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EP1_5章
5章_13 呪われた記憶
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どれくらいの間、
眠っていたのだろう。
ミラーナが意識を取り戻すと、
もう空は白み始めていた。
左腕の出血もいつの間にか止まり、
痛みも感じない。
それでも、途切れた左腕を見るのは辛くて、
彼女は目を背けた。
これから、何処へ行こうか。
ミラーナにとって、
アムリタはもう思い出したくない土地になってしまっている。
ひとしきり辺りを見回しても、
自分が今どこに居るのか、彼女には分からなかった。
「どうしよう。」
ぽつりと呟くその言葉に、返答する者はいない。
深夜の冷たい風に追い立てられるように、
ミラーナは孤独の道を踏み出したのだった。
一方でロクサリオは、
夜を徹して村中を探し回った。
無礼を承知で、深夜に家々を尋ね歩いたし、
路地という路地を探し回った。
それでも、愛する娘は見つからなかったのだ。
疲労困憊の中、最後の望みを繋ぐように、
松明を手に取りレフコーシャへの街道に馬を進める。
そして、そこで見つけたのは、
千切れ落ちている左手。
慌てて馬を降りて駆け寄ると、
その親指には、小さな花が彩った指輪が、
朝靄の中に光っていた。
この一夜に何が起こってしまったのか、
たった一日でどうしてこうまでむごいことになるのか。
ロクサリオはその小さな左手を抱きしめるように、
膝を屈してすすり泣いた。
妻となるべき女を諦め、
最愛の娘を失った。
その後も、足を向けた先々で娘の手掛かりを探したが、
とうとう娘の情報は手に入らなかった。
我が身を引き裂かれるよりなお耐え難いこの呪われた一日の出来事を、
ロクサリオはいつしか記憶の底に閉じ込めた。
そうするより他に、
耐えることなどできはしなかったのだから。
シンシアとラシェルド・ロクサリオの悲劇は、
かくして闇の中へと葬られたのだった。
眠っていたのだろう。
ミラーナが意識を取り戻すと、
もう空は白み始めていた。
左腕の出血もいつの間にか止まり、
痛みも感じない。
それでも、途切れた左腕を見るのは辛くて、
彼女は目を背けた。
これから、何処へ行こうか。
ミラーナにとって、
アムリタはもう思い出したくない土地になってしまっている。
ひとしきり辺りを見回しても、
自分が今どこに居るのか、彼女には分からなかった。
「どうしよう。」
ぽつりと呟くその言葉に、返答する者はいない。
深夜の冷たい風に追い立てられるように、
ミラーナは孤独の道を踏み出したのだった。
一方でロクサリオは、
夜を徹して村中を探し回った。
無礼を承知で、深夜に家々を尋ね歩いたし、
路地という路地を探し回った。
それでも、愛する娘は見つからなかったのだ。
疲労困憊の中、最後の望みを繋ぐように、
松明を手に取りレフコーシャへの街道に馬を進める。
そして、そこで見つけたのは、
千切れ落ちている左手。
慌てて馬を降りて駆け寄ると、
その親指には、小さな花が彩った指輪が、
朝靄の中に光っていた。
この一夜に何が起こってしまったのか、
たった一日でどうしてこうまでむごいことになるのか。
ロクサリオはその小さな左手を抱きしめるように、
膝を屈してすすり泣いた。
妻となるべき女を諦め、
最愛の娘を失った。
その後も、足を向けた先々で娘の手掛かりを探したが、
とうとう娘の情報は手に入らなかった。
我が身を引き裂かれるよりなお耐え難いこの呪われた一日の出来事を、
ロクサリオはいつしか記憶の底に閉じ込めた。
そうするより他に、
耐えることなどできはしなかったのだから。
シンシアとラシェルド・ロクサリオの悲劇は、
かくして闇の中へと葬られたのだった。
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