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第66話 無自覚⑥
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「朝日君は興味無いかもだけどさ~?嵯峨君は飲み会とかで女の子達いるの好きかもじゃ~ん?」
「大好きな お兄ちゃんと一緒なら来る~?」
「行きません。先パイも行きません」
「何で~?そんなにベッタリじゃ、嵯峨君 彼女出来ないじゃ~ん?」
「ねぇ?嵯峨君?」
「…どちら様ですか?」
「アッハッハッハッ!覚えてないか~!そりゃそうか~!」
「お前 覚えられてないじゃんっ?」
「ダッサ~ッ!」
マズイ。完璧に俺の事 知ってる…?
ここは慎重に…
「先パイ 知り合い?」
おおぉ~~~いぃィ……お前ぇ~~…!!ハァ…もう…しょうがねぇ…
「いや?全然」
「あ~やっぱ?先パイ 飲み会行きたい?」
「全然」
「聞こえました?そうゆう事なんで、じゃ」
「ちょっと!ちょっと!待ってよ~っ!!ねぇ、嵯峨君~♡嵯峨君と飲みたい女の子いっぱい いるしさ~?来てよ~朝日君と~♡」
「…意味が分かりません。人違いです」
「またまた~♪モテるでしょ~!今まで、どれだけ泣かして来たのかな~?」
「星の数ほど?じゃなかったっけ~?ハハハッ!」
完全に黒。というか、検証系?迷惑なクソ共か…
懐かしいな…出来れば 二度と関わりたく無かったけど…。
スマホは撮影中…?録音のみ…?チッ…
という事は…この特等席を準備して、その周りに陣取ってる連中は、俺の事 知ってる…よな?
へぇ~?やってくれるじゃん?
コイツらまで巻き込んで…狙いは?何だ?
ただ、面白いネタ無くて暇つぶし?
また、長くバズる可能性のあるコンテンツが欲しい?
取りあえず…鎌を掛けてみるか?
敵は本能寺にあり…かもだし…?
正直、この連中は 頭良さそうには見えない。下調べの下っ端か、単独犯か…
「さっきから、先パイに何なんすか?」
おいぃぃィ~~~!!!お前ぇ~~~…!!!敵は「身内」に有りだよ!!さっきからッ…!全くッ!!
もおぉお~~~…!!!そして!!ピリつくのはっ いいけど!絶対手ェ出すなよ…ッ⁈
ハァ…伊波先輩どこですか…??武力系は止められる自信 無いんだけど…。
「ん~?お兄ちゃんが モテるの知らないの~?お兄ちゃん来れば、女の子いっぱい来るだろうし~、朝日君も来てくれたら、もっと 女の子いっぱいで嬉しいんだけどな~?2人一緒に来てくれな~い?」
「嫌です。先パイも行きたく無いって言っとんのが聞こえんかった?」
「フフッ 女には飽きた~?男にしたの~?嵯峨君~?あれだけ、泣かして来たら…女にも飽きるか~?」
「今は、カワイイ男の子が良いんだ?ハハハ お前ら全然、どっちにも脈なしじゃんか~ウケる~♪」
「朝日君の好みはパーフェクト美女、嵯峨君はカワイイ男の子ってさ~!アッハッハッハッ~!」
「うっさい!あたしらだってねぇ~っ!」
「つーか、朝日君が恋愛対象が女なら 嵯峨君とは付き合わないでしょっ?」
「分かってないな~ 嵯峨君をさ~?ね~?」
好き勝手な事 言ってるけど、女達より 男達のが俺の事 詳しそう…でも無いけど
昔の俺に勝手に、逆恨みの「お礼参り」したい連中と繋がってるのは…こっちの方か?
今は適当な事 言って、俺が怒って 取り乱したりするのを待ってるな?
せっかく来たんだから、撮れ高と、ご本人様確認が必要だろうし。どうするかな…
「知っとるけど?先パイがクソいい男なんは」
お前さ…どっちの味方⁈俺が考えてる間に…!
いや、打ち合わせ ゼロだからな…しょうがないけどさァ…!
