12 / 44
改造銃
しおりを挟む
一方その頃…
「部屋にいないとなると…ここか…?」
フィエルはとある男の置き手紙を元に、アジトの中にある立方体のコンクリート造の建物へ向かっていた。
フィエルは「入るぞー」と言って、扉を開けた。すると…
「ダァァァァァン!」
鼓膜が敗れそうなほどの大きな音が、建物中に響き渡った。そして、フィエルの目の前を見えない何かが通り過ぎた。
「おー悪ぃ悪ぃ。って…フィエルか。どした?」
声の主はガタイのいい男で、銃をクルクルと回しながらフィエルに近づいてきた。
「…殺す気かよ。」
「まさか。絶対当てないようにしとるし。」
フィエルが不服そうにボソッと呟くと、男は片手を腰に当てて自信満々に答えた。
「わざとかよ…たち悪ぃな。」
フィエルはしかめっ面をして、舌打ちをした。
「スリルがあってええやろ?俺らレベルの実力があると、毎日の任務が退屈で仕方ねぇからな。」
男はハァーっと深いため息をついてそう言った。
「ってか、フィエルはなんでここに来たん?もしかして、アレのこと?」
そう言って男は、黒いスーツケースをフィエルの前に持ってきた。
「正解。さすがシャンス。長い事一緒にいるだけの事はあるな。」
「言わなくてもちゃーんと分かってるで。俺らの仲やろ?」
そう言って2人はお互いに拳を合わせた。
シャンスと呼ばれた男は、スーツケースの中から拳銃を取り出した。
「今日襲撃したマフィアからぶんどってきたやつ。モデルガンを改造して実弾が撃てるようになっとるけど…精度は全然。あるだけ無駄って感じ。狙ったところに撃てやせん。」
シャンスは盛大にため息をついて銃を手に取った。
「ってことは…質の悪い改造銃を作るだけ作って、インターネットオークションで銃の知識がねぇ奴らに大量に売りつけて荒稼ぎしてた…可能性もあるわけだ。」
「その予想当たっとる。さっきネットを漁っとったら、コイツと同じ改造銃が密売されとった。価格は…一つあたり10万ちょっとだ。オークションやから誤差は生まれるけど、少なくとも7万は下らんかった。」
そう言ってシャンスは、手元のタブレット端末でオークションのサイトを開き、フィエルに画面を見せた。
「ホントだ…結構高値で売られてるもんだな…」
「ここに売られてるだけで、ざっと100くらいおったな。」
「アジトから押収した数は?」
「だいたい…300。」
「単純計算で?」
「そこは自分で計算しろや…整数のかけ算やろ…最低でも2100万。」
「サンキュ。つまりネットに出回ってるやつを含めると、最低2800万が転げこんでくるってことか。」
「売る事前提かよ。」
「もちろん。」
フィエルは悪びれる様子もなく、当然かのようにそう言った。
「ただ…搾り取るなら徹底的に搾り取りたいよな…」
フィエルは頭をフル回転させて、良策を考えていた。
「悪知恵やったらアイツに任せた方がええやろ。」
シャンスは当然かのようにそう言った。
「確かに…その手があったか!」
フィエルはパチンと手を鳴らして、シャンスを指さした。
「そしたら…オークションサイトの管理は任せていいか?シャンス。」
フィエルはシャンスの肩をポンと叩いて、「任せたぞ」という目線を向けた。そんなフィエルの姿を見たシャンスは、フッと笑みを零した。
「任せとき。4幹部で機械に強いのは俺しかおらんしな。」
シャンスは自分の胸を拳でトンと叩き、ニカッと笑った。
「部屋にいないとなると…ここか…?」
フィエルはとある男の置き手紙を元に、アジトの中にある立方体のコンクリート造の建物へ向かっていた。
フィエルは「入るぞー」と言って、扉を開けた。すると…
「ダァァァァァン!」
鼓膜が敗れそうなほどの大きな音が、建物中に響き渡った。そして、フィエルの目の前を見えない何かが通り過ぎた。
「おー悪ぃ悪ぃ。って…フィエルか。どした?」
声の主はガタイのいい男で、銃をクルクルと回しながらフィエルに近づいてきた。
「…殺す気かよ。」
「まさか。絶対当てないようにしとるし。」
フィエルが不服そうにボソッと呟くと、男は片手を腰に当てて自信満々に答えた。
「わざとかよ…たち悪ぃな。」
フィエルはしかめっ面をして、舌打ちをした。
「スリルがあってええやろ?俺らレベルの実力があると、毎日の任務が退屈で仕方ねぇからな。」
男はハァーっと深いため息をついてそう言った。
「ってか、フィエルはなんでここに来たん?もしかして、アレのこと?」
そう言って男は、黒いスーツケースをフィエルの前に持ってきた。
「正解。さすがシャンス。長い事一緒にいるだけの事はあるな。」
「言わなくてもちゃーんと分かってるで。俺らの仲やろ?」
そう言って2人はお互いに拳を合わせた。
シャンスと呼ばれた男は、スーツケースの中から拳銃を取り出した。
「今日襲撃したマフィアからぶんどってきたやつ。モデルガンを改造して実弾が撃てるようになっとるけど…精度は全然。あるだけ無駄って感じ。狙ったところに撃てやせん。」
シャンスは盛大にため息をついて銃を手に取った。
「ってことは…質の悪い改造銃を作るだけ作って、インターネットオークションで銃の知識がねぇ奴らに大量に売りつけて荒稼ぎしてた…可能性もあるわけだ。」
「その予想当たっとる。さっきネットを漁っとったら、コイツと同じ改造銃が密売されとった。価格は…一つあたり10万ちょっとだ。オークションやから誤差は生まれるけど、少なくとも7万は下らんかった。」
そう言ってシャンスは、手元のタブレット端末でオークションのサイトを開き、フィエルに画面を見せた。
「ホントだ…結構高値で売られてるもんだな…」
「ここに売られてるだけで、ざっと100くらいおったな。」
「アジトから押収した数は?」
「だいたい…300。」
「単純計算で?」
「そこは自分で計算しろや…整数のかけ算やろ…最低でも2100万。」
「サンキュ。つまりネットに出回ってるやつを含めると、最低2800万が転げこんでくるってことか。」
「売る事前提かよ。」
「もちろん。」
フィエルは悪びれる様子もなく、当然かのようにそう言った。
「ただ…搾り取るなら徹底的に搾り取りたいよな…」
フィエルは頭をフル回転させて、良策を考えていた。
「悪知恵やったらアイツに任せた方がええやろ。」
シャンスは当然かのようにそう言った。
「確かに…その手があったか!」
フィエルはパチンと手を鳴らして、シャンスを指さした。
「そしたら…オークションサイトの管理は任せていいか?シャンス。」
フィエルはシャンスの肩をポンと叩いて、「任せたぞ」という目線を向けた。そんなフィエルの姿を見たシャンスは、フッと笑みを零した。
「任せとき。4幹部で機械に強いのは俺しかおらんしな。」
シャンスは自分の胸を拳でトンと叩き、ニカッと笑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる