先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第66話 無自覚⑥

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「朝日君は興味無いかもだけどさ~?嵯峨君は飲み会とかで女の子達いるの好きかもじゃ~ん?」

「大好きな お兄ちゃんと一緒なら来る~?」

「行きません。先パイも行きません」

「何で~?そんなにベッタリじゃ、嵯峨君 彼女出来ないじゃ~ん?」

「ねぇ?嵯峨君?」

「…どちら様ですか?」

「アッハッハッハッ!覚えてないか~!そりゃそうか~!」

「お前 覚えられてないじゃんっ?」

「ダッサ~ッ!」

マズイ。完璧に俺の事 知ってる…?
ここは慎重に…

「先パイ 知り合い?」

おおぉ~~~いぃィ……お前ぇ~~…!!ハァ…もう…しょうがねぇ…

「いや?全然」

「あ~やっぱ?先パイ 飲み会行きたい?」

「全然」

「聞こえました?そうゆう事なんで、じゃ」

「ちょっと!ちょっと!待ってよ~っ!!ねぇ、嵯峨君~♡嵯峨君と飲みたい女の子いっぱい いるしさ~?来てよ~朝日君と~♡」

「…意味が分かりません。人違いです」

「またまた~♪モテるでしょ~!今まで、どれだけ泣かして来たのかな~?」

「星の数ほど?じゃなかったっけ~?ハハハッ!」

完全に黒。というか、検証系?迷惑なクソ共か…

懐かしいな…出来れば 二度と関わりたく無かったけど…。

スマホは撮影中…?録音のみ…?チッ…

という事は…この特等席を準備して、その周りに陣取ってる連中は、俺の事 知ってる…よな?

へぇ~?やってくれるじゃん?
コイツらまで巻き込んで…狙いは?何だ?

ただ、面白いネタ無くて暇つぶし?

また、長くバズる可能性のあるコンテンツが欲しい?

取りあえず…鎌を掛けてみるか?
敵は本能寺にあり…かもだし…?

正直、この連中は 頭良さそうには見えない。下調べの下っ端か、単独犯か…

「さっきから、先パイに何なんすか?」

おいぃぃィ~~~!!!お前ぇ~~~…!!!敵は「身内」に有りだよ!!さっきからッ…!全くッ!!

もおぉお~~~…!!!そして!!ピリつくのはっ いいけど!絶対手ェ出すなよ…ッ⁈

ハァ…伊波先輩どこですか…??武力系は止められる自信 無いんだけど…。

「ん~?お兄ちゃんが モテるの知らないの~?お兄ちゃん来れば、女の子いっぱい来るだろうし~、朝日君も来てくれたら、もっと 女の子いっぱいで嬉しいんだけどな~?2人一緒に来てくれな~い?」

「嫌です。先パイも行きたく無いって言っとんのが聞こえんかった?」

「フフッ 女には飽きた~?男にしたの~?嵯峨君~?あれだけ、泣かして来たら…女にも飽きるか~?」

「今は、カワイイ男の子が良いんだ?ハハハ お前ら全然、どっちにも脈なしじゃんか~ウケる~♪」

「朝日君の好みはパーフェクト美女、嵯峨君はカワイイ男の子ってさ~!アッハッハッハッ~!」

「うっさい!あたしらだってねぇ~っ!」

「つーか、朝日君が恋愛対象が女なら 嵯峨君とは付き合わないでしょっ?」

「分かってないな~ 嵯峨君をさ~?ね~?」

好き勝手な事 言ってるけど、女達より 男達のが俺の事 詳しそう…でも無いけど

昔の俺に勝手に、逆恨みの「お礼参り」したい連中と繋がってるのは…こっちの方か?

今は適当な事 言って、俺が怒って 取り乱したりするのを待ってるな?

せっかく来たんだから、撮れ高と、ご本人様確認が必要だろうし。どうするかな…

「知っとるけど?先パイがクソいい男なんは」

お前さ…どっちの味方⁈俺が考えてる間に…!

いや、打ち合わせ ゼロだからな…しょうがないけどさァ…!

ケンカになる前には止めるとして…止められるのか…?

伊波先輩…じゃなくても、柔道部達になら…コイツを抑え込めるか?

…ん?あれ…?今 何か…引っかかって…「柔道部達」に…?

何だろう…この違和感…コイツ絡まれるのとか…柔道部達絡みが多くないか…?

や、とにかく今は目の前の状況に集中だな。

何たって、一番読めないコイツが話してるし…でも…

「あれ~っ⁈知ってたの~っ⁈あ、じゃ やっぱ そうなんだっ?嵯峨君…」

「さっきから、何を ガタガタ言いよんか知らんけど。先パイは、そんな事しねぇし、そんな飲み会にも行かねぇから」

「ふ~ん?何でそんな事分かるの~?嵯峨君の過去知らないから~?」

「過去?どころか 連絡先も知らんし、昼間に ここで一緒に飯食って話すだけやし」

「へっ⁈嘘っ?連絡先も知らねぇのっ⁈」

「じゃあ、何で そんな事 言えるワケ~?ウケるんですけど~!」

「俺が「これぞ」って思った程のいい男やけん?」

「!…お前な…」

「男には「華」が無いと つまらんけんなァ~、そりゃ 勝手に惚れて泣く人間も多いし、いちいち全部に構うのは無理って。いい男なら その分 泣かせる人間は勝手に多くなるし、そこは もう どうしようも無ぇやろ?大昔からそうやん。意図的に泣かせるのは クソのやる事やけど、先パイはそんな事はしねぇからなァ~」

「……!」

「…へ~…じゃあ、嵯峨君が泣かせて来たのは しょうがないって?」

「ま~…ハハッ 勝手に惚れて泣かれてもな~?そりゃ、分かるけど~確かに~?」

「でも、それとこれとは…飲み会 来ないとかは関係なくない?何で アンタが決めるワケ?」

「大アリやろ?向こうから勝手に惚れて自分の所に来る人間が多いに、何でそんな飲み会とか わざわざ行くわけ?それも、好みのタイプが居らんのに。類は友を呼ぶって言うし、アンタらの飲み会のメンバーは好みじゃねぇって。先パイも、うちの姉ちゃん達みたいなのがタイプってさ?」

「なっ…テメェ…!!」

「ちなみに、俺も目と耳良いけんさ?先パイ見つけた時みたいに「これ」と思ったら、自分で走って行って、必ず逃がさねぇから?自分で見つけるけん、飲み会とか行かねぇ」

…コイツって…やっぱスゲェ強力…。

面白過ぎるし、全くもって、その通り!!

シンプルで…そう、それで良いんだよな…?ふふ…ふふふっ…

「ふふっ…正に その通りだな。行かねぇよ、そんな飲み会」

「やろ~?ほらな~?言ったやん?」

「ああ、お前の言う通りだ。好みのタイプどころか、嫌いなタイプしかいないだろうからな?」

「へぇ…じゃ、嵯峨君が好きなタイプと嫌いなタイプって どんなか教えてよ」

「好みのタイプは さっきコイツから聞いただろ?嫌いなタイプは…嘘をついて他人に迷惑かけるタイプとか…だな。例えば、面白半分に人の生活壊す様な、絡まれるって嘘ついて、善意を利用して近づく様な…クソみたいなタイプは 反吐が出るほど嫌いだな」

「なッ…!!!」

「随分言うじゃん?証拠はあんの?」

「何の事?俺は質問された「嫌いなタイプ」しか言って無いけど?」

「っつ……!!」

やっぱ、すぐ反応するし、墓穴掘る。
下っ端でも こんなん使うやつは、たかが知れるか…?

「え?それって、嘘 やったってこと…?」

「さあな?お前も気をつけろよ?世の中 善意を利用して 私利私欲ばっかの人間は腐るほど多いからな。迷惑かけても良いって、自分のためならって思ってるのが山ほど いるから。特に迷惑系とか検証系の配信者は…な?」

「…例えば?」

「例えば…さっき言ったけど、嘘ついて助けてくれるか、くれないか。落とした財布拾うか…とかが多いけど、お前みたいに「絡まれてて」ってパターンは 美人局とかも多いからな?特に注意しとかねぇと。「助けて」って言われて 助けたのに、「彼氏に怪我させられた」、「彼女に手を出された」とかで被害者ぶって、金を要求されたりとかな?色々ある…」

「えー…東京やっぱ治安 悪…」

「だろ?気をつけろよ」

「おいおい!さっきから結構言うじゃん?」

「あたし達が わざとって 言ってるワケっ⁈」

「俺、コイツと話してるだけだし?アンタらには一言も言って無いけど、何?」

「先パイは アンタら見ても無いし?何なん?つーか、わざと?」

「いやっ…あの時はホントに!」

「お前、交番連れてってやったんだろ?」

「うん。けど、ここまで来たら大丈夫って…言った人…だっけ??そう言えば…交番 行かんかったのが 何人かおるな?」

「叩けば埃が出るからな、誰でも…特に別の目的があればな」

「ちょっと…!あたし達を疑ってんのッ⁈」

「侮辱罪ってやつじゃね~?嵯峨君~?ヒドイじゃ~ん?」

「出るとこ出ていいんだけど~?」

カフェテリア中の空気が ガラッと変わったけど

いやいや、特別ステージまで準備して2限サボって

他校からも来て、特等席に座ってる連中が招き入れたんだろ?

今更アホなの?