ケンカになる前には止めるとして…止められるのか…?
伊波先輩…じゃなくても、柔道部達になら…コイツを抑え込めるか?
…ん?あれ…?今 何か…引っかかって…「柔道部達」に…?
何だろう…この違和感…コイツ絡まれるのとか…柔道部達絡みが多くないか…?
や、とにかく今は目の前の状況に集中だな。
何たって、一番読めないコイツが話してるし…でも…
「あれ~っ⁈知ってたの~っ⁈あ、じゃ やっぱ そうなんだっ?嵯峨君…」
「さっきから、何を ガタガタ言いよんか知らんけど。先パイは、そんな事しねぇし、そんな飲み会にも行かねぇから」
「ふ~ん?何でそんな事分かるの~?嵯峨君の過去知らないから~?」
「過去?どころか 連絡先も知らんし、昼間に ここで一緒に飯食って話すだけやし」
「へっ⁈嘘っ?連絡先も知らねぇのっ⁈」
「じゃあ、何で そんな事 言えるワケ~?ウケるんですけど~!」
「俺が「これぞ」って思った程のいい男やけん?」
「!…お前な…」
「男には「華」が無いと つまらんけんなァ~、そりゃ 勝手に惚れて泣く人間も多いし、いちいち全部に構うのは無理って。いい男なら その分 泣かせる人間は勝手に多くなるし、そこは もう どうしようも無ぇやろ?大昔からそうやん。意図的に泣かせるのは クソのやる事やけど、先パイはそんな事はしねぇからなァ~」
「……!」
「…へ~…じゃあ、嵯峨君が泣かせて来たのは しょうがないって?」
「ま~…ハハッ 勝手に惚れて泣かれてもな~?そりゃ、分かるけど~確かに~?」
「でも、それとこれとは…飲み会 来ないとかは関係なくない?何で アンタが決めるワケ?」
「大アリやろ?向こうから勝手に惚れて自分の所に来る人間が多いに、何でそんな飲み会とか わざわざ行くわけ?それも、好みのタイプが居らんのに。類は友を呼ぶって言うし、アンタらの飲み会のメンバーは好みじゃねぇって。先パイも、うちの姉ちゃん達みたいなのがタイプってさ?」
「なっ…テメェ…!!」
「ちなみに、俺も目と耳良いけんさ?先パイ見つけた時みたいに「これ」と思ったら、自分で走って行って、必ず逃がさねぇから?自分で見つけるけん、飲み会とか行かねぇ」
…コイツって…やっぱスゲェ強力…。
面白過ぎるし、全くもって、その通り!!
シンプルで…そう、それで良いんだよな…?ふふ…ふふふっ…
「ふふっ…正に その通りだな。行かねぇよ、そんな飲み会」
「やろ~?ほらな~?言ったやん?」
「ああ、お前の言う通りだ。好みのタイプどころか、嫌いなタイプしかいないだろうからな?」
「へぇ…じゃ、嵯峨君が好きなタイプと嫌いなタイプって どんなか教えてよ」
「好みのタイプは さっきコイツから聞いただろ?嫌いなタイプは…嘘をついて他人に迷惑かけるタイプとか…だな。例えば、面白半分に人の生活壊す様な、絡まれるって嘘ついて、善意を利用して近づく様な…クソみたいなタイプは 反吐が出るほど嫌いだな」
「なッ…!!!」
「随分言うじゃん?証拠はあんの?」
「何の事?俺は質問された「嫌いなタイプ」しか言って無いけど?」
「っつ……!!」
やっぱ、すぐ反応するし、墓穴掘る。
下っ端でも こんなん使うやつは、たかが知れるか…?
