1 / 3
はじまり
しおりを挟む
音の満ち欠け (第一回)
その日その駅に降り立った時、何か懐かしい昭和初期の風情に包まれたような感じがした。
それが初めての弘前駅の印象だった。
以来、自分は何度もこの駅の景色を見ることになる。
昭和54年3月初旬のことだった。
まだ真っ白な雪に包まれたこの街は、東北の厳しい寒さを携えながら不思議な暖かさを感じさせた。
駅前は斜め左右に道が伸びて真っ正面には幾つかのタクシー会社や食堂のような建物も見えた。
弘前大学教育学部を受験するために訪れた自分はこの駅を観ながら、「ここを何度も訪れる」と予感した瞬間でもあった。
自分が生まれたのは北陸は富山県の高岡市と言う、人口も当時13万人程度の中堅どころの町。
昭和40年頃は富山県でも屈指のオシャレで活気のある商業の街だったが、その賑わいもオイルショックの前辺りから陰り出していた。
そんな街で思春期を迎えた自分は小さい頃から歌好きの子供だった。
白黒のテレビから流れる歌謡番組のステージを茶の間のちゃぶ台で再現しては父母の呆れ顔を誘った。
そんな自分も高校卒業を間近に控えて、遠く青森県の大学を受験に訪れたのだった。
そして自分の長い長い音楽の旅はここからスタートすることになる。
無事合格することが出来た弘前大学は医学部、人文学部、教育学部、農学部、理学部と揃った総合大学だったが、敷地も少し大きめの高校のキャンパスを彷彿とさせる程度のそれほど大きなものではなかった。
新歓のムードに包まれた学内の中では様々なサークルやクラブ活動の勧誘がそこここで行われていて、その中にその後お世話になる「ロックオフィス」と言う軽音楽サークルもあった。
正直、自分はサークル活動などと言う組織だったものは元来好きじゃなかった。
そのため参加することはなかったが、遠巻きに値踏みはしている自分だった。
そんなある日学内に立て看板が立った。
昭和54年4月21日土曜日、大学構内の「弘前学館」2階のホールにて新入生歓迎ライブがあると言う。
新入生歓迎ライブとの触れ込みでロックオフィスの数バンドが演奏するのだ。
自分はとても興味深くいそいそと出かけて行った。
その日その駅に降り立った時、何か懐かしい昭和初期の風情に包まれたような感じがした。
それが初めての弘前駅の印象だった。
以来、自分は何度もこの駅の景色を見ることになる。
昭和54年3月初旬のことだった。
まだ真っ白な雪に包まれたこの街は、東北の厳しい寒さを携えながら不思議な暖かさを感じさせた。
駅前は斜め左右に道が伸びて真っ正面には幾つかのタクシー会社や食堂のような建物も見えた。
弘前大学教育学部を受験するために訪れた自分はこの駅を観ながら、「ここを何度も訪れる」と予感した瞬間でもあった。
自分が生まれたのは北陸は富山県の高岡市と言う、人口も当時13万人程度の中堅どころの町。
昭和40年頃は富山県でも屈指のオシャレで活気のある商業の街だったが、その賑わいもオイルショックの前辺りから陰り出していた。
そんな街で思春期を迎えた自分は小さい頃から歌好きの子供だった。
白黒のテレビから流れる歌謡番組のステージを茶の間のちゃぶ台で再現しては父母の呆れ顔を誘った。
そんな自分も高校卒業を間近に控えて、遠く青森県の大学を受験に訪れたのだった。
そして自分の長い長い音楽の旅はここからスタートすることになる。
無事合格することが出来た弘前大学は医学部、人文学部、教育学部、農学部、理学部と揃った総合大学だったが、敷地も少し大きめの高校のキャンパスを彷彿とさせる程度のそれほど大きなものではなかった。
新歓のムードに包まれた学内の中では様々なサークルやクラブ活動の勧誘がそこここで行われていて、その中にその後お世話になる「ロックオフィス」と言う軽音楽サークルもあった。
正直、自分はサークル活動などと言う組織だったものは元来好きじゃなかった。
そのため参加することはなかったが、遠巻きに値踏みはしている自分だった。
そんなある日学内に立て看板が立った。
昭和54年4月21日土曜日、大学構内の「弘前学館」2階のホールにて新入生歓迎ライブがあると言う。
新入生歓迎ライブとの触れ込みでロックオフィスの数バンドが演奏するのだ。
自分はとても興味深くいそいそと出かけて行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる