそうとしたりと悪戯めいた行動を繰り返すばかり。
そのうち億劫になった。勝手にしろ、いつまでもかまっていられんと諦める。彼女に対するドキドキも振り切りたくなった。
屋敷に到着するまで、言葉を交すことはなくなった。
「おい、大丈夫か?」
ただの家路ではないと覚悟していた。そして改めて覚悟しなければいけない。だがシャルからすれば楽しい寄り道でしかなかったのか。美味しい食事をして、お酒も飲んでいてスキップでもしたり手を広げてクルクルと回り出したり走りだし。
一人で歩けていないわけではない。意志の疎通や会話はできている。だが、左右に少し揺れており、気持ちよさそうに朗らか。眠たそうに瞼が半分閉じかけていてほろ酔い状態になっている。
舗装された石畳にも歩き慣れてないだろう。いつ蹴躓いてしまわないかハラハラしてしょうがない。
「は~~~~、今日は楽しゅうございました」
「・・・・・・・・・・それはよかった。王女様に喜んでいただけて俺も光栄だよ」
「まあ、うふふっ」
皮肉だくそ。
「料理があまりにも美味しくって、つい進んでしまいました」
「酒に弱いのか?」
「というよりも、公の場ではグラスに口を濡らす程度でしか愉しむことを許されておりませんでしたので。普段もあまり飲む習慣がなかったですし」
「王女も大変なんだな・・・・・・・・・・」
「私よりも、お父様やお兄様のほうが大変でございますよ。人前では水で薄めたワインにさせておりましたし」
泥酔した姿を衆目に晒せば、威厳に関わるし王族ともなれば会食がてら公務をおこなう場合が多い。酔った思考ではなにかと支障が出る。そんなことを教えてくれた。
わからないでもないが、王族とは不便なのかもしれない。
「しかし、そのせいで言わなくてもよいことを言ってしまったかもしれません」
「いや、あれはいい。だが驚いた。最初からエドモンを怪しんでいたのか?」
「いえ。エロモン様のお家の話から思い出したのです。王宮でお父様とお兄様と会っているときにそのような話をしていたので」
「そうか、だがあの反応からすれば、エドモンは無関係だろう」
もしも本当に関わりがあるのだとしたら、わざわざ謹慎中に出掛けるはずがない。目立つ真似は避けようとするはず。経験則からすれば、そうだ。
無関係だとおもっているからこそ、おかまいなしに出歩ける。
仮に俺やシャルを待ち構えていたにしては不自然だ。追跡されている気配も殺気もなかった。武器を持ってもない。
なにより、食事しているときの雰囲気だ。純粋に味わっている雰囲気があった。
「それに、あいつは出会ったときからお前に気づいていなかったしな。単なるアホなんだろう」
「それはそうでしょうけれど」
「助かった」
「え?」
「シャルがいてくれて助かったよ」
立ち止まった。そのままパタパタと走ってきて、転びそうになったのをギョッとしながら胸で受止める。
「お、おい?」
「今なんと?」
興奮が今にもはち切れそうになっている。頭上で瞬いている満点の星にも負けないほど瞳がキラキラ、なにかが飛び出しそうに口が開いている。
なにか喋ったことがふとした刺激になって破裂してしまいそうなほど感情が限界を迎えようとしている。
「私でも、旦那様のお役にたてたのですか?」
「あ、ああ・・・・・・・・・!」
「私がですか? 旦那様を?」
「そう・・・・・・だ・・・・・・・!」
離れてほしい。離れなければ。
我を失いかけている。心臓が壊れているのではないかとおもうほど大きく強く速く、内側から打ち鳴らされている。鼓動の一つ一つが足の先から頭のてっぺんにまで。全身に余すところなく響き渡っている。
無意識に伸ばされた手がそのまま静止して引くことはおろか動かすことができない。全身が金縛りに似た状態に陥ってシャルの愛らしさを受け止め、感じることしかできない。
(だめだ・・・・・・・・・・・・!)
少しでも動けば、このまま彼女を力いっぱい感情の赴くままに抱きしめてしまうだろう。なにか自分の意志で喋ってしまえば取り返しのつかないことになってしまうだろう。そんな予感があった。
騎士としての信条も、貴族としての振る舞いも、男としての理性も、シャルの本来の身分も、自分の呪いも、一切合切頭から抜けていた。今この瞬間、この世界、ここには俺達しかいない。
「う、嬉しいです・・・・・・・・・」
「!」
ガツンと脳みそを直接殴られたような強烈さ。喜びと感動に打ち震えながらゆっくりじっくり噛み締めて。内側から爆発しそうになっているシャルが抱きしめたくなってくる。
(だめだエリクここでなにかあれば陛下と殿下に処されてしまうぞ!)
