リースス・レーニス

大神ヒラメ

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改造銃

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一方その頃…
「部屋にいないとなると…ここか…?」
フィエルはとある男の置き手紙を元に、アジトの中にある立方体のコンクリート造の建物へ向かっていた。
フィエルは「入るぞー」と言って、扉を開けた。すると…
「ダァァァァァン!」
鼓膜が敗れそうなほどの大きな音が、建物中に響き渡った。そして、フィエルの目の前を見えない何かが通り過ぎた。
「おー悪ぃ悪ぃ。って…フィエルか。どした?」
声の主はガタイのいい男で、銃をクルクルと回しながらフィエルに近づいてきた。
「…殺す気かよ。」
「まさか。絶対当てないようにしとるし。」
フィエルが不服そうにボソッと呟くと、男は片手を腰に当てて自信満々に答えた。
「わざとかよ…たち悪ぃな。」
フィエルはしかめっ面をして、舌打ちをした。
「スリルがあってええやろ?俺らレベルの実力があると、毎日の任務が退屈で仕方ねぇからな。」
男はハァーっと深いため息をついてそう言った。
「ってか、フィエルはなんでここに来たん?もしかして、アレのこと?」
そう言って男は、黒いスーツケースをフィエルの前に持ってきた。
「正解。さすがシャンス。長い事一緒にいるだけの事はあるな。」
「言わなくてもちゃーんと分かってるで。俺らの仲やろ?」
そう言って2人はお互いに拳を合わせた。
シャンスと呼ばれた男は、スーツケースの中から拳銃を取り出した。
「今日襲撃したマフィアからぶんどってきたやつ。モデルガンを改造して実弾が撃てるようになっとるけど…精度は全然。あるだけ無駄って感じ。狙ったところに撃てやせん。」
シャンスは盛大にため息をついて銃を手に取った。
「ってことは…質の悪い改造銃を作るだけ作って、インターネットオークションで銃の知識がねぇ奴らに大量に売りつけて荒稼ぎしてた…可能性もあるわけだ。」
「その予想当たっとる。さっきネットを漁っとったら、コイツと同じ改造銃が密売されとった。価格は…一つあたり10万ちょっとだ。オークションやから誤差は生まれるけど、少なくとも7万は下らんかった。」
そう言ってシャンスは、手元のタブレット端末でオークションのサイトを開き、フィエルに画面を見せた。
「ホントだ…結構高値で売られてるもんだな…」
「ここに売られてるだけで、ざっと100くらいおったな。」
「アジトから押収した数は?」
「だいたい…300。」
「単純計算で?」
「そこは自分で計算しろや…整数のかけ算やろ…最低でも2100万。」
「サンキュ。つまりネットに出回ってるやつを含めると、最低2800万が転げこんでくるってことか。」
「売る事前提かよ。」
「もちろん。」
フィエルは悪びれる様子もなく、当然かのようにそう言った。
「ただ…搾り取るなら徹底的に搾り取りたいよな…」
フィエルは頭をフル回転させて、良策を考えていた。
「悪知恵やったらアイツに任せた方がええやろ。」
シャンスは当然かのようにそう言った。
「確かに…その手があったか!」
フィエルはパチンと手を鳴らして、シャンスを指さした。
「そしたら…オークションサイトの管理は任せていいか?シャンス。」
フィエルはシャンスの肩をポンと叩いて、「任せたぞ」という目線を向けた。そんなフィエルの姿を見たシャンスは、フッと笑みを零した。
「任せとき。4幹部で機械に強いのは俺しかおらんしな。」
シャンスは自分の胸を拳でトンと叩き、ニカッと笑った。
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