「え?それって、嘘 やったってこと…?」
「さあな?お前も気をつけろよ?世の中 善意を利用して 私利私欲ばっかの人間は腐るほど多いからな。迷惑かけても良いって、自分のためならって思ってるのが山ほど いるから。特に迷惑系とか検証系の配信者は…な?」
「…例えば?」
「例えば…さっき言ったけど、嘘ついて助けてくれるか、くれないか。落とした財布拾うか…とかが多いけど、お前みたいに「絡まれてて」ってパターンは 美人局とかも多いからな?特に注意しとかねぇと。「助けて」って言われて 助けたのに、「彼氏に怪我させられた」、「彼女に手を出された」とかで被害者ぶって、金を要求されたりとかな?色々ある…」
「えー…東京やっぱ治安 悪…」
「だろ?気をつけろよ」
「おいおい!さっきから結構言うじゃん?」
「あたし達が わざとって 言ってるワケっ⁈」
「俺、コイツと話してるだけだし?アンタらには一言も言って無いけど、何?」
「先パイは アンタら見ても無いし?何なん?つーか、わざと?」
「いやっ…あの時はホントに!」
「お前、交番連れてってやったんだろ?」
「うん。けど、ここまで来たら大丈夫って…言った人…だっけ??そう言えば…交番 行かんかったのが 何人かおるな?」
「叩けば埃が出るからな、誰でも…特に別の目的があればな」
「ちょっと…!あたし達を疑ってんのッ⁈」
「侮辱罪ってやつじゃね~?嵯峨君~?ヒドイじゃ~ん?」
「出るとこ出ていいんだけど~?」
カフェテリア中の空気が ガラッと変わったけど
いやいや、特別ステージまで準備して2限サボって
他校からも来て、特等席に座ってる連中が招き入れたんだろ?
今更アホなの?
俺らの事 晒して遊ぼうと思ってたら、予想よりヤバそうだったか?
一番ヤバいのは、コイツがキレた時だ…全く…ほら、スイッチ入…
「あ? おい、コラ…」
「お前は黙ってろ。話がややこしくなる」
「え~っ?だって~!先パイが~っ!」
「だって じゃない。黙ってろ。大体、俺らの話に勝手に入って来て ケチつけてるの、そっちだろ?俺らはアンタらに聞かれた事しか答えて無いし、今もコイツに よくある話をしてたのに、何で そんなに喰い付くわけ?一言もアンタらの事なんて言っても無いし、アンタらの方見ても無いし?コイツも、交番 行かなかったの何人かいるなって言ってんのに。何?アンタらも交番行か無かったわけ?それこそ、何で?本当に危なかったんだろ?」
「それはっ…!!だから…!お巡りさんに迷惑かと…個人的な事でさっ?」
「何言ってんの?そのために交番あるんだろ?落とし物から事件事故まで対応してくれるのに?何で 見ず知らずのコイツには危ない思いさせて 迷惑かけて良いと思ってんの?初対面のコイツに個人的な事を…おかしいだろ?」
「お前が!「叩けば埃が出る」とか言うからだろッ⁈ だから!こっちも怒ってんだよッ!!謝れやッ!!!」
「論点ずらすなよ。何 怒ってんのか知らねぇけど「叩けば埃が出る」は思ってる様な言葉じゃねぇし。警察のドラマとか見過ぎじゃね?今、例文調べてみたら?」
元々だけど…ボロが出まくりだな…アホ。
片付けるか、コイツがキレる前に。
「調べたら?全員スマホ持ってるだろ?」
「あ…」
「出来ないよな?せっかく良い位置でセットしてんのに。全員、録画か録音中?」
「なっ…」
「気付いて無いとでも? さっきの侮辱罪っての、そっくりそのまま返す。アンタらこそ、俺に謂れのない侮辱だろ?俺は さっき言われた様な事は 一切して無いし、過去が何?今 ここで、公共の場で言う事か?不特定多数の前で。それに、迷惑防止条例違反だろうな?盗撮に、スカウト、粗暴な言動、付き纏い、虚偽、名誉毀損…ほぼ全てクリアだな?こんだけ条件満たしてんのも中々 無いけど?計画的だしな?」
「なっ…!スカウトしてねぇだろッ!つきまといもッ!」
