先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第67話 無自覚⑦

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「先パ~イ…すんません…俺が変なの連れて来たみたいで…つーか 引っかかって…」

「あー…あれは お前じゃなくて、俺だろ。悪かったな…」

「いや…つーか、何?あいつら…」

「さあ?俺も分かんねぇけど…興味無い事は全く覚えないしな。過去にも会った事は無いと思うけど…あんな連中は勝手に知り合いっぽく慣れ慣れしいし、嫌いなんだよな。有る事無い事ギャーギャー言って うるせえし」

「ホントにな~?何あいつら?先パイ狙いって事…?」

「さあな?調べるのも面倒臭いけど、また来るのも面倒臭いしな…」

「調べたら分かるん?」

「ん~?まあな~。今日、ここに御膳立てした連中もいるんだろうし?あれは俺絡み…みたいだし、お前らには手ェ出さ無いように、潰しとかなきゃだしな」

「あんなタイプは口先だけっちゅーか、また同じ事 繰り返すけんな~。潰しとく方が世のため人のため やろうけど~」

「おっ、お前も そう思う?分かってんじゃん。あのタイプはな~…病的つーか、な…」

「背骨へし折るくらいの感じで潰さんと、分からんタイプやん?」

「そうそう。正にそれだわ、お前は正しい。再起不能レベルにしとかねぇと、また許されると思って来るからなー…面倒くさ…けど、やっとくか…」

「手伝う!」

「言っとくけど、パソコン仕事だからな?本当に背骨へし折るなよ?首も…そこまでやると、正当防衛の域 超えるからな?いいか?犯罪は揉み消せねぇから、コネが無いとな?」

「コネがあったら、揉み消せるってのもな~…。それに、やるからには反撃される覚悟と大事なのを守り抜く力が無いと 人には手ェ出すな、が鉄則やのに…甘いな~本当に」

「…本当にな~。その通りだ。お前、「お礼参り」覚悟で…助けてやるのもいいけど…気をつけろよ?退学とか…色々あるからな?」

「うん!ま、退学とか…」

「駄目だ」

「え?」

「退学は駄目」

お前は卒業までは俺のものだからな。
許さない。途中退場は…誰にもさせはしないから。

「あっははっ!も~!最近、最後まで話 聞かんなぁ~!「退学とかは せんように上手くやる」って言おうとしたのに~!」

「…お前…紛らわしいんだよ…せっかく今日は「先輩」モードだったから、面倒臭いの担当したのに…」

「へへへ~♪「先パイ」モードの時は、めっちゃ優しいし、超カッケ~けんな~!めっちゃ大好き~♪兄ちゃん達みた~い!♪」

「お前な…ハァ…ま、そんくらい気楽な方がいいか…お前がちゃんと言う事 聞いて 大人しくしててくれたから 良かったわ…ご協力感謝します…?」

「無言の協力…やけどな…ん~…」

「…よく、我慢して偉かったな?最後の連中は俺絡み…みたいだし…迷惑かけたし、今日は奢るわ。昼飯」

「あ!要らん!今日は作って来た!」

「あ、そうなの?じゃ…」

「先パイの分も作って来たけん、先パイも買わんでいい!」

「…えっ⁈何でっ?」

「パセリのやつの試作?っつーの?味見して~?」

「…ああ、あれか?何で試作?」

「色々あるっち言ったやん?肉も鶏、豚、牛ってさ~?東京の人の味の好み分からんしさ~?うちの姉ちゃん達が料理下手とか思われたくないもん!!」

「ああ~ なるほど~…わざわざ…悪いな?そこまでしてもらって…材料費出すから言えよ?」

「あ~、じゃ、そこは奢ってもらう!飯を♪」

「あ~、じゃ、それで良いんなら…分かった」

「つーかさぁ~?今日はさ~ この重大ミッションがあったけんさ~ 絶対に、先パイが食券買う前にストップさせんと!と 思っとったら、わけ分からんのが来てさぁ~?も~ テメェらのせいでミッション失敗したら、どうしてくれるんかって~! 2食分 食うの大変や~ん?ハァ~、ま、食券買う前にストップ出来たけん良かったけど~」

「…は? だから…あんな飛ぶ様に走って来たのか…?」

「そうそう!一番の重大事項やもん?ま、それだけでも…ねぇけど~?素行悪いの先パイに近づけたく無かったけどさ~、結果的に先パイが追っ払ったけど~」

「ははっ お前~ そんだけドンと構えてる方がいいわ~ ははっ あの程度で ピーピー言ってもな~ はははっ」

「ん~?あんな、ひよこレベル何とも思わんし~?それよか大事なんは、今日の昼飯の鶏料理の方やし~!」

「ふふっ あ~ やっぱ お前は面白いわ~…! 後な、「追っ払った」じゃなくて「丁重にお帰りいただいた」って、人から聞かれたら言っとけよ?人聞きが悪いだろ?誰がどこで聞いてるか、繋がってるかも分からねぇからな…?」

「あ~…了解~♪ さ~飯 飯~ 腹減った~!先パ~イ?丁度よくテーブルが いつもの人数分 空いとってさ~?こんなに混んどんのにさ~?」

そう言うと、コイツは悪戯っ子 丸出しの…この表情!

そうだよな?その周りの特等席に居る連中にも、ちょっと ビビらせとくか?

