旦那様は魔法使い 短編集

なかゆんきなこ

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ガールズ? トーク

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 それはアニエスのお店の、お昼休憩の時のこと。
 昼食を食べ終えたアニエスと茶色猫ネリーが、椅子に並んで座り何やらきゃっきゃと楽しげに会話している。

「…それでね、サフィールがこっちの方が似合うんじゃないかって」
「あ、ホントですにゃー!! こっちの方が、奥方様に似合いますにゃ」
「そう? じゃあ、やっぱりこれにしちゃおうかしら…」
「良いと思いますにゃー。奥方様のお肌に映える色ですにゃ」
「うふふ。ありがとうネリー。あ、こっちなんかネリーに似合うんじゃないかしら」
「え、ええー。ほ、ほんとですかにゃ? うーん」
「大丈夫よ。すっごく可愛いわ」
「えへへ。ボクに似合うかはわからないけど、可愛いですにゃ」

「なあ、キース」
 縞猫のアクアはぼんやりと目の前のアニエスとネリーを見つめながら、隣に座るブチ猫キースに言う。
「奥方様達、なんの話をしてるのにゃ?」
「ああ…。王都の服屋の通販カタログを見てるんにゃって。こっちじゃ買えない服とか下着とか、通販で買うのにゃ」
「ふーん…」
 島には、大陸ほど店が多くない。
 だからたまに、こうした通販を利用するのだが…。

「このリボンとか、すっごく可愛いわよ」
「にゃー。本当ですにゃ。可愛いー!」

「なあ、キース」
「なんにゃ?」
 縞猫のアクアは、どこか遠い目で目の前の一人と一匹を見つめている。

「おれたまに、ネリーがホントの女の子に見えるんだけど」
「…言うなよ」

 オレもたまに思う…と。
 二匹の猫は、どこか複雑そうな眼差しを茶色猫ネリーに向けた。



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