「じゃ、スカウトは言い方変えて「ハラスメント」にするわ。俺らが「行かない」って何回 断った?それに、コイツが何回「帰れ」って言った?帰れって言っても、付き纏ってんだろ?迷惑なんだよ。俺らは。言っとくけど、ここには防犯カメラもあるし?スマホ見せてもらおうか?盗撮だろ?」
「…~~~ッツ!!こんなんっ!誰でも やってんだろッ⁈何回もやられた事あんだろッ⁈」
「だからって、アンタらが して良いわけでも無いし、して許されるわけでも無いけどな? どうする?出るとこ出なくても、俺が勝つけど?」
「消すッ!消すからッ!!」
「ゴメンってばッ!!」
「何の目的でコイツに近づいた?」
「別に…偶然だけど?顔良いし…」
「偶然じゃないだろ?ボロが出てんのに…ま、俺が調べた方が早いか」
「ちょっとッ!調べるって何ッ⁈」
「言う義理ない。信用出来ない奴には。こんだけ、休講のスケジュールとか調べて計画性あるしな?何人引っかかるか見ものだけど。郵送で来る封筒にはチェック入れといた方が良いって事だけ、アドバイスしとこうか?」
「ッちょ!待って!ってばッ!!消すからッ!!!」
「その言葉ほど…信用して無いのも ないけど、俺とコイツらに手ェ出したら、どうなるか だけ 分かってればいい。思ってるより甘くは無いからな?檻の中は嫌だろ?アンタら、成人済みっぽいし?」
「~~~ッ消すッ!!消しますッ!!!」
「あんま 人を舐めた真似すんなよ?今日、ここに至るまで手引きしたのは誰?」
「あ…」
「言え無いなら、もう不要。二度と俺らには関わるな。帰って」
「…分かった…」
カフェテリア中が シーンと静まり返って、重く緊張した空気に満ちてる。
そりゃ そうか?というか、ここに居る大多数が知ってた事だろうに。
でも、あの連中の本性というか、こんな奴らとか知らなかったか?
SNSとかでは、どんなキャラ設定なんだろうな?
おそらく、迷惑な配信してるんだろうけど…
本職…では無いな?あんな詰めが甘くてボロ出すのは…
下っ端、鉄砲玉…?半グレ…でも無さそうだし、あんな根性なら やって行けないだろうし…?
やっぱ配信者か…?
「大好きな お兄ちゃんと一緒なら来る~?」
「行きません。先パイも行きません」
「何で~?そんなにベッタリじゃ、嵯峨君 彼女出来ないじゃ~ん?」
「ねぇ?嵯峨君?」
「…どちら様ですか?」
「アッハッハッハッ!覚えてないか~!そりゃそうか~!」
「お前 覚えられてないじゃんっ?」
「ダッサ~ッ!」
マズイ。完璧に俺の事 知ってる…?
ここは慎重に…
「先パイ 知り合い?」
おおぉ~~~いぃィ……お前ぇ~~…!!ハァ…もう…しょうがねぇ…
「いや?全然」
「あ~やっぱ?先パイ 飲み会行きたい?」
「全然」
「聞こえました?そうゆう事なんで、じゃ」
「ちょっと!ちょっと!待ってよ~っ!!ねぇ、嵯峨君~♡嵯峨君と飲みたい女の子いっぱい いるしさ~?来てよ~朝日君と~♡」
「…意味が分かりません。人違いです」
「またまた~♪モテるでしょ~!今まで、どれだけ泣かして来たのかな~?」
「星の数ほど?じゃなかったっけ~?ハハハッ!」
完全に黒。というか、検証系?迷惑なクソ共か…
懐かしいな…出来れば 二度と関わりたく無かったけど…。
スマホは撮影中…?録音のみ…?チッ…
という事は…この特等席を準備して、その周りに陣取ってる連中は、俺の事 知ってる…よな?
へぇ~?やってくれるじゃん?
コイツらまで巻き込んで…狙いは?何だ?
ただ、面白いネタ無くて暇つぶし?
また、長くバズる可能性のあるコンテンツが欲しい?
取りあえず…鎌を掛けてみるか?
敵は本能寺にあり…かもだし…?
正直、この連中は 頭良さそうには見えない。下調べの下っ端か、単独犯か…
「さっきから、先パイに何なんすか?」
おいぃぃィ~~~!!!お前ぇ~~~…!!!敵は「身内」に有りだよ!!さっきからッ…!全くッ!!
