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第42話 「人違い」の正体⑥
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「何…いや…もう…いいわ…」
「そお?あ、今度 神戸さんが居る時に 先パイの所に行きたいんですけど~」
「…ああ…シフト見とく…」
「お願いしま~す♪神戸さんに言ったら見せてくれるんですか?朝顔と夜顔のやつ」
「…あー…たぶん…?」
「やった~!楽しみ~♪」
「お前…本は?」
「本も、気になるのが いくつかあって~図書館に有るか無いかを チェックし終わったんです~」
「あ…そう…」
「うん!先パイ、俺も 神戸さんに頼んだら してもらえるんすかね?やっぱ、めっちゃカッケーんですけど~ッ!!」
「あ~ 本人に聞いてみて…あ…」
「ん?何かあります?」
「お前、ヌードは断れよ?いいな?」
「ぬーど?ぬーど…っち…?」
「今…カップ麺が浮かんでねぇ?」
「えっ?何で分かるんですかッ⁈スゲェ!先パイ!」
「顔に書いてあるんだよ…ハァ、いいか?美大の人は 画力向上のために 裸でモデルしてくれる人を探してるから、神戸さん達は 二十歳未満には お願いしてないけど、他の人に頼まれても断れよ?いいな?」
「あ~!ヌードっち裸か~聞いた事あるな~っと思った~!つーか、しませんよ~!」
「いいや、ヌードと聞いて、カップ麺が一番に浮かぶタイプには 一応ちゃんと言っとかないとな。お前、困ってるなら…とか、義理人情とか漢気みたいなので 脱ぎそうだし…」
「そこまでせんよ~!」
「そう…?なら良いけど…」
「もぉ~、せんっちゃ~ッ! あ?先パイはっ?しとるんっ?」
「してねぇ。絶対しないって言ってる。ちゃんと」
「な~んだ。先パイくらい 超良い体ならな~?ちょっと 考えん事もねぇけど~。めっちゃお願いされたやろ~?骨格もバランス超良いしな~!」
「…お前…いいか?これは 折れたら負けだ。絶対、無理って切れよ?二十歳以上になったら、好きにしろ。そこまでは 知らねぇ。二十歳以上は自己責任だから」
「は~い!つーか、せんってばぁ~っ!」
「はぁー…俺は ちゃんと言ったからな?お兄さん達にも一報入れとけ…俺と神戸さんが潰されそうだから…」
「え~?は~い…でも 兄ちゃん達も姉ちゃん達も 裸以外は止めんけん大丈夫~」
「そう?ま、アートだしな?」
「うん。それに、男には 華がねぇとダメってさ?背中で語るだけじゃ、つまらんって」
「…それは…家訓?」
「家訓…というか…共通認識?的な…?」
「何それ…背中で語れるような男…は聞くけどな?こっちでも。お前の所では、それだけじゃ つまんねぇの?」
コイツは、「如何にもその通り」という顔をして、コクンと頷き 真っ直ぐ俺を見つめて 男らしい表情で ニコッとしてから、落ち着いた口調で
「男なら、そこに在るだけで、まるで花見をされるくらいに 人を惹きつける華が無いとつまらんって。そこまでに成ったら、人は勝手に自分を見つけて、向こうからやって来る。何十年経っても 自分に華があれば、裏切らずに付いて来るし、散るのを惜しんでくれる。見苦しく散ることは許されん。最期まで見事やったら、人は一生忘れない。ってさ?もちろん、女も同じやけどな?」
「ははっ…かっこ良すぎだろ…!見事というか 天晴れって言葉以外 思いつかねぇな…並大抵じゃねぇぞ?そんな男になるのは。具体的な指標も無いしな」
「それな~?姉ちゃん達に言わせると、すれ違いざまに振り返って、後ろ姿を目で追うくらいじゃダメ。その人の足の裏から 離れた影すら目で追って、歩いた場所に立ち尽くして、影のあった面影に縋るくらいになれば、仕上がりは上々ってさ?」
「はっ…ははっ…!お姉さん達も スゲェ男前だな~…!最強かよ…!」
「まぁ、一番強えかな~?兄ちゃん達は頭上がらんつーか、何つーの?シスコン?なんよな~ 近づく男は潰して来てさ~?姉ちゃん達に近づけるのは、俺とか親戚と小さい子だけなんすよね~」
「…お兄さん達は、お前より強いんだよな?」
「もちろんっすよッ!!比べもんにならんしッ!!つーか、姉ちゃん達もやけどッ!!生きとるうちには 絶対勝てんッ!!」
「そっか…お姉さん達が結婚とか…血の雨が降りそうだな…お前も駆り出されるんじゃねぇの…?」
「あ~、それは無いっすね~。あのメンバーなら、骨すら残らんし。それに、姉ちゃん達は 独身最高主義で結婚する気なんて、さらさら無しで~。それ聞いて 親戚一同、もちろん兄ちゃん達も、「よっしゃ!それでいいぞ!!」って祝宴開いたもん」
「はぁ?マジか?」
「うん!うちのじーちゃん達とか 嬉しすぎて一人で 一升瓶開けたしな~?ばーちゃん達は、「結婚なんかするもんじゃねぇ!よくぞ最高の選択をしてくれた!!」っち 泣いて喜び合いよったし~」
「は…お前も…その選択で良いわけ?お姉さん達の」
「ん?うん。姉ちゃん達が幸せなら、それが正解やし。それに結婚せんなら、今まで通り甘えて良いし~♪このパンも大好きやけど~秋になったらリンゴとか栗バージョンとかも送ってくれるって言うし~!結婚したら俺にまで手が回らんかもやん?俺も旦那さん居るのに、今までみたいにお願いしきらんし~!それなら今のままが最高~♪」
「…なるほど…口の周り付いてるぞ…何そのパン?」
「ん~どこ…?あ、黒糖シナモンロール、パイン入りで~す 夏は食べたくなるんすよね~♪…あれ?何の話しよったっけ?」
「何だったっけ…?もう…インパクト強すぎて……」
「あっ 花見花見!神戸さんに お願いしたいやつ~」
「え?花見の話だった…?違うだろ?」
「花見の時期に 出来たらお願いしたいな~って思って~ 全然無理にじゃなくて~」
「何を?」
「こっちは、人・人・人で 花見どころじゃ無かったし。寒いし、リラックス出来んし。花より人を見るのと同じで、混雑して嫌やったけんさ?地元じゃ、ただ散歩するだけで 花を独り占め出来たのに。どうせ人を見るんなら、最高に見事な花を咲かせてくれるやろ?神戸さん達なら?」
「…お前…それって…」
「花見湯は楽しいと思うけどな~?春休みやし、銭湯もOKならさ?人も集まるやろうし、ダメでもワークショップ用の方でも設備そのままなら、お湯出るんでしょ?アルコールはダメでも 水分補給は要るし~ノンアルでな?ワークショップの方なら水着OKで参加しやすそうやん?こっちは 友達と温泉とか風呂入り行く文化無いんでしょ?それに雨天決行OKやし」
「…お前…絶対、美大メンバーと気が合うわ…何?イベント運営とかしてた?」
「兄ちゃん姉ちゃん達がな?ボランティアとかで」
「なるほどな…」
「あんなに 綺麗で見事なのに散る前に…消える前に見らんと勿体無いし~。それは一期一会かもやけど、圧倒的に人目に触れる機会が僅かしか無いけんな~惜しい気ぃする」
「それは…俺らも思ってたけど…」
「知り合いばっかりでリラックスで良いやん?写真禁止の日とかルール作って、身内とそれ以外の日にすればさ?年齢・性別も分けていいし?花を咲かせたい人は多いと思うし。あんなに綺麗ならな~」
「なるほどな?」
「俺は水着持って無いし、普通の銭湯にしか入らんけどさ~写真もSNSもせんし~」
「お前…じゃ何で提案したんだよ?」
「そうせんと、先パイ一緒に行ってくれんでしょ?準備ついでに銭湯に。朝一でさ?そんでもって、この花見は一人じゃ出来んし」
「一人で出来…あ」
「鏡の前とかで入るんなら、一人で花見は出来るけど~自分の花だけなら~。でも、普通の銭湯じゃ2人以上で入らんと花見出来んし」
「……」
「な?あの時しくったけんさ?風呂上がりのコーヒー牛乳 一緒に飲みたかったのに~!それに、俺の地元の感覚なら、家族とか友達とか仲の良いメンバーと どっか遊びに行った帰りに温泉入って帰るのが定番でもあるし~」
「…俺に最初 コーヒー牛乳奢らせたろ…」
「だ~か~ら~!今度は俺が奢ります!はじめの予定通りに!桜餅も付ける!」
「…それさ…お兄さん達に言った?」
「えっ?何で 分かるんですかっ?先パイが遊びに全然来んって言ったけど…」
「あ~~…もう…勝てる気がしねぇ……」
「え?何に?」
「二十歳までヌードはしないように、って ちゃんと俺が言ったって お兄さん達に言っとけよ…?」
「?うん?」
「はぁ…花見するか…」
「えっ?ホントに~っ?やったぁ~♪」
「手伝えよ?決まったら」
「うん!」
「ちなみに…お兄さん達から 何て言われた…?」
「え?あ~ えっと~…基本やな?」
「基本?」
「逃さず、守り抜くには、必要な分の外堀を埋めろ、不要な退路は断て、味方にも敵にも機会を与えるな、使えるものは上手に使え…くらいしか 言われてないけど?」
「…それで動けるお前が凄いな…?どんな訓練受けたんだよ…?」
「え?そう?だって 二度目は失敗出来んでしょ?サンタさんは 兄ちゃん無理やったけど~、先パイみたいな兄ちゃん欲しかったし~!めっちゃ嬉しいも~ん♪」
「………」
「へへへ~~♪♫」
…もう…勝てる気が全くしねぇ…
この未知の生物だけでも、手に余って…持て余してんのに…
最強の助っ人が6…?人付くとか…一体どうなってんの…???
つーか…心理学者でも無さそうだし…一体…クソ…そっちも気になり始めたし…
見事に罠に嵌った感が凄い…けど…不思議と…腹が立たないのが…不思議…というか…
自分よりも 完全に上手だからかな…?
遥か高みの人物だからか…?
あれ?そう言えば…コイツ…前の方も見たって…
え…俺…顔…前髪どうしてたんだっけ…?
神戸さんも白石君も居なくて…完全に隠しては 無かったっけ…?
朝一の銭湯で…若い人居ないから…って思って…前髪…あ…そこら辺…記憶無いな…。
コイツ…俺の顔 見た…?でも…コイツなら…大丈夫か…
SNSしないし…さっきも顔には…それに、ボディーペイントしてるのだって…身内にも、知ってるかどうかの確認した後だったし…。
身内以外が聞いても ピンと来ないような話し方したしな…?
…体については サラッと言ったけど…まぁ…悪気は無いんだし?
…俺も、高校からデッサンのモデルしてて…変に慣れてるしな…
体がどうの、骨格が、筋肉が、ラインが…とか…
いつも美大メンバーのハイテンション聞いてるから、コイツの方が落ち着いてて、まともに聞こえる始末だし…。
まぁ、いいか。コイツには顔を見られてても。
さっきから「守る」とか連発してるけど…俺の顔が…過去の騒動が明るみになる時…が もし来れば…
見ものだな?どれくらいの度量があるか…
コイツは予想出来ないから 面白いかも…側で観察しとくのも良いかもな…
「その時」が来たら…どんな感じかを…。
お前が、口ばっかで 男の風上にも置けなかったら、お兄さん達に一筆書いて熨斗《のし》付けて送り返してやるからな?
覚悟しとけよ?
それまでは、不本意ながら 東京(こっち)で「先輩」しといてやらん事も無いけどな?
「そお?あ、今度 神戸さんが居る時に 先パイの所に行きたいんですけど~」
「…ああ…シフト見とく…」
「お願いしま~す♪神戸さんに言ったら見せてくれるんですか?朝顔と夜顔のやつ」
「…あー…たぶん…?」
「やった~!楽しみ~♪」
「お前…本は?」
「本も、気になるのが いくつかあって~図書館に有るか無いかを チェックし終わったんです~」
「あ…そう…」
「うん!先パイ、俺も 神戸さんに頼んだら してもらえるんすかね?やっぱ、めっちゃカッケーんですけど~ッ!!」
「あ~ 本人に聞いてみて…あ…」
「ん?何かあります?」
「お前、ヌードは断れよ?いいな?」
「ぬーど?ぬーど…っち…?」
「今…カップ麺が浮かんでねぇ?」
「えっ?何で分かるんですかッ⁈スゲェ!先パイ!」
「顔に書いてあるんだよ…ハァ、いいか?美大の人は 画力向上のために 裸でモデルしてくれる人を探してるから、神戸さん達は 二十歳未満には お願いしてないけど、他の人に頼まれても断れよ?いいな?」
「あ~!ヌードっち裸か~聞いた事あるな~っと思った~!つーか、しませんよ~!」
「いいや、ヌードと聞いて、カップ麺が一番に浮かぶタイプには 一応ちゃんと言っとかないとな。お前、困ってるなら…とか、義理人情とか漢気みたいなので 脱ぎそうだし…」
「そこまでせんよ~!」
「そう…?なら良いけど…」
「もぉ~、せんっちゃ~ッ! あ?先パイはっ?しとるんっ?」
「してねぇ。絶対しないって言ってる。ちゃんと」
「な~んだ。先パイくらい 超良い体ならな~?ちょっと 考えん事もねぇけど~。めっちゃお願いされたやろ~?骨格もバランス超良いしな~!」
「…お前…いいか?これは 折れたら負けだ。絶対、無理って切れよ?二十歳以上になったら、好きにしろ。そこまでは 知らねぇ。二十歳以上は自己責任だから」
「は~い!つーか、せんってばぁ~っ!」
「はぁー…俺は ちゃんと言ったからな?お兄さん達にも一報入れとけ…俺と神戸さんが潰されそうだから…」
「え~?は~い…でも 兄ちゃん達も姉ちゃん達も 裸以外は止めんけん大丈夫~」
「そう?ま、アートだしな?」
「うん。それに、男には 華がねぇとダメってさ?背中で語るだけじゃ、つまらんって」
「…それは…家訓?」
「家訓…というか…共通認識?的な…?」
「何それ…背中で語れるような男…は聞くけどな?こっちでも。お前の所では、それだけじゃ つまんねぇの?」
コイツは、「如何にもその通り」という顔をして、コクンと頷き 真っ直ぐ俺を見つめて 男らしい表情で ニコッとしてから、落ち着いた口調で
「男なら、そこに在るだけで、まるで花見をされるくらいに 人を惹きつける華が無いとつまらんって。そこまでに成ったら、人は勝手に自分を見つけて、向こうからやって来る。何十年経っても 自分に華があれば、裏切らずに付いて来るし、散るのを惜しんでくれる。見苦しく散ることは許されん。最期まで見事やったら、人は一生忘れない。ってさ?もちろん、女も同じやけどな?」
「ははっ…かっこ良すぎだろ…!見事というか 天晴れって言葉以外 思いつかねぇな…並大抵じゃねぇぞ?そんな男になるのは。具体的な指標も無いしな」
「それな~?姉ちゃん達に言わせると、すれ違いざまに振り返って、後ろ姿を目で追うくらいじゃダメ。その人の足の裏から 離れた影すら目で追って、歩いた場所に立ち尽くして、影のあった面影に縋るくらいになれば、仕上がりは上々ってさ?」
「はっ…ははっ…!お姉さん達も スゲェ男前だな~…!最強かよ…!」
「まぁ、一番強えかな~?兄ちゃん達は頭上がらんつーか、何つーの?シスコン?なんよな~ 近づく男は潰して来てさ~?姉ちゃん達に近づけるのは、俺とか親戚と小さい子だけなんすよね~」
「…お兄さん達は、お前より強いんだよな?」
「もちろんっすよッ!!比べもんにならんしッ!!つーか、姉ちゃん達もやけどッ!!生きとるうちには 絶対勝てんッ!!」
「そっか…お姉さん達が結婚とか…血の雨が降りそうだな…お前も駆り出されるんじゃねぇの…?」
「あ~、それは無いっすね~。あのメンバーなら、骨すら残らんし。それに、姉ちゃん達は 独身最高主義で結婚する気なんて、さらさら無しで~。それ聞いて 親戚一同、もちろん兄ちゃん達も、「よっしゃ!それでいいぞ!!」って祝宴開いたもん」
「はぁ?マジか?」
「うん!うちのじーちゃん達とか 嬉しすぎて一人で 一升瓶開けたしな~?ばーちゃん達は、「結婚なんかするもんじゃねぇ!よくぞ最高の選択をしてくれた!!」っち 泣いて喜び合いよったし~」
「は…お前も…その選択で良いわけ?お姉さん達の」
「ん?うん。姉ちゃん達が幸せなら、それが正解やし。それに結婚せんなら、今まで通り甘えて良いし~♪このパンも大好きやけど~秋になったらリンゴとか栗バージョンとかも送ってくれるって言うし~!結婚したら俺にまで手が回らんかもやん?俺も旦那さん居るのに、今までみたいにお願いしきらんし~!それなら今のままが最高~♪」
「…なるほど…口の周り付いてるぞ…何そのパン?」
「ん~どこ…?あ、黒糖シナモンロール、パイン入りで~す 夏は食べたくなるんすよね~♪…あれ?何の話しよったっけ?」
「何だったっけ…?もう…インパクト強すぎて……」
「あっ 花見花見!神戸さんに お願いしたいやつ~」
「え?花見の話だった…?違うだろ?」
「花見の時期に 出来たらお願いしたいな~って思って~ 全然無理にじゃなくて~」
「何を?」
「こっちは、人・人・人で 花見どころじゃ無かったし。寒いし、リラックス出来んし。花より人を見るのと同じで、混雑して嫌やったけんさ?地元じゃ、ただ散歩するだけで 花を独り占め出来たのに。どうせ人を見るんなら、最高に見事な花を咲かせてくれるやろ?神戸さん達なら?」
「…お前…それって…」
「花見湯は楽しいと思うけどな~?春休みやし、銭湯もOKならさ?人も集まるやろうし、ダメでもワークショップ用の方でも設備そのままなら、お湯出るんでしょ?アルコールはダメでも 水分補給は要るし~ノンアルでな?ワークショップの方なら水着OKで参加しやすそうやん?こっちは 友達と温泉とか風呂入り行く文化無いんでしょ?それに雨天決行OKやし」
「…お前…絶対、美大メンバーと気が合うわ…何?イベント運営とかしてた?」
「兄ちゃん姉ちゃん達がな?ボランティアとかで」
「なるほどな…」
「あんなに 綺麗で見事なのに散る前に…消える前に見らんと勿体無いし~。それは一期一会かもやけど、圧倒的に人目に触れる機会が僅かしか無いけんな~惜しい気ぃする」
「それは…俺らも思ってたけど…」
「知り合いばっかりでリラックスで良いやん?写真禁止の日とかルール作って、身内とそれ以外の日にすればさ?年齢・性別も分けていいし?花を咲かせたい人は多いと思うし。あんなに綺麗ならな~」
「なるほどな?」
「俺は水着持って無いし、普通の銭湯にしか入らんけどさ~写真もSNSもせんし~」
「お前…じゃ何で提案したんだよ?」
「そうせんと、先パイ一緒に行ってくれんでしょ?準備ついでに銭湯に。朝一でさ?そんでもって、この花見は一人じゃ出来んし」
「一人で出来…あ」
「鏡の前とかで入るんなら、一人で花見は出来るけど~自分の花だけなら~。でも、普通の銭湯じゃ2人以上で入らんと花見出来んし」
「……」
「な?あの時しくったけんさ?風呂上がりのコーヒー牛乳 一緒に飲みたかったのに~!それに、俺の地元の感覚なら、家族とか友達とか仲の良いメンバーと どっか遊びに行った帰りに温泉入って帰るのが定番でもあるし~」
「…俺に最初 コーヒー牛乳奢らせたろ…」
「だ~か~ら~!今度は俺が奢ります!はじめの予定通りに!桜餅も付ける!」
「…それさ…お兄さん達に言った?」
「えっ?何で 分かるんですかっ?先パイが遊びに全然来んって言ったけど…」
「あ~~…もう…勝てる気がしねぇ……」
「え?何に?」
「二十歳までヌードはしないように、って ちゃんと俺が言ったって お兄さん達に言っとけよ…?」
「?うん?」
「はぁ…花見するか…」
「えっ?ホントに~っ?やったぁ~♪」
「手伝えよ?決まったら」
「うん!」
「ちなみに…お兄さん達から 何て言われた…?」
「え?あ~ えっと~…基本やな?」
「基本?」
「逃さず、守り抜くには、必要な分の外堀を埋めろ、不要な退路は断て、味方にも敵にも機会を与えるな、使えるものは上手に使え…くらいしか 言われてないけど?」
「…それで動けるお前が凄いな…?どんな訓練受けたんだよ…?」
「え?そう?だって 二度目は失敗出来んでしょ?サンタさんは 兄ちゃん無理やったけど~、先パイみたいな兄ちゃん欲しかったし~!めっちゃ嬉しいも~ん♪」
「………」
「へへへ~~♪♫」
…もう…勝てる気が全くしねぇ…
この未知の生物だけでも、手に余って…持て余してんのに…
最強の助っ人が6…?人付くとか…一体どうなってんの…???
つーか…心理学者でも無さそうだし…一体…クソ…そっちも気になり始めたし…
見事に罠に嵌った感が凄い…けど…不思議と…腹が立たないのが…不思議…というか…
自分よりも 完全に上手だからかな…?
遥か高みの人物だからか…?
あれ?そう言えば…コイツ…前の方も見たって…
え…俺…顔…前髪どうしてたんだっけ…?
神戸さんも白石君も居なくて…完全に隠しては 無かったっけ…?
朝一の銭湯で…若い人居ないから…って思って…前髪…あ…そこら辺…記憶無いな…。
コイツ…俺の顔 見た…?でも…コイツなら…大丈夫か…
SNSしないし…さっきも顔には…それに、ボディーペイントしてるのだって…身内にも、知ってるかどうかの確認した後だったし…。
身内以外が聞いても ピンと来ないような話し方したしな…?
…体については サラッと言ったけど…まぁ…悪気は無いんだし?
…俺も、高校からデッサンのモデルしてて…変に慣れてるしな…
体がどうの、骨格が、筋肉が、ラインが…とか…
いつも美大メンバーのハイテンション聞いてるから、コイツの方が落ち着いてて、まともに聞こえる始末だし…。
まぁ、いいか。コイツには顔を見られてても。
さっきから「守る」とか連発してるけど…俺の顔が…過去の騒動が明るみになる時…が もし来れば…
見ものだな?どれくらいの度量があるか…
コイツは予想出来ないから 面白いかも…側で観察しとくのも良いかもな…
「その時」が来たら…どんな感じかを…。
お前が、口ばっかで 男の風上にも置けなかったら、お兄さん達に一筆書いて熨斗《のし》付けて送り返してやるからな?
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