先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第65話 無自覚⑤

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「あの、そうゆう事なんで、もう帰って下さい。それに俺、あんま覚えて無いくらいの事しかしてませんから。彼氏さん?まで、わざわざ一緒にお礼を言いに来てもらってすみません。東京治安悪いので、なるべく彼女さん送ってあげたら…と思いますけど…じゃ、お気をつけて」

…ま、そうだけど…俺も初見で恋愛系疎いから…

でも、これは…明らかに彼氏は お前に言う事が有りそうな…?

彼女の方は…「しまった…?」って表情だな…?

漫画の王道よろしく、惚れたからって、別れ話しで揉めて、(勝手にコイツ入れて)三角関係的な…?

で、彼女側と彼氏側の友人が 各々付き添い…というか見守りというかで男女一人ずつ…か?

コイツは…そこまで分かってるか?
自分が勝手に三角関係にされてるのに…?たぶん…だけど。

「あっ…あの!」と、(勝手に)三角関係(たぶん)の彼氏が口を開き

彼女の方は…「どうしたらいいの⁈」な感じ…?

一目惚れして、別れ話までしたけど…コイツの中身というかも イメージと違うし、この全く 脈無しの門前払いだしな。

友人2人もだけど、「あ~っ 早まっちゃたな~⁈」って表情に見える。

これなら、楽にすんなり追い返せるな?

当の本人…彼女に「迷い」というか「後悔」っぽい感じが見えるから。

あと…おそらく…この4人も偶然…
今日の休講を知ってか、知人が教えたかで来た?

この完全黒グループとは 無関係っぽい…?

スケジュール教えた人物がいれば…そいつが、この黒の連中と繋がってるかも…は あるけどな。

これだけの野次馬に、ご丁寧にステージみたいにテーブルを準備してるんだからな。

「何ですか?」と、コイツは(顔見えないけど)ニコリともして無いだろ?な トーンで返し…

あからさまに 不機嫌な感じは出して無いけど、いつものコイツを知ってる人間から見れば「機嫌悪い?」「ウザい?」と思うだろうな。

「あ…彼女を助けてくれて、ありがとうございました…」

「いいえ、全然。俺 覚えて無いくらいなんで、たぶん そんなに危なく無かったと思いますし、気にしないで下さい。でも、さっき言った通り、要らん事 危なくなるかもなんで、もう これで関わらないで下さい」

おお~、その言い方…もしかして、彼女わざと?

コイツが好みだったからって 絡まれてるって嘘ついたパターンも有り得るか?

彼女も女友達も顔色が…

でも、こんな公衆の面前でバッサリ「覚えて無い」宣言も辛くて、顔色が…も有り得るな?

ま、いずれにせよ 脈無し。

公衆の面前でフラれた事には変わりないけど、これ以上 傷口広がるというか

正式に告白して バッサリ行かれる前に…

表面上「彼氏と友達と あの時のお礼を言いに来ました!」の体で帰るのを オススメするけどな。

コイツは そこら辺がマジで読めないから…爆弾発言するかもだし?

と、思ったけど、彼氏と女友達…いや、4人全員が食い下がって代わる代わる質問して来た。

…かなり話し合いを重ねて来て、彼女はコイツに本気だったに違いない!!!と、漫研メンバーをはじめ、ここに居る群衆は後に語る事になったけど

結果としては…

「あ、はい…あの…彼女の事…えっと…」と彼氏が言えないでいると

女の友情だろうか?女友達が話を引き継ぎ

「あの、あの時 あたしも居たんですけど…ありがとうございました」

「あ、そうですか?全然…大した事して無いんで」

「あの…!その、後ろの方…嵯峨先輩?と仲良いって聞いてて…その…凄く仲良いんですね…?さっきも…その…ギュって…ハグしてたし…?」

ここで、聞きたかった 本命の質問に繋げられる突破口を開いてくれた?ので、彼氏と男友達も参戦し…

彼女は汗をかきつつ 見守っている…

いや、アンタの問題では…?周囲が熱くなってるけど…

見切り付けて撤退…もアンタ決めたら?

と思いたくなるが…まだ揺れてるか?状況把握出来てない?

「その…嵯峨先輩?とは…お兄ちゃんみたいな存在って聞いたんですけど…」

「あの…えっと…朝日君?は…彼女さんとかは…?」

ほぉ~?彼氏も友達も、彼女の事 応援するつもりか…?

それとも、恋愛対象だけはハッキリさせときたいだけ?

けど、コイツのピリピリ感増してる…

さっき気付かなかったか?勝手にプライベートの情報回されるの 怒ってるだろ?