僅かばかりの理性、いや本能に刻まれた恐怖か。今目の前にいる身内二人を必死に思い出して冷静さを取り戻す。取り戻そうと足掻く。
「旦那様、私、どうしても言いたいことがございますの」
「!」
最高潮に達しようとしていた。
シャルが何を口走ろうとしているのかわかった。
「私、私・・・・・・・・・・!」
それを聞いてしまえば、誤魔化すことはできない。
「シャル、やめ――――」
「マリーさんとなにかございましたの?」
「は?」
「私、マリーさんに以前言われたことがございまして。ですがマリーさんと旦那様の距離感や関係性でおかしいとおもってしまって」
「 」
「サムさんも教えてくれないのですが、」
急速に冷えていく。
へなへなと体の芯から緊張と茹だるような熱さが抜け、今まで忘れていたんじゃないかと錯覚する呼吸、屹立していた尻尾が萎びていく。
ピシ。
「あうっ?」
ピシ、ピシ、ピシ。
「あうえうおうっ」
デコピンでおでこを連続で弾く。
「だ、旦那様、ああう、」
鬱憤晴らしがあった。少しだけ酒も残っていた。一番はやるせなさがあった。
「~~~~~~~!!」
「だ、旦那様?!」
無理やり背中におぶり、そのままズンズン進む。
「行くぞ」
「ああ、旦那様これは流石に私も恥ずかしいですわ! 誰かに見られたら!」
「やかましいっ。こうでもしなければいつまで経っても帰れないだろう!」
勘違いをさせられた腹立たしさ。大人げないという自覚はある。だが知ったことか。彼女のほうから望んで主従の姿をとっている。
振り回されて振り回されて振り回されて、振り回された今の俺に許されたギリギリの妥協の形なのだ。
背中で少し暴れていたシャルも、無駄と悟ったのか静かになっている。
「温かくて大きい・・・・・・・・・・」
違う。
別の苦しみだ。体の前面を押しつけ、ぎゅうっと腕を前に。頬をスリスリとすり寄せだした。
「こんな時間がずううっと続けばいいのに・・・・・・・・・」
「~~~~~~~~~~~! マリーの件だがな!?」
「あ、はい?」
独り言により、また前後不覚に陥りかけたのを立て直す。
「別になにかあるわけじゃない!」
「ですが、マリーさんに旦那様のことをお慕いしているのではないかと聞いたのですが」
なにを聞いているんだお前は。
「そうしたら怒らせてしまいました」
「それはそうだろう」
かつてどれだけ仲が深くとも。変わらないものなんてない。身分、年齢、様々な事情で関係は同じままではいられない。
分別がわからない子供ならば通用していた対等な、親愛的な間柄でも年を経れば変化して然るべきこと。
「それに、マリーは望んで俺に仕えているわけじゃない」
「え?」
「俺は嫌われているからな」
「な、何故ですの!?」
「この見た目だ。わかるだろう?」
この世にいる人全員が全員、シャルのように変わり者というわけではない。
この毛むくじゃらの呪われた姿を受け入れられない者のほうが圧倒的に多い。いやほとんどだ。人目見ても人間だとはおもえず、獣と人が混じりあったような、忌み嫌うのが当たり前の容姿。
「両親も兄も、最初は俺が息子だと信じてくれなかった。サムも。特にマリーはまだ幼かったから、泣きじゃくっていてな。俺だと受け入れられなくなかったんだろう」
「で、ですが! マリーさんは!」
「マリーだけではない。むしろマリーとサムのほうがまだマシだ」
「・・・・・・・・・・」
マリーとサムがいなければ、俺は本当に腐ってしまっていただろう。それほどまでに当時、周囲からの視線や反応はおそろしかった。
俺自身、嘆き苦しんだ。不条理だと怒った。これは悪い夢だとのたうち回り、現実を受け入れられずにいた。
ありのままの自分を受け入れられたのは、サムとマリーが共にいてくれるようになってからだ。本人達は意識していないだろう、ただ側にいてくれるという存在に救われた。
「社交界やパーティーとて、そうだろう? 人は噂や風聞をまず信じる。そして外見で判断する。それだけで深く知ろうとする気は失せるものだ」
「でも!」
「でももなにもない。世間とはそういうものだ」
「・・・・・・」
「呪われ騎士の元にいつまでもいたら、嫁にだってもらわれないだろう」
「!!!!」
「他になにか聞きたいことはあるか?」
「うう、」
「?」
「ううう、」
「シャル?」
「むうううううううううううう~~~~~~~~~~~~っ!」
不機嫌だというのがありありとわかってしまうむくれ声。呼びかけても揺すっても
むうううう~~~、としか答えない。次第にフードを引っ張ったり脱がそうとしたりと悪戯めいた行動を繰り返すばかり。
そのうち億劫になった。勝手にしろ、いつまでもかまっていられんと諦める。彼女に対するドキドキも振り切りたくなった。
屋敷に到着するまで、言葉を交すことはなくなった。
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