俺らの事 晒して遊ぼうと思ってたら、予想よりヤバそうだったか?

一番ヤバいのは、コイツがキレた時だ…全く…ほら、スイッチ入…

「あ? おい、コラ…」

「お前は黙ってろ。話がややこしくなる」

「え~っ?だって~!先パイが~っ!」

「だって じゃない。黙ってろ。大体、俺らの話に勝手に入って来て ケチつけてるの、そっちだろ?俺らはアンタらに聞かれた事しか答えて無いし、今もコイツに よくある話をしてたのに、何で そんなに喰い付くわけ?一言もアンタらの事なんて言っても無いし、アンタらの方見ても無いし?コイツも、交番 行かなかったの何人かいるなって言ってんのに。何?アンタらも交番行か無かったわけ?それこそ、何で?本当に危なかったんだろ?」

「それはっ…!!だから…!お巡りさんに迷惑かと…個人的な事でさっ?」

「何言ってんの?そのために交番あるんだろ?落とし物から事件事故まで対応してくれるのに?何で 見ず知らずのコイツには危ない思いさせて 迷惑かけて良いと思ってんの?初対面のコイツに個人的な事を…おかしいだろ?」

「お前が!「叩けば埃が出る」とか言うからだろッ⁈ だから!こっちも怒ってんだよッ!!謝れやッ!!!」

「論点ずらすなよ。何 怒ってんのか知らねぇけど「叩けば埃が出る」は思ってる様な言葉じゃねぇし。警察のドラマとか見過ぎじゃね?今、例文調べてみたら?」

元々だけど…ボロが出まくりだな…アホ。

片付けるか、コイツがキレる前に。

「調べたら?全員スマホ持ってるだろ?」

「あ…」

「出来ないよな?せっかく良い位置でセットしてんのに。全員、録画か録音中?」

「なっ…」

「気付いて無いとでも? さっきの侮辱罪っての、そっくりそのまま返す。アンタらこそ、俺に謂れのない侮辱だろ?俺は さっき言われた様な事は 一切して無いし、過去が何?今 ここで、公共の場で言う事か?不特定多数の前で。それに、迷惑防止条例違反だろうな?盗撮に、スカウト、粗暴な言動、付き纏い、虚偽、名誉毀損…ほぼ全てクリアだな?こんだけ条件満たしてんのも中々 無いけど?計画的だしな?」

「なっ…!スカウトしてねぇだろッ!つきまといもッ!」

「じゃ、スカウトは言い方変えて「ハラスメント」にするわ。俺らが「行かない」って何回 断った?それに、コイツが何回「帰れ」って言った?帰れって言っても、付き纏ってんだろ?迷惑なんだよ。俺らは。言っとくけど、ここには防犯カメラもあるし?スマホ見せてもらおうか?盗撮だろ?」

「…~~~ッツ!!こんなんっ!誰でも やってんだろッ⁈何回もやられた事あんだろッ⁈」

「だからって、アンタらが して良いわけでも無いし、して許されるわけでも無いけどな? どうする?出るとこ出なくても、俺が勝つけど?」

「消すッ!消すからッ!!」

「ゴメンってばッ!!」

「何の目的でコイツに近づいた?」

「別に…偶然だけど?顔良いし…」

「偶然じゃないだろ?ボロが出てんのに…ま、俺が調べた方が早いか」

「ちょっとッ!調べるって何ッ⁈」

「言う義理ない。信用出来ない奴には。こんだけ、休講のスケジュールとか調べて計画性あるしな?何人引っかかるか見ものだけど。郵送で来る封筒にはチェック入れといた方が良いって事だけ、アドバイスしとこうか?」

「ッちょ!待って!ってばッ!!消すからッ!!!」

「その言葉ほど…信用して無いのも ないけど、俺とコイツらに手ェ出したら、どうなるか だけ 分かってればいい。思ってるより甘くは無いからな?檻の中は嫌だろ?アンタら、成人済みっぽいし?」

「~~~ッ消すッ!!消しますッ!!!」

「あんま 人を舐めた真似すんなよ?今日、ここに至るまで手引きしたのは誰?」

「あ…」

「言え無いなら、もう不要。二度と俺らには関わるな。帰って」

「…分かった…」

カフェテリア中が シーンと静まり返って、重く緊張した空気に満ちてる。

そりゃ そうか?というか、ここに居る大多数が知ってた事だろうに。

でも、あの連中の本性というか、こんな奴らとか知らなかったか?

SNSとかでは、どんなキャラ設定なんだろうな?

おそらく、迷惑な配信してるんだろうけど…

本職…では無いな?あんな詰めが甘くてボロ出すのは…

下っ端、鉄砲玉…?半グレ…でも無さそうだし、あんな根性なら やって行けないだろうし…?

やっぱ配信者か…?
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