もおぉお~~~…!!!そして!!ピリつくのはっ いいけど!絶対手ェ出すなよ…ッ⁈
ハァ…伊波先輩どこですか…??武力系は止められる自信 無いんだけど…。
「ん~?お兄ちゃんが モテるの知らないの~?お兄ちゃん来れば、女の子いっぱい来るだろうし~、朝日君も来てくれたら、もっと 女の子いっぱいで嬉しいんだけどな~?2人一緒に来てくれな~い?」
「嫌です。先パイも行きたく無いって言っとんのが聞こえんかった?」
「フフッ 女には飽きた~?男にしたの~?嵯峨君~?あれだけ、泣かして来たら…女にも飽きるか~?」
「今は、カワイイ男の子が良いんだ?ハハハ お前ら全然、どっちにも脈なしじゃんか~ウケる~♪」
「朝日君の好みはパーフェクト美女、嵯峨君はカワイイ男の子ってさ~!アッハッハッハッ~!」
「うっさい!あたしらだってねぇ~っ!」
「つーか、朝日君が恋愛対象が女なら 嵯峨君とは付き合わないでしょっ?」
「分かってないな~ 嵯峨君をさ~?ね~?」
好き勝手な事 言ってるけど、女達より 男達のが俺の事 詳しそう…でも無いけど
昔の俺に勝手に、逆恨みの「お礼参り」したい連中と繋がってるのは…こっちの方か?
今は適当な事 言って、俺が怒って 取り乱したりするのを待ってるな?
せっかく来たんだから、撮れ高と、ご本人様確認が必要だろうし。どうするかな…
「知っとるけど?先パイがクソいい男なんは」
お前さ…どっちの味方⁈俺が考えてる間に…!
いや、打ち合わせ ゼロだからな…しょうがないけどさァ…!
ケンカになる前には止めるとして…止められるのか…?
伊波先輩…じゃなくても、柔道部達になら…コイツを抑え込めるか?
…ん?あれ…?今 何か…引っかかって…「柔道部達」に…?
何だろう…この違和感…コイツ絡まれるのとか…柔道部達絡みが多くないか…?
や、とにかく今は目の前の状況に集中だな。
何たって、一番読めないコイツが話してるし…でも…
「あれ~っ⁈知ってたの~っ⁈あ、じゃ やっぱ そうなんだっ?嵯峨君…」
「さっきから、何を ガタガタ言いよんか知らんけど。先パイは、そんな事しねぇし、そんな飲み会にも行かねぇから」
「ふ~ん?何でそんな事分かるの~?嵯峨君の過去知らないから~?」
「過去?どころか 連絡先も知らんし、昼間に ここで一緒に飯食って話すだけやし」
「へっ⁈嘘っ?連絡先も知らねぇのっ⁈」
「じゃあ、何で そんな事 言えるワケ~?ウケるんですけど~!」
「俺が「これぞ」って思った程のいい男やけん?」
「!…お前な…」
「男には「華」が無いと つまらんけんなァ~、そりゃ 勝手に惚れて泣く人間も多いし、いちいち全部に構うのは無理って。いい男なら その分 泣かせる人間は勝手に多くなるし、そこは もう どうしようも無ぇやろ?大昔からそうやん。意図的に泣かせるのは クソのやる事やけど、先パイはそんな事はしねぇからなァ~」
「……!」
「…へ~…じゃあ、嵯峨君が泣かせて来たのは しょうがないって?」
「ま~…ハハッ 勝手に惚れて泣かれてもな~?そりゃ、分かるけど~確かに~?」
「でも、それとこれとは…飲み会 来ないとかは関係なくない?何で アンタが決めるワケ?」
「大アリやろ?向こうから勝手に惚れて自分の所に来る人間が多いに、何でそんな飲み会とか わざわざ行くわけ?それも、好みのタイプが居らんのに。類は友を呼ぶって言うし、アンタらの飲み会のメンバーは好みじゃねぇって。先パイも、うちの姉ちゃん達みたいなのがタイプってさ?」
「なっ…テメェ…!!」
「ちなみに、俺も目と耳良いけんさ?先パイ見つけた時みたいに「これ」と思ったら、自分で走って行って、必ず逃がさねぇから?自分で見つけるけん、飲み会とか行かねぇ」
…コイツって…やっぱスゲェ強力…。
面白過ぎるし、全くもって、その通り!!