コイツは。俺もだけど。

それなのに、SNSか何かで知った情報なんだろうけど…

事前に下調べするのは、まぁ普通だから目を瞑るとして…

言い方…日本語気をつければ「知らないから聞きますけど」になるのに…余計怒らせて…

「何か関係あります?それ」

「えっ…⁉︎あ、その…えっと…」

「あ~…あたし達の大学で、朝日君 人気なので…」

「そう!それでっ!今日 会いに行くって言ったら、俺も女友達に 聞いて来てっ!って頼まれて~!」

と、友人2人が苦し紛れ…でも無いか?本当にありそうな話で、お通夜(行った事 無いけど)の様になってる 彼女と彼氏をフォロー?し…

でも…この流れ…失敗な気がする…。

コイツは無言…後ろ姿しか見えないけど…どんな顔してるんだ…?ピリピリ感が…。

そんな中、彼氏が動き…

「あの…初対面で 本当に失礼ですけど、恋人さんは…今 いますか?」

彼氏の本気度が伝わる…からか、コイツも返事をする事にしたようで

「いません」

「あ…そうなんですね…すみません、いきなり…こんな事 聞いて…」

「あのっ…えっと…好みのタイプとかはっ? その…女友達に聞いて来てって…言われたので…良かったら…あの…」

「…親戚の姉ちゃん達みたいな人ですけど?」

「あ…そうなんですね…えっと…具体的には?その…どんな人かを…」

あ、これ公開処刑コースだわ。

俺だけじゃ無くて、あの日 海に行ったメンバーだけじゃ無くて、学内の全員がそう思った。

コイツの親戚のお姉さん達は…!!!

「姉ちゃん達が、どんな人かって事ですか?」

「はい、是非…!」

…是が非でも聞きたいか?彼女は祈る様に手を胸の前で合わせてるけど…

是が非でも聞かない方が…知らない方が良いと思うぞ?

コイツの事 好きな女子ならば全員。

否が応でも、バッサリ斬られる。
公開処刑コースだよ。

あんな女性と比べられても…どうしようも出来ないからな。

「姉ちゃん達は、背が俺と同じくらいのモデルみたいで、超美人で、超優しくて、超かっこよくて、超強いし、料理も超上手で、超面白くて、あとは…とにかく、普通にはいませんね。そんじょそこらの美人じゃないし。東京来ても姉ちゃん達レベルには会った事 無いもん」


もう…十分だ。止めといてやれ…泣くぞ…?彼女…彼氏も泣きそうだけど…。

あー…そこの4名様…コイツに悪気無くて…本当の事なんですけど…。

キツ過ぎた…?あ、泣いた…?彼女…。
ちょっと…もう、連れて帰ってやって?

「あー…なるほど…ですね~…?そっか…分かりました~…」

「あ…ありがとうございます…」

そう、男達が絞り出す様に言い…女子2人は沈黙…。

学内のコイツに好意を寄せてる女子達にも2回目の大ダメージがあって…

でも、コイツに悪気も他意も無くて 聞かれたから本当の事を答えたって分かってるから…

でも、女子達と彼氏が可哀想過ぎて…ついでに 公開処刑を憐れんで、学内のほぼ全員が沈黙…というか…もはや黙祷…?

この静まり返った状況を一変させたのが、完全黒のグループで、特に男2人が笑いを堪えきれず、吹き出し…

同じグループの女3人を見て、更に笑った。

女3人は 明らかに不機嫌だけど、この泣きそうな彼女の様ではなく、コイツに好意は無いようだ。

「アッハッハッハッ!!朝日君だっけっ?理想高すぎ~~っ!!!」

「こりゃ~ッ お前ら無理だわッ!!!アッハッハッハッ!!」

そう、身内の女3人に言って 大笑いし 更に不機嫌そうになったけど…。

やっぱ素行が悪いな、無視が一番か…?

それに、この言動…絡まれてるって言ったのは嘘。コイツに近づきたかったから…

たぶん、学内に…コイツと観光する会…とかに…スケジュールとか場所とか流してる人間がいるけど…

でも各々SNSで情報出してるだろうし、それをチェックすれば…

大体分かって 絞り込めたりするからな…。

何のために…コイツ?

この集団…20歳は超えてるな…大学生かも分からねぇし…クソ…

「朝日君に助けてくれた お礼したくてさ~?交番まで 送ってくれてありがとね~?」

「…いいえ。覚えてませんし、さっきも言いましたけど、これで帰って下さい。二度と関わらずに。じゃあ、失礼します」


正解だ。この連中には関わらない方が良い…。

検証系とか、胸糞悪い動画の…?
迷惑系?とか…SNSして無いし

してても、そんな動画見ないからな…

「待って!待って!せっかく会いに来たのに~!そんな冷たい事 言わないでさ~?」

「お礼に、食事でもって思って~?♪朝日君の理想には及ばないけど~美人も呼ぶしさ~?」

あ…これ、絶対関わっちゃ駄目だな…インフルエンサー達 絡みか?

狙いはクロエ兄弟かな…一番学内で力あるし、コイツをプライベートでも可愛がってるし…

「結構です。わざわざ ありがとうございます。じゃ…」

「え~?じゃあ、嵯峨君と一緒なら~?それなら良い~?」

「!」

何で…俺…?…もしかして…やっぱ はじめから狙いは…

最近、気づいてた…というか、学内でも偶然を装って わざとぶつかって来る人間が…

特に、女子の方が 不自然じゃないから、女子が多いな…とは。

そんで至近距離で、前髪で隠してる顔を覗き込もうとする…のは、やっぱ 勘違いじゃない。

普通なら、ぶつかったら目を合わせて謝罪するから…と思って、顔を覗き込むのも普通か…とスルーしたけど、やっぱ違う。

色々あって、人を避けて歩くのが得意になったから、2、3回そんな事があって 昔の技を再起動させて ゼロになったけど…

やっぱ あの時ら辺から…始まってた?

そうだよな。

じゃないと、こんなモサいモブ男に…わざと ぶつかるとか無い…!
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