優劣

平村藤子

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02.ちょっとだけ、復讐

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 中3の9月、先生と個人面談。
「紗月はどうしたいの?」
「できれば成田優性高校を受験したいんですけど…」
「ランクも足りてるし、いいと思うわよ?」
「先生知らないんですか?」
「何を?」
「私、劣性ランク5です。」
先生は口を半開きのまま固まった。紗月もそれに驚いていた。紗月は、自分が劣性であることが学校側に伝わっていると思っていたからだ。それがまさか伝わっていなかったなんて。
「…まあもう半年程度しかないし、このことは黙っておくわ。なるほどね。凄いびっくりしたわ。」
「それで相談があるんです。」

「私、篠宮で高校を受験したいんです。」
「どうして?」
「先生はご存知ですよね、私が篠宮紗月だということを。私、親に縁を切られたんです。その縁を切った両親にとてつもなく腹が立つんです。篠宮の家系だと代々AA型優性ランク5で、突然変異で生まれた劣性のお前ごときが篠宮を名乗るな!!なんて、怒鳴られたんです。いくら私が劣性ランク5であっても、自分の子どもをそれだけの理由で手放すなんて最低だと思うんです。だから、復讐じゃないけど、ちょっとだけ思い知らせてやりたいんです。劣性でも普通の生活してるってことを。だから…もう劣性って明かしたから、一般公立高校の普通一般科を受験したいんです。」
「具体的にどの高校がいいとかある?」
「糸川北一般高校とか…」
「学力的にはばっちりだけど…通学に2時間くらいかかるわね。」
「来年から一人暮らしするんです。糸川市に引っ越す、またはその近くの町にでも引っ越せば問題ないです。」
「なら大丈夫ね。」
こうして紗月は糸川北一般高校普通一般科を受験。無事合格し、春から糸川北一般高校に通うことになったのだ。


 しかし、問題が発生した。


 かなりの人気でレベルも高い一般高校ともなれば、まわりのいろんな町から通うし、わざわざ糸川市まで引っ越してくる人もいる。糸川市には、成田優性高校、有良劣性高校と、一般・優性・劣性の全てが揃っていて。下宿も寮も市内のアパートとかも、全て空きがない。さらに、その近隣の町もすべて埋まっていた。それでも一番近くの町を探した結果、電車で1時間の町に引っ越すことになった。篠宮紗月、15歳。ちょっとだけ新しくなった人生の幕開けである。



普通一般科…優性も劣性も受験できる普通科のこと

一般高校…優性も劣性も受験できる高校
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