シンプルで…そう、それで良いんだよな…?ふふ…ふふふっ…
「ふふっ…正に その通りだな。行かねぇよ、そんな飲み会」
「やろ~?ほらな~?言ったやん?」
「ああ、お前の言う通りだ。好みのタイプどころか、嫌いなタイプしかいないだろうからな?」
「へぇ…じゃ、嵯峨君が好きなタイプと嫌いなタイプって どんなか教えてよ」
「好みのタイプは さっきコイツから聞いただろ?嫌いなタイプは…嘘をついて他人に迷惑かけるタイプとか…だな。例えば、面白半分に人の生活壊す様な、絡まれるって嘘ついて、善意を利用して近づく様な…クソみたいなタイプは 反吐が出るほど嫌いだな」
「なッ…!!!」
「随分言うじゃん?証拠はあんの?」
「何の事?俺は質問された「嫌いなタイプ」しか言って無いけど?」
「っつ……!!」
やっぱ、すぐ反応するし、墓穴掘る。
下っ端でも こんなん使うやつは、たかが知れるか…?
「え?それって、嘘 やったってこと…?」
「さあな?お前も気をつけろよ?世の中 善意を利用して 私利私欲ばっかの人間は腐るほど多いからな。迷惑かけても良いって、自分のためならって思ってるのが山ほど いるから。特に迷惑系とか検証系の配信者は…な?」
「…例えば?」
「例えば…さっき言ったけど、嘘ついて助けてくれるか、くれないか。落とした財布拾うか…とかが多いけど、お前みたいに「絡まれてて」ってパターンは 美人局とかも多いからな?特に注意しとかねぇと。「助けて」って言われて 助けたのに、「彼氏に怪我させられた」、「彼女に手を出された」とかで被害者ぶって、金を要求されたりとかな?色々ある…」
「えー…東京やっぱ治安 悪…」
「だろ?気をつけろよ」
「おいおい!さっきから結構言うじゃん?」
「あたし達が わざとって 言ってるワケっ⁈」
「俺、コイツと話してるだけだし?アンタらには一言も言って無いけど、何?」
「先パイは アンタら見ても無いし?何なん?つーか、わざと?」
「いやっ…あの時はホントに!」
「お前、交番連れてってやったんだろ?」
「うん。けど、ここまで来たら大丈夫って…言った人…だっけ??そう言えば…交番 行かんかったのが 何人かおるな?」
「叩けば埃が出るからな、誰でも…特に別の目的があればな」
「ちょっと…!あたし達を疑ってんのッ⁈」
「侮辱罪ってやつじゃね~?嵯峨君~?ヒドイじゃ~ん?」
「出るとこ出ていいんだけど~?」
カフェテリア中の空気が ガラッと変わったけど
いやいや、特別ステージまで準備して2限サボって
他校からも来て、特等席に座ってる連中が招き入れたんだろ?
今更アホなの?
俺らの事 晒して遊ぼうと思ってたら、予想よりヤバそうだったか?