ふふふ こんなにイタズラが楽しいと思うのは、コイツがいるから。

一人でやっても面白くないし、面倒だから…と思うだろうけど…

ま、今は そう言う気分だから?
せいぜい ビビれ。

俺らで遊んで嗤おうとした罰…程でも無いけど。ささやかな仕返しだ。

ふふっ 顔色が、揃いも揃って 優れないなぁ~?

「へぇ~?凄い偶然でラッキーだな?そこ座るか~ つか、そこしか空いて無いもんな~?」

「うん!」

俺らが、何事も無かった様に…でもないけど、さっきの一連の騒動を楽しそうに笑っているのを

周りの連中は「信じられない」という表情で見ていたけど

その中にも、様々な立場や性格、考え方によって 個性が出るのが面白い所で

身内は、時が止まった様になっていて、一番身近な存在だからな

自分にも危害が…?とか思うと複雑で…距離置こうか…とか色々あるだろうし…

一番 情報処理に時間かかってるっぽいけど…

一方、漫研はと言うと、ほぼ同じ立場だけど「創作パワー」というか「漫画みたいな現場に遭遇」という認識が強い様で…

後は「腐」のBLパワーの威力は凄く、過去1の熱気を感じる…のは気のせいじゃない…と思う。

本当に「好き」って感情は 恐ろしい程 人を強くするな…

方向性を間違えると、さっきの連中方向に行くけど…。

ちなみに、言わずもがな…腐ってる連中は漫研と同じ反応。

ハァ…この様子…カフェテリアで 一番人口多いのは腐ってる連中か…

ま、今日に限っては この人口比で良かった…迷惑系の配信者連中ばっかだと面倒だしな…。

不本意だけど、今日は思う存分 俺らで妄想していけよ…特別サービスだからな?

特等席周辺の連中は顔に「ヤバイ」と書いてあるし、お通夜状態だけど

いきなり席を全員立つのも、不自然極まりなく…

自分に非があると肯定するようなもんだからな?

まあ、せいぜい 楽しいランチタイムしろ?大学で一番楽しい時間の1つだろ?一般的には。

しかし、忘れ去っていたけど、もう一組 真っ青なグループから、蚊の鳴くような…怯えた声で

「す…み…ませ…ん…お邪魔…しちゃ…って……」と近くで聞こえ…俺らが そっちを見ると…

あ…まだ居たの…つーか、あれじゃ帰れ無かったよな?と…

例の泥沼(仮)グループだ。

そりゃ、いきなり隣に居た 素行の悪いのが盛り上がって…帰るに 帰れないよな…位置的にも…

すっかり存在忘れてた…

彼女が、コイツに「助けて」って声かけたのが、嘘がどうかの反応チェックした後は もう 不要だったから 放置してたんだった。

4人とも 真っ青で、滝の様な冷や汗かいてるし…あ…さっきの発言とか…

気にしてる?よな…?

そう思って、自然と隣を見ると コイツも全く同じ事を思ったのか、2人で顔を見合わせ…

何となく「ここは、大丈夫 アンタらに言ったわけじゃ無いよ ってフォローして、とっとと返そう?」と意思疎通 出来たから

「あ~、あの~ さっきのは、あいつらに言ったんで~?気にしないで下さいね~?なっ?先パイっ?」

「あ~、そうそう。さっきみたいに、絡んで来るのは素行の悪いの多いから、気をつけて下さいね?」

「じゃ、これで…」と、同じタイミングで言い

4人は引き攣った笑顔を作って お辞儀して帰ったけど…

去り際に、彼女が「お幸せに…!」とポソっと、呟いた気が…

これは、彼女が腐女子疑惑…

勝手にコイツに惚れてるって思ってたけど…この4人も別の大学の漫研?とか か?

なら、先に言ってくれれば、変に美人局疑惑まで注意しなくてよかったのに…。

「はぁ~っ 今度こそ「丁重にお帰りいただいた」な~っ?先パイ」

「ん? 今度「も」だろ?」

「お~ そうそう♪ さ~飯食べよ~?腹減った~ あ、飲み物は持って来て無いけんさ~?」

「あ~、じゃ それは奢る」

「ん?いや、食堂にある無料ので良いよ~?あれ? 皆 どうしたん?ボーっとして? 早よ食べよ~?」

「…さっきの連中に驚いてるんだろ?」

「えっ?そうなんっ?」

この、ホントに「えっ?」って感じの…目が真ん丸の ぽかんっとした表情…!

ふふ 子供みたいなリアクション…

何で皆がコイツのこと「可愛い」って思うのか 分かった。

容姿だけじゃ無くて、可愛いところは いくらでも あるな?

あと…さっきの件があっても、通常運転なんだから…な?

これじゃ、東京の一般的な価値観と合わずに、苦労するのも分かるわ。

よく頑張ってて偉い…本当に。

これが俗に言う「かわいい後輩」ってやつか。

なるほど。部活してなかったし、俺は普通とは感覚違うし、理解不能だったけど

ようやく俺にも分かった。

これは、確かに かわいい。

分かった…と言うか、「出来た」のか?「かわいい後輩」が。

ふふ なんだ…こんな俺でも こんなに可愛く思うようになるとか、思いもしなかった。

これじゃ 皆 部活するはずだし、卒業後も「先輩」「後輩」で社会的な関係が続くのも分かる。

納得だ。


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