JK退魔師の受難 あらかると♡ ~美少女退魔師たちは今日もふたなり化して凌辱される~

吉田定理

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花村和心(ガールズバンドのドラム。穂香の前で恥辱、寸止め。百合あり)

花村和心③(えち無し・穂香との出会い・飛ばしても影響ないです)

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 花村和心(はなむら わこ)はいつも一人で過ごしていた。
 幼い頃からよく、無口な子だと言われたが、何も考えていないわけではない。何かを感じたり思ったりしても、それがなかなか言葉にならないのだ。
 学校では同級生から「なに考えてるの?」「つまんない人」「なんか怖い」などと言われ、いつの間にか周りには誰もいなくなっていた。いじめに遭うことはなかったが、無視されたり、いないも同然に扱われることは時々あった。
 どうやら自分は他の人とは何かが違うみたいで、誰もが普通にやっているように『友だちを作る』ことができないと気付いた。寂しいと感じることはあったが、うまくおしゃべりできない自分が悪いのだし、慣れてしまえば孤独は辛くなかった。
「なあに、気にするな。どっかに和心を受け入れてくれるヤツがいるさ」
「そうよ。和心は自分らしくいればいいの」
 父も母も、あっけらかんとしていたので、和心も「きっと大丈夫だ」と思っていた。
 和心は、若い頃はモデルをしていた母と、夢破れたバンドマンの父のもとに生まれた。同級生との関わりが減っていくにつれて、自然と両親のたどった道を意識するようになっていった。
 ファッションやアクセサリーは個性を与えてくれるし、音楽は聞く人たちに言葉よりも饒舌にメッセージを届けてくれる。学校から帰ってくると、父のドラムを夢中で何時間も叩き続けた。
 中学生のとき、母が勝手にモデルの事務所に履歴書と写真を送ったところ、透明感とクールな雰囲気が絶賛されて採用が決まった。どうせ部活もしていないし、遊ぶ友だちもいないし、ファッションには興味があったから、モデル活動をすることにした。すると、雑誌の読者からそれなりに良い反響があって、学校よりもこっちのほうが楽しいと思うようになった。
 しかしそれも、長くは続かなかった。
「あんた、新人のくせに、ちょっと人気が出たからって調子に乗ってるでしょ」
「あんたの母親、昔ここでモデルやってたんだって? コネがあると、実力がなくても仕事がもらえていいわね」
「プロフィールに趣味はドラムとか書いてあるの、嘘でしょ? そういうキャラ作り、うざいんですけど」
 先輩たちから難癖を付けられて、嫌がらせをされて、モデル事務所でも和心は一人ぼっちになってしまった。
 結局、どこへ行っても、何をしていても同じなんだ。
 わたしの居場所は、わたしの家の中だけ。
 だけど、寂しくはない。辛くもない。以前から学校でも一人だったし、わたしには音楽っていう友だちがいるから――。
 撮影前の待ち時間。皆とのおしゃべりには加わらず、一人だけ離れて暗い隅っこのほうで、自分の世界に閉じこもるように、見えないドラムを叩く。イメージ練習ならいつでもどこでもできるのだ。
「あいつ、何してんの?」
「ドラマー気取り? キモっ」
 何を言われても痛みは感じない。もう慣れてしまったから。だから勝手に言っていればいい。わたしも勝手に、一人でやるから。
 しかし、そんな孤独な世界を壊す者が現われた。
「今日、一緒に撮影する花村和心さんだよね?」
 春風のように爽やかな声で名前を呼ばれたとき、和心はなぜかドキッとしたことを覚えている。反射的に顔をあげると、サラサラの長い髪と澄んだ瞳を持った、陽だまりのように温かくて綺麗な少女がこちらを覗き込んでいた。
 ――綺麗な?
 なぜそんなふうに思ったのか、そのときは分からなかった。ここにいる少女たちは、皆モデルであり、美人には違いない。だけど、目の前のこの少女は、顔が整っているのはもちろんだが、存在そのものが綺麗で、尊く見えたのだ。
「あ、練習の邪魔しちゃってごめんね。私、篠塚穂香(しのづか ほのか)っていいます。同じ高校二年生だよ」
 名前は聞いたことがあった。確か、何かのオーディションでグランプリに輝いた、すごいモデル。芸能人。
 なぜ彼女のような雲の上の存在が、嫌われ者の自分に声をかけてきたのだろうか。和心の警戒を感じ取って、穂香はちょっとあたふたしながら、恥ずかしそうに続ける。
「あの、いきなりでびっくりするかもだけど。花村さんってドラムやってるでしょ? もしよかったら……私とバンド組んでくれませんか?」
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