一番ヤバいのは、コイツがキレた時だ…全く…ほら、スイッチ入…
「あ? おい、コラ…」
「お前は黙ってろ。話がややこしくなる」
「え~っ?だって~!先パイが~っ!」
「だって じゃない。黙ってろ。大体、俺らの話に勝手に入って来て ケチつけてるの、そっちだろ?俺らはアンタらに聞かれた事しか答えて無いし、今もコイツに よくある話をしてたのに、何で そんなに喰い付くわけ?一言もアンタらの事なんて言っても無いし、アンタらの方見ても無いし?コイツも、交番 行かなかったの何人かいるなって言ってんのに。何?アンタらも交番行か無かったわけ?それこそ、何で?本当に危なかったんだろ?」
「それはっ…!!だから…!お巡りさんに迷惑かと…個人的な事でさっ?」
「何言ってんの?そのために交番あるんだろ?落とし物から事件事故まで対応してくれるのに?何で 見ず知らずのコイツには危ない思いさせて 迷惑かけて良いと思ってんの?初対面のコイツに個人的な事を…おかしいだろ?」
「お前が!「叩けば埃が出る」とか言うからだろッ⁈ だから!こっちも怒ってんだよッ!!謝れやッ!!!」
「論点ずらすなよ。何 怒ってんのか知らねぇけど「叩けば埃が出る」は思ってる様な言葉じゃねぇし。警察のドラマとか見過ぎじゃね?今、例文調べてみたら?」
元々だけど…ボロが出まくりだな…アホ。
片付けるか、コイツがキレる前に。
「調べたら?全員スマホ持ってるだろ?」
「あ…」
「出来ないよな?せっかく良い位置でセットしてんのに。全員、録画か録音中?」
「なっ…」
「気付いて無いとでも? さっきの侮辱罪っての、そっくりそのまま返す。アンタらこそ、俺に謂れのない侮辱だろ?俺は さっき言われた様な事は 一切して無いし、過去が何?今 ここで、公共の場で言う事か?不特定多数の前で。それに、迷惑防止条例違反だろうな?盗撮に、スカウト、粗暴な言動、付き纏い、虚偽、名誉毀損…ほぼ全てクリアだな?こんだけ条件満たしてんのも中々 無いけど?計画的だしな?」
「なっ…!スカウトしてねぇだろッ!つきまといもッ!」
「じゃ、スカウトは言い方変えて「ハラスメント」にするわ。俺らが「行かない」って何回 断った?それに、コイツが何回「帰れ」って言った?帰れって言っても、付き纏ってんだろ?迷惑なんだよ。俺らは。言っとくけど、ここには防犯カメラもあるし?スマホ見せてもらおうか?盗撮だろ?」
「…~~~ッツ!!こんなんっ!誰でも やってんだろッ⁈何回もやられた事あんだろッ⁈」
「だからって、アンタらが して良いわけでも無いし、して許されるわけでも無いけどな? どうする?出るとこ出なくても、俺が勝つけど?」
「消すッ!消すからッ!!」
「ゴメンってばッ!!」
「何の目的でコイツに近づいた?」
「別に…偶然だけど?顔良いし…」
「偶然じゃないだろ?ボロが出てんのに…ま、俺が調べた方が早いか」
「ちょっとッ!調べるって何ッ⁈」
「言う義理ない。信用出来ない奴には。こんだけ、休講のスケジュールとか調べて計画性あるしな?何人引っかかるか見ものだけど。郵送で来る封筒にはチェック入れといた方が良いって事だけ、アドバイスしとこうか?」
「ッちょ!待って!ってばッ!!消すからッ!!!」
「その言葉ほど…信用して無いのも ないけど、俺とコイツらに手ェ出したら、どうなるか だけ 分かってればいい。思ってるより甘くは無いからな?檻の中は嫌だろ?アンタら、成人済みっぽいし?」
「~~~ッ消すッ!!消しますッ!!!」
「あんま 人を舐めた真似すんなよ?今日、ここに至るまで手引きしたのは誰?」
「あ…」
「言え無いなら、もう不要。二度と俺らには関わるな。帰って」
「…分かった…」
カフェテリア中が シーンと静まり返って、重く緊張した空気に満ちてる。
そりゃ そうか?というか、ここに居る大多数が知ってた事だろうに。
でも、あの連中の本性というか、こんな奴らとか知らなかったか?
SNSとかでは、どんなキャラ設定なんだろうな?
おそらく、迷惑な配信してるんだろうけど…
本職…では無いな?あんな詰めが甘くてボロ出すのは…
下っ端、鉄砲玉…?半グレ…でも無さそうだし、あんな根性なら やって行けないだろうし…?
やっぱ配信者か…?